フクイチ廃炉は絶望的。にもかかわらず「原発」にしがみ付く日本政府。背後にあるのはアメリカの圧力 !?

フクイチ

 2011年3月11日、あれから間もなく6年を迎える。

フクイチ毎時650シーベルト、自走式ロボットもアウト

 つい先日、 炉心溶融事故を起こした東京電力福島第一原発2号機は、原子炉圧力容器の外側でも毎時530シーベルトという高い放射線量だったと報道されたばかりだが、9日のニュースでは「格納容器内の放射線量を新たに推定したところ、毎時650シーベルトに達する」と報道された。

 東京電力は9日、メルトダウン(炉心溶融)した福島第一原発2号機の原子炉格納容器内の放射線量を新たに推定したところ、毎時650シーベルトに達すると発表した。調査ロボット「サソリ」の投入に向けて進路を掃除するロボットを入れ、そのカメラ映像の乱れから推定した。この場所は1月末の調査で毎時530シーベルトの線量があると推定された場所と近く、溶けた核燃料などが広範囲に飛び散っていることが裏付けられた。廃炉の困難さがあらためて浮き彫りになった。
福島2号機、格納容器内は650シーベルト 新たに推定

 東京電力は9日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器の内部調査に向け、自走式の「掃除ロボット」による堆積(たいせき)物の除去作業を再開した。搭載したカメラ画像を分析した結果、格納容器内の空間線量は毎時650シーベルト(推定)だったと発表した。先月に観測した毎時530シーベルト(同)を上回り、過去最高を更新した。
 作業開始から約2時間後、カメラ映像が暗くなったため作業を中断した。カメラは積算1000シーベルトまで放射線に耐えられる設計で、強い放射線が影響したとみられる。東電は月内にも「サソリ型ロボット」を投入する計画だったが、堆積物が走行の支障になる恐れがあり、東電は投入計画実施の可否も含め判断する。【柳楽未来】
福島2号機 650シーベルト観測 除去作業を中断

 東京電力によりますと、9日に2号機の原子炉の中心部にロボットを投入して搭載されたカメラの映像を分析したところ、推定される空間線量は、1時間あたり最大で650シーベルトに上るということです。2日に2号機のほぼ同じ位置の映像から推定された530シーベルトを超えて、過去最高の線量です。カメラは累積で1000シーベルトまで耐えられる設計ですが、線量が高すぎて2時間で使用不能になりました。東電は今後、さらに高性能なカメラを搭載したロボットを投入して詳しい調査をする予定でしたが、計画の見直しを迫られる可能性もあります。
福島第一原発2号機の内部から過去最高の放射線量(2017/02/10 08:02)

調査計画見直しへ 廃炉作業にも影響(毎日新聞)

 そして、昨日2月16日には「自走式のサソリ型ロボットが目標まで到達できず」「今後の調査は具体的には決まっておらず手詰まり」と報道された。

原子炉直下、到達せず…ロボ調査断念(毎日新聞)

福島2号機 想定以上の破損(毎日新聞)

調査計画見直しへ 廃炉作業にも影響(毎日新聞)

福島第一2号機内、「サソリ」ロボ立ち往生 手詰まりに(朝日新聞デジタル 2/16(木) 17:04配信)

広い範囲に高い線量、なぜ? 福島第一2号機の格納容器(朝日新聞デジタル 2/19)

 650シーベルト。これは人間が被ばくすれば数十秒で死に至る線量である。

 これは、とてつもない数値だ。ICRP(国際放射線防護委員会)の指標では、宇宙線や大地からの「自然放射能」に加えた「追加被曝線量」の公衆限度は年間1ミリシーベルトとされている。毎時換算でおよそ0.11マイクロシーベルトだ。福島原発事故後に日本政府が避難指示を解除する目安の除染目標にしたのは、年間20ミリシーベルト。長期にわたって居住が制限される「帰還困難区域」の線引きは、年間積算線量が50ミリシーベルトとされた。
1000ミリシーベルトが1シーベルトなのである。今回、計測された530シーベルトという高線量は、想像を絶する世界だ。「マイクロ」も「ミリ」もつかず、しかも「毎時」。1999年に茨城県東海村の核燃料加工会社で起きた臨界事故で死亡した作業員の被曝量は、最大で20シーベルトと推定されている。放射線医学総合研究所によれば、毎時6~7シーベルトが100%致死量だという。
即死の燃料デブリ残骸でわかった廃炉のデタラメ皮算用

 廃炉に至る道筋は全く見えてこない。途方もない年月と費用が必要だ。

 「政府の工程表は夢物語でしかなく、見直す時期に来ていると思います。福島原発の場合、燃料をすべて取り出して更地にするという意味での廃炉は、数十年単位では無理でしょう。問題なく運転終了した原発でも、廃炉まで数十年かかるのです。米国のスリーマイル島事故では、核燃料がまだ格納容器内にとどまっていたから、なんとかなった。世界的に見ても、過酷事故で燃料デブリになったものを取り出した例はありません。福島では、形状をとどめていないデブリがどこにあるかも分からないし、メルトダウンした原発が3基もある。チェルノブイリのように石棺化しても、100年は持たないでしょうし、本当に廃炉に至るまでには、途方もない年月と金額が必要になる。廃炉費用がいくらかかるか、誰にも分かりません。ところが、政府は最終的な費用の計算に先行して、国民に負担させるスキームの議論を始めた。ホント、ふざけています。40年という廃炉工程表を取り下げないのは、着実に廃炉に向かっているというパフォーマンスでしかない。東電を存続させ、原発再稼働を進めるためです」(環境経済学者で立命館大教授の大島堅一氏)
即死の燃料デブリ残骸でわかった廃炉のデタラメ皮算用

 廃炉どころではない。メルトダウンした核燃料でブリが地下水脈に到達しているという分析もある。そうなれば地球規模で危機的状況に陥る(フクイチで新たな恐怖!核燃デブリ「地底臨界」危機進行中!東日本どころか地球規模の超巨大原子力災害に)。今、次の地震が起これば大惨事が起きると言う指摘もある。燃料デブリを回収するノウハウは、人類が未経験であるが故、どこにも存在しない。

 これを「アンダーコントロールと言った愚かな人物がいたが「アンコントロール」の間違いか、それとも大騒ぎにならないようマスメディアは自分のコントロール下にあると言う意味か。

再稼働や帰還など狂気の沙汰。誰が責任を取るのか。

 安倍内閣は2017年3月までに避難指示を解除しようとしている。復興が進んでいるというアリバイを作るために。自主避難者への住宅提供も打ち切る方向だ。入居者の半数が継続を希望しているというにもかかわらず(原発避難者向け公務員宿舎 「入居継続」半数が希望)。廃炉のめども立たず、現在も環境を汚染し続け、さらに再び地震が起これば大惨事になる可能性が高いのに、避難解除など狂気の沙汰というしかない。人の命をなんだと思っているのか。

 普通、一民間企業の工場で爆発とか倉庫で火災とかが起き近隣住民に被害が及べば当然責任者は罰せられる。ところが今回は、東電初め誰も逮捕されず責任も追及されない。なんという無責任体質か。それどころか、その責任は国民に押し付けられようとしている。2006年に国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、対策を拒否していた第一次安倍内閣の責任は忘れ去られようとしている。

廃炉費用、除染費用、損害賠償費用など損害額はすでに13.2兆円。その費用のほとんどが国民に転嫁される

東電HDに338億円を追加交付 原賠機構  (総額7兆407億円)

社説 廃炉費用 いつの間にか高くつく

<いま原発へもの申す> 過去分の国民負担は政府の不当請求

 こうなると、気になるのは昨年11月に国が公表した福島第一原発の事故処理費用だ。経産省は廃炉費用が2兆円から8.2兆円に膨らむなどの理由で、当初11兆円だった総費用を22・6兆円へと上方修正した。
 しかし、今となってはこの倍増予算でも足りそうにない。今回の調査で、2号機の廃炉には想像以上の時間と費用がかかることが判明した。例えば、1m大の穴は東電が5年かけて開発した「サソリ型調査ロボット」の走行ルート上にあり、これが使えなくなる。つまり、調査からやり直しなのだ。本来なら、今回の調査結果を受け、国は原発の事故処理費用の算定を一からやり直すべきである。
フクイチ2号機は最悪の「メルトスルー」状態? 経産省は巨額の事故処理費用から国民の目をそらしている!

 国民に負担を押し付け、避難している人たちを帰還させる前にやる事があるはずだ。安倍首相はもちろん、「原発は安全、エコでクリーンなエネルギー」と主張・宣伝して来た原発村の関連企業・政治家・閣僚・学者がまず何らかの責任を取るべきではないのか。

「クリーンでエコな発電」は大ウソ。放射性廃棄、電力会社が300~400年間管理、国の管理10万年。

 2016年8月、原子力規制委員会が驚きの発表をした。「約8千トンにものぼる原子炉の制御棒など放射能レベルが比較的高い廃棄物(L1)を、地震や火山の影響を受けにくい場所で70メートルより深い地中に埋め、電力会社に300~400年間管理させる。その後は国が引きつぎ、10万年間、掘削を制限する」というのだ。高レベル放射性廃棄物についても地下300メートルより深くに10万年保管すると言う。(制御棒処分、70m以深 国の管理10万年 規制委方針)

 この人たちの頭の中はどうなっている ? マジでこんな事考えているのか ? 「地震や火山の影響を受けにくい場所」など日本にあるのか。そして何より驚きなのは、10万年て(驚)。

 400年前というと、1616年。大坂夏の陣で豊臣氏が滅んだのが1615年。1616年に徳川家康没。ガリレオの宗教裁判も、シェイクスピアが亡くなったのも1616年。400年てそれくらいの時間。400年後も、今の電力会社が存在するのか。いや、日本政府も存在するのか。

 10万年に至っては言葉もない。ネアンデルタール人の出現が約23万年前、北京原人が50万年前。ホモ・サピエンス(現在のヒト)の出現が20万年前。ホモ・サピエンスがアフリカを出て世界各地に拡がったのが10万年前。8万1000年前 – 地球温暖化に伴う海面の急速な上昇が起こっていた。約1万3000年前 – 日本列島が大陸から完全に離れ、ほぼ今の形を整えたと考えられている。

 10万年後は、日本政府どころか、日本列島も今の形で存在しているかどうか。「地震や火山」どころの話ではない。地殻変動によって日本列島がなくなっているかもしれない。およそ、気の遠くなる時間。まったく無意味な計画。しかもこれ、事故が無いとしてもの話だ。

 NHKクローズアップ現代が、「10万年の安全は守れるか ~行き場なき高レベル放射性廃棄物~」と題して、日本学術会議が「高レベル放射性廃棄物の地層処分の方針を白紙に戻すべきだ」とした提言について特集を組んだ。

 人類は(少なくとも現時点では)核と共存できない。「原発はトイレのないマンション」と言われるゆえんだ。原発は、何世代にもわたって次の世代に「負の遺産」を押し付ける現代人のエゴ、今さえ良ければあとは野となれ山となれという悪魔の哲学に貫かれている。

 「原発はクリーンでエコな発電」という宣伝も、もうとっくにウソだとわかってしまった。「クリーンで環境に優しい」は、火力発電と違って、単に発電時に二酸化炭素を排出しないというだけの事。実は原発は発電時に大量の電気を必要とする(^_^;)。 しかし、まあ、それはどうでも良い。事故なく無事廃炉できたとしても、10万年にもわたって環境に影響を与え続ける。ひとたび事故を起こせば地球規模で汚染が広がる可能性すらある。クリーンなわけない。「エコで低コスト」も大ウソ。これも単に「発電時だけを計算した」話。10万年間もの保管費用や万が一事故が起きた場合の事故処理費を計算に入れれば、まさに天文学的数字、桁違いの最もハイコストな発電方法だろう。

日本はアメリカの植民地 ? 原発政策でもアメリカ言いなり

 そのような原発をなぜ止められないのか。脱原発を果たした(あるいは目指している)国は多いのに、過酷な事故を経験した当事者である日本で次々原発が再稼働している。なぜ日本は「脱原発」できないのか。様々な理由が考えられる。そのうちの一つは、間違いなく「アメリカの圧力」であろう。

日本の原発史① アメリカの圧力により、親米派の人達が原発の推進を決める

日本が脱原発できない本当の理由

米国の圧力と戦後日本史9-アメリカが決して表に出てこない原発推進の構造-

日米原子力協定の真相とは?「日本はなんとしても自力で核兵器をつくる力を身につけておきたいと思ったわけです」~第31回小出裕章ジャーナル-

矢部宏治氏は『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』の中で次のように書いている。

 「(日米原子力協定は)アメリカの了解がないと、日本の意向だけでは絶対に止められない」ような取り決めになっているのです。(中略)それら重要な取り決めのほぼすべてが、協定の終了後も「引き続き効力を有する」事になっている。こんな国家間の協定が、地球上で他に存在するでしょうか。もちろんこうした正規の条文以外にも、日米地位協定についての長年の研究でわかっているような密約も数多く結ばれているはずです。問題は、こうした協定上の力関係を日本側からひっくり返す武器が何もないという事なのです。
 (中略)
 いくら日本の国民や国民の選んだ首相が「原発を止める」という決断をしても、外務省とアメリカ政府高官が話をして、「無理です」という結論が出れば撤回せざるを得ない。(中略)日米原子力協定という「日本国憲法の上位法にもとづき、日本政府の行動を許可する権限を持っているのは、アメリカ政府と外務省だからです。

 このブログでも、以前「安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける」という記事を書いた。「普天間移設問題」で、防衛省と外務省の「安保村」の官僚が、時の総理すら騙してアメリカの利益を優先したという内容の記事だ。

 原発問題でも同じように「原発村」の官僚が、時の政府の決定よりもアメリカの意向を優先する。福島原発事故直後、民主党政権が「原発ゼロ」を目指したとき、アメリカの圧力によって閣議決定が撤回された。

「原発ゼロ」つぶしのバックにアメリカ~「東京新聞」がスクープ

原発ゼロの閣議決定回避とアメリカの圧力

原発推進も米の圧力

 安保も原発も根は同じ。今や日本は完全にアメリカの植民地。対米隷属の姿勢を改める政府を作る、官僚をしっかりコントロールできる政府を作る事が必要だ。

・画像は毎日新聞のサイトより(自走式のサソリ型ロボット、到着できず)


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お笑い芸人VS原発事故 マコ&ケンの原発取材2000日

【日本人は全員観るべき】ドイツ公共放送の番組「フクシマの嘘」紹介

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