野党は今すぐ共闘 !! そして、ビジョンと未来を語れ。今必要なのは大きなうねり。宜野湾市長選から見えてきたこと。

宜野湾市長選の結果から見えてきたこと

普天間基地を抱える宜野湾市での市長選挙から10日ほどが経った。

佐喜真 淳 27,668票 対 シムラ 恵一郎 21,811票。
およそ6,000票差でサキマ氏が当選した。

マスメディアやネット上での選挙結果の分析もほぼ出尽くした感があるが、
素人ながら当ブログとして、ふたつのことだけ指摘しておきたい。

ひとつは、この選挙結果から、辺野古への「移設」が民意だとは言えない、ということ。
そして、もう一つは、「オール沖縄」でも、政権側が推薦する候補に勝てなかったという事実だ。

・選挙結果は、辺野古への「移設」賛成か ?

もうこれについては、多くの解説・批評がある(注1)ので今更感もあるが改めて。

琉球新報の事前の世論調査・投票日当日の出口調査の結果が興味深い。
県外・国外・無条件閉鎖をあわせると7割以上。翁長知事を支持するが65%。
辺野古移設には過半数が反対、政府のやり方も過半数が支持しないという調査結果だ(注2)。

両候補とも普天間基地については、返還・閉鎖で一致していた。
一方、当選したサキマ陣営は「辺野古移設推進」と主張していたわけではない。

サキマ氏を支援した公明党の態度はきわめて不可解で有権者を愚弄する態度だ。
公明党本部は「移設」賛成だが、県本部は「移設」反対。
しかし、事実上「移設」賛成派のサキマ陣営を公明党県本部は支援してきた。

サキマ氏自身も徹底した争点隠しで移設先については何も発言しなかった。
したがって、これで「辺野古移設(新基地建設)」が承認されたとは言えないだろう。

・「オール沖縄」はなぜ勝てなかったのか ?

相手側が徹底した争点隠しをしたとはいえ、辺野古「移設」が主たる争点だった選挙で、
辺野古「移設」反対が過半数を占める世論の中で、
保守層や地元経済界を含む幅広い共闘である「オール沖縄」の
「移設」反対のシンボルとも言うべき翁長知事が推す候補が破れた。
このことの意味は大きい。

これについても既に様々な分析がある(注3)。

大きな失政も多選批判も無く、知名度といくらかの実績がある現職2期目は元々有利という分析や、
辺野古移設反対派を圧倒した、安倍官邸の狡猾な「争点隠し」と「物量作戦」
佐喜真氏再選 辺野古外しが奏功した
宜野湾市長選 民意どこに? 辺野古言及なかった佐喜真氏
軽減税率丸呑みの裏にある宜野湾市長選挙など
「争点隠し」と「一地方選に官邸・自民・公明が異常なほど全面支援した」という分析がある。
もちろんそれはその通りだろう。

投票日翌日の「沖縄タイムス」は、こう書いている。

出口調査で浮き彫りになった宜野湾市の民意 2016年1月25日 沖縄タイムス
「投票する人を選ぶとき、何を一番重視したか」を聞いたところ、「普天間飛行場の移設問題」が48%で最多。
普天間問題を重視した人のうち、佐喜真淳氏に投票したのは30%、志村恵一郎氏は70%だった。候補者の経歴・実績と答えた人では佐喜真氏90%、志村氏10%。経済・福祉政策は佐喜真氏71%、志村氏29%となった。
普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、「賛成」と答えたのは34%、「反対」は57%、「無回答」は10%
辺野古移設に賛成と答えた人のうち、佐喜真氏に投票したのは93%、志村氏は7%。辺野古移設に反対とした人は、佐喜真氏に24%、志村氏に76%。佐喜真氏は、辺野古移設に反対する人の一部の支持も得た。

普天間問題を重視した人は7割が志村恵一郎氏に、候補者の経歴・実績と答えた人では9割が、経済・福祉政策を重視する人の7割が佐喜真氏に投票した。
辺野古移設反対の人のおよそ1/4が佐喜真氏に投票した(移設賛成で志村氏に投票したのは1割以下)。
もともと、志村氏に投票した人と佐喜真氏に投票した人では、この選挙で何を重視するかが違っていた。
候補者の経歴・実績や経済・福祉政策を重視する人は、辺野古移設反対でも佐喜真氏に投票した。

「普天間返還」が具体的問題となって、もう20年も経つのに何も変わらない。
「移設条件抜きの閉鎖」といっても、一市長選で勝ったくらいでホントに実現できるの ? なぜ今までできなかったことが今できると言えるのか ?
「どうせ辺野古になるなら、政府と協調して普天間の跡地利用に取り組める佐喜真氏で」というあきらめにも似た気持ちと
「なぜ宜野湾の選挙に名護(辺野古)の話が出てくるんだ」という理屈抜きの抵抗感があるのかもしれない。
それは、基地とつきあわされてきた沖縄の、宜野湾市民の苦悩のように思える。
そして、「選挙では移設問題でなく、宜野湾市民の生活の問題が問われるべきだ」という意識がある。
特に、若い世代ではそうした傾向はより強い(70歳以上では60%が普天間問題を挙げ、経済・福祉政策を挙げた人は13%にとどまった。これに対して20代では普天間問題35%、経済・福祉政策30%と拮抗した)。(注3)

有権者の気持ちとかみ合う政策と宣伝を 野党はビジョンと未来を語れ

宜野湾市長選挙の結果は、夏の参議院選にも生かせるたくさんの教訓を残した。
安保法制反対の世論が過半数だから、安保法制反対で野党統一候補を擁立すれば勝てる、というほど世の中単純ではないようだ。
「移設」反対の世論が過半数でも、「移設」反対のオール沖縄候補が勝てなかったのだから。

有権者が関心を持てる「争点作り」が何より重要だろう。
安保法制廃止、立憲主義守れ、憲法改悪反対を身近に感じられる宣伝方法が必要だろう。
そしてもう一つ、これもネットでは多くの人が提案しているが、格差是正の経済政策が必要だろう。

だがモタモタしている野党を尻目に、「与党でもない野党でもない」おおさか維新に先を越されてしまった。
おおさか維新 松井代表、消費税10%延期を主張方針
大学まで教育無償化=おおさか維新・松井代表
ファシストの方がポピュリストであるが故に、民衆の支持をかすめ取るのがうまい。

自民党もまた、選挙で不利になる要素は先送りして、 支持をかすめ取ろうとしている。
安倍政権のシャレにならない「アメとムチ」 7月の選挙後には悪夢のような「現実」が待っている!
参院選後に「倍返し」社会保障削減計画ズラリ 安倍内閣 参院選で厳しい審判を
先楽後憂の選挙前後の自民党政策 これが真実です❗

野党も、ポピュリズムに徹して、有権者受けする政策を全面に、とは言わない。
しかし、「安保法制廃止」や「憲法改悪反対」の大義だけで選挙に勝てるわけではない。

かつての「小泉劇場」の時や、維新の会(おおさか維新)が大躍進した時には、何か世の中が変わるという期待感があふれていた。
民主党政権が誕生した時もそうだったはずだ。

悲壮感を漂わせながら現政権に反対するだけでは、それが正しくても、民衆の大きな支持は得られない。
野党が共闘して選挙に勝てば「何がどう変わるのか」「どんな未来があるのか」「それは有権者にとって得なことか」それを語ろう。
わかりやすい政策とフレーズで有権者の「ふわっとした感情」をギュッとつかむことが必要。
さっさと、野党共闘を実現して、共同政策をまとめて、ビジョンと未来を語れ。

普天間問題、日韓慰安婦合意、北朝鮮のミサイル問題、甘利辞任問題でさえ、マスコミ(特にテレビ)は「安倍内閣がんばってる」感満載の論調で安倍を助けてる。
自民は災い転じて福となす的な手法でどう見てもマイナスポイントになるはずのことをプラスに転じている。さらに野党がだらしないことが「消去法的、消極的支持」を増やしてる。
だからいまだに支持率は高いままだ。これを打ち破らないと選挙に勝てない。

内閣支持率

ここで勝てなければ、いよいよ憲法改悪が現実のものとなる。

野党は今すぐ共闘 !! 必要なのは単なる「選挙協力」ではなく運動のうねり

相手は着々と選挙に向けて準備を完了しつつある。
野党も、一刻も早く具体的な政策や宣伝で打って出るべきだ。
ところが、野党はスタートラインにすら立っていない。

地方レベルでは、共闘が成立しつつあるが、中央レベルでは話し合いすら行われていない。
いろいろいきさつはあるだろうが、まずは共同のテーブルにつくべきだ。

あす、2月4日に、野党の非公式会談が行われるようだ。

5野党幹部、非公式会談へ 参院選候補一本化を協議
民主、共産、維新など野党5党の幹事長・書記局長が4日、非公式会談を開くことが分かった。関係者が1日明らかにした。病気療養から復帰した社民党の又市征治幹事長の快気祝いを名目に、難航する野党共闘について協議する。参院選をにらみ野党候補一本化を進める狙いもありそうだ。生活の党も参加する。
会談は民主党の枝野幸男幹事長が呼び掛けた。改選1人区での候補一本化をめぐり、党内には共産党との連携に根強い反発があることから、同党に対し政党間協議を通じてではなく、自発的に擁立した候補を下ろしてほしいとの思惑がある。

最後の一行はちょっと気になるが、遅ればせながら今からでも話し合いが行われるなら一歩前進だ。

ひとつだけ言っておきたいのは、野党共闘は選挙互助会ではない、ということだ。
政治家個人にとって議員になれなければただの人、自分が統一候補になれなければ議員になれるかどうかの前に候補者にすらなれないという事情もよくわかる。
また、政党にとって所属議員数で政党助成金の額が違ってくるという事情も(政党助成金制度がいいかどうかは別にして)わからなくはない。
しかし、協議抜きに「自分を統一候補にしてくれ」や「他党が自発的に候補を取り下げて我が党の候補を統一候補に」という主張は、理解できない。
(マスコミ報道を見る限りそのような印象を受けてしまう)
結果的に野党第一党の候補が統一候補になる確率は高いだろう。その事は否定しない。
しかし、そのためには真剣な話し合いが前提として必要だ。

今必要なのは、政党間の駆け引きや選挙協力や、ましてや票の移動の話ではない。
運動抜きの単なる選挙協力では、1足す1は1.5くらいにしかならない。
大きな運動のうねりがあってこそ、1足す1は3にも4にもなる。

今必要なのは、安倍・橋本流のネオナチ・ファシズム政治を倒す運動だ。
今の安倍自民は、従来の自民党政治の延長ですらない。
加藤紘一、古賀誠、野中広務、河野洋平、山崎拓、亀井静香、福田康夫、、、そうそうたる自民党の元大物幹部が安倍政権を、そしてその手法を批判している。
それだけ安倍・日本会議派は、突出してファシズムだということだ。
今の対決軸は、保守対革新ではない。
ならば、こうした「本来の保守層」を巻き込むくらいの運動が必要だ。

相手は金と権力を持っている。金があれば優秀なブレーンとスタッフを雇うことができる。権力があれば言うこと聞かないやつに圧力をかけられる。
相手も死にものぐるいの総力戦だ。宜野湾のような一地方選でも総力戦だった。
こちらも、政治学者と経済学者の協力でいい政策を作ってほしい。
それを広めるためには、広告・宣伝・マーケティングのスペシャリストの力も欲しい。
集会、デモ、学習会、フライヤー、口コミ、SNS、あらゆる手段でそれを広めたい。
告示前に国会前と全国で大規模な行動ができたらいいと思う。大きな動きがあればマスメディアも取り上げざるを得ない。
ホントにこちらも総力戦でなくては。そのためには「今すぐ野党は共闘」。その上での戦略・戦術を練り効果的な宣伝を考えなければならない。

そんな時に、いわゆるリベラル派の内部が入り口の議論でもめている場合ではない。
野党共闘は大前提、安保法制反対と立憲主義が一致点というのも大前提、さらにその上のプラスαに知恵を絞らないて勝てない。
ところが野党はまだスタートラインにすら立っていない。
市民運動が、もっともっと「野党は共闘」の声と圧力を野党各党にかけよう。

参議院選一人区での統一候補はもちろん、複数区でも共倒れのないよう話し合いが必要だろう。
いつ行われるかわからない衆議院の解散・総選挙の対策も必要だ。ぼやぼやしている場合ではない。

憲法改悪で「緊急事態条項」の導入を相手側が狙っている今、次の選挙が民主主義制度の下で行われる最後の選挙になるかもしれない。
さらに9条そのものにまで手を付けようとしている。
(首相が9条改憲を訴え 衆院予算委で条項に直接言及)
そうさせないために、負けるわけにはいかない選挙なのだ。

・画像は、Everyone says I love you ! 「甘利大臣辞任は当然」が7割なのに、安倍内閣支持率が増える世論にびっくりぽん。共同通信、毎日、読売。より


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・注1
【社説】宜野湾市長選 辺野古信任とは言えぬ 2016年1月25日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016012502000142.html

<社説>佐喜真氏再選 新基地容認ではない 国に「5年以内」閉鎖責任 2016年1月25日  琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-209783.html

社説 宜野湾市長選 辺野古に直結はしない 毎日新聞2016年1月25日 東京朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160125/ddm/005/070/050000c

・注2

志村氏、佐喜真氏が横一線 宜野湾市長選琉球新報世論調査 2015年12月29日 琉球新報
市長選の最大争点となる米軍普天間飛行場の返還・移設問題では「県外移設」「国外移設」「無条件の閉鎖撤去」と回答した人の割合は合計で71・1%に上った。「辺野古移設」「辺野古以外の県内移設」は計13・6%だった。
投票する候補者を決める際に重視する点について、55・4%が「普天間飛行場問題などの基地問題」と回答し、普天間問題への関心の高さがうかがえた。

佐喜真氏、志村氏、激しく競り合う 宜野湾市長選 琉球新報・毎日新聞・共同通信合同出口調査 2016年1月24日 琉球新報
普天間飛行場の辺野古移設については、56・0%が反対、辺野古移設を推進する政府の姿勢については、54・9%が支持しないと回答、投票に当たって最も重視した政策は、普天間移設問題と回答した有権者が最も多く55・0%だった。

・注3
30代では3分の2が佐喜真氏に投票 若年層に「辺野古容認」広がる?
http://www.j-cast.com/2016/01/25256547.html

「新基地」争点では反対派強く 宜野湾市長選 関心は「経済振興」2016年1月26日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016012602000128.html

宜野湾市長再選 辺野古移設反対派、結束に課題 毎日新聞2016年1月25日
http://mainichi.jp/articles/20160126/k00/00m/010/126000c#cxrecs_s

クローズアップ2016 沖縄・宜野湾市長再選 政府と県、混迷さらに 首相「勝利大きい」毎日新聞2016年1月25日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/articles/20160125/ddn/003/010/040000c#cxrecs_s

普天間基地の地元、苦渋の選択 宜野湾市長に政権派再選
http://www.asahi.com/articles/ASJ1S7KG0J1STIPE03M.html

宜野湾市長選、何が勝敗を分けたのか 記者たちが見た舞台裏
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=152139

宜野湾市長選挙で報じられない単純な数字。
http://blogos.com/article/156752/

宜野湾市長選挙~辺野古反対派はなぜ負けたのか?~
http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-meguro/henoko-election_b_9129246.html

[ 2/8追記 ]安倍政権が論理をすり替え。宜野湾市長選の結果は「辺野古移設」容認ではない!
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/02/08/60447/


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