和解からわずか3日で是正指示。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因。新基地建設の理由がない。

在沖米海兵隊 普天間基地

和解からわずか3日で是正指示。何のための和解か。

3月4日の、辺野古裁判の和解から、わずか3日、7日午後に国(石井啓一国交相)は、「埋め立て承認取り消し処分の是正」を指示する文書を発送した。
「国は県に対し埋め立て承認取り消しについて地方自治法上の是正を指示する」事自体は和解内容に含まれているが、それはあくまで協議がまとまらない場合の話。
たった一度の協議すらなく、協議日程の調整すらなく、いきなり強権的手段に出るのは「和解」の精神に反する。

和解勧告は、1999年の地方自治法改正で「国と地方公共団体が対等・協力の関係となることが期待された」のに、現状は「改正の精神に反する状況」だと批判し、国側敗訴の可能性にふれた。
この想定外に国にとって厳しい内容の和解案を国は受け入れ、誠実に話し合うと言ったのは単なるポーズだったのか。
和解しなければ敗訴するから仕方なく形だけ和解に応じたのか。
県側が「(安倍晋三首相は)誠意を持って沖縄県と協議をしたいと言った。いい方向に結論を出そうという中で、入り口でこういった形でやるのは大変残念だ」と述べたのは当然の事だ。

さらに、菅義偉官房長官は8日午前の会見で、和解条項にある協議の内容について「いろいろ総合的になるのではないかと思う」と述べ、基地負担軽減や沖縄振興についても議論の対象となる考えを示したという。
総合的だの、沖縄振興だの、また「アメとムチ」で沖縄に揺さぶりをかけるつもりだろうか。USJだのディズニーだので沖縄県民が喜ぶと思っているのか。
「基地受け入れの見返りではない」と国も認めている振興予算を、受け入れれば増額し、受け入れなければ減額するつもりだろうか。そんな事が許されるわけがない。

普天間基地はもともとハーグ陸戦法規違反。閉鎖・返還して当然。

普天間基地は、1945年6月、沖縄本島に上陸していた米軍がまだ戦闘中に、本土攻撃用の基地として完成させた。
住民はもちろん避難しており、その隙に集落を奪って、民有地の強制接収によって建設した基地だ。
戦時国際法であるハーグ陸戦法規では、戦闘状態でも、敵国の民衆の財産権は侵害しない、戦闘が終わったら速やかに返還するとの規定に違反している。
もちろん、日本の敗戦後、住民に返還されたわけではない。
1950年代にはそこに岐阜・東富士から反対運動で追い出された海兵隊が移動してきて柵を強制的に設置、更に拡張した。

日本の降伏時か、サンフランシスコ条約によって占領が終了した時点で返還されるべきであった。
沖縄はその後も米軍統治下にあったというなら、せめて本土復帰時、施政権返還時に、土地も返還されるべきだった。
しかし、以前の記事でも書いたように、1972年の復帰時点で公用地(その大部分は軍用地)であった土地は、いっさいの手続きぬきで5年間引き続き「暫定使用」できるとする法律「沖縄公用地暫定使用法」によって沖縄の米軍基地は維持された。
民主主義国家において、何の手続きもなく、意思表示の機会すら与えず、私有財産を制限する事は、明白な憲法違反だった。

1995年の少女暴行事件の後設置されたSACOで、普天間は一番に返還されるべきものとして日米で合意された。

これらの経緯を見れば普天間基地は閉鎖・返還されるべきものというしかない。

代替条件付きの返還はまやかし。普天間と辺野古はセットではない。

1996年のSACO合意で返還が決定されていながらいまだに返還できない原因は何か。
それは「代替条件」付きだからだ。これこそがこの問題の「迷走の始まり」だ。

しかし、果たして「代替施設」が本当に必要なのか。
これも、このブログでかつて書いた事だが、在沖米海兵隊は「幽霊師団」にすぎない。
在沖米海兵隊は、司令部と後方支援がメインで、実戦部隊は一年のほとんどを海外での訓練などに費やしている。
さらに過去記事でも書いたように、米軍は何度も沖縄からの兵力削減を検討しており、2012年には、新基地建設とは切り離して海兵隊の一部海外移転で日米両政府は合意している。
残ったわずかな部隊のために最新式の新基地が必要なのか ?
辺野古弾薬庫と隣り合わせで、強襲揚陸艦が接岸可能な港湾機能のある、200年の耐久性能の新基地が。
むしろ、新基地が必要という理由がない。

SACO合意時点ですら(海兵隊の海外移転の合意以前)代替条件付きではあったが、代替施設として検討されたのは「嘉手納統合案」や「東海岸の海上に(撤去可能な)ヘリポートを浮かべる」という案であった。
その後、兵員削減で合意しているのに、むしろ「代替施設」の方はバージョンアップしている。

もはや、辺野古に建設しようとしているのは「普天間の代替施設」などではなく、明らかに機能強化された「新基地」である。
普天間の危険性除去のためには辺野古「移設」が必要という政府の説明自体がまやかしだ。

普天間の閉鎖を速やかに合意し、残ったわずかな海兵隊をどうするか、県と国が真剣に話し合うべきではないのか。
それこそが「オール日本として米側と交渉すべし」とした和解勧告に添う道だ。
これは決して「実現性のない夢のような話」ではない。
何度でも書くが大幅削減される海兵隊のためになぜ最新式新基地が必要なのか、こちらの方こそ理由がない。
これも何度かこのブログで書いてきたが、アメリカ側には、海兵隊は沖縄から撤退すべしという意見もある。
また、高野孟氏や泥 憲和氏もそう主張している(泥氏の場合はいくつかある案のひとつとして)。
新聞も琉球新報が「海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。」と書いたのを始め、何紙かが県外・国外移設も念頭に議論の仕切り直しをという趣旨の社説を掲げた。

だが、和解受け入れと同時に「辺野古が唯一という立場は変わらない」と発言する今の政府には無理かもしれない。
そうであるなら、政府を取り替えるしかない。

・画像はwiki「普天間飛行場」より (著作権者Sonata)
https://ja.wikipedia.org/wiki/普天間飛行場


にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 ← 応援クリック、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。
このサイトはリンクフリーです。リンク・シェア、大歓迎 !! 引用する場合は必ずリンクして下さい。


・補足1 参考にしたサイト
強気が一変、安倍政権が「辺野古和解」に急転したウラ事情 高野孟
http://www.mag2.com/p/news/154754/5

クローズアップ2016辺野古工事中断 選挙迫り政府方針転換 和解勧告内容厳しく
http://mainichi.jp/articles/20160305/ddm/003/010/086000c

琉球新報<社説>辺野古是正指示 独善と強権に対抗しよう
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-234679.html

辺野古取り消し、国が是正指示 県、係争委に不服訴えへ
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234677.html

国の是正指示、知事「大変残念だ」 協議前の強硬姿勢批判
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234678.html

負担軽減も議論へ 代執行和解 菅氏「協議、総合的に」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234934.html

「工事停止に意義」議会で知事 あらゆる手法で阻止
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234939.html

・補足2 是正指示をどう見るか 屋良 朝博氏のfacebook

・補足3 普天間の海兵隊をどうすべきか 泥 憲和氏のfacebook

・補足4 辺野古は代替施設なんかじゃない 三上 智恵さんのfacebook

辺野古新基地は半世紀前からの構想という点については過去記事の注8参照。


にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 ← 応援クリック、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。
このサイトはリンクフリーです。リンク・シェア、大歓迎 !! 引用する場合は必ずリンクして下さい。


コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中