作者別: lovepeace15

丸山議員の「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

水陸機動団

丸山穂高議員の戦争肯定発言は憲法擁護義務違反

日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、戦争扇動発言をして炎上した。
丸山議員は、北方四島ビザなし交流の訪問団に、衆院沖縄北方問題特別委員会の委員として参加した際、報道によれば、訪問団の団長が記者から取材を受けていたところへ、割り込んで次のように発言した(注1)。
「団長は戦争でこの島(北方四島)を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」

この発言が大問題となったのは当然のことである。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
この憲法の規定が理解できない者は議員である資格はない。国際紛争を解決するために戦争に訴えるのは、現憲法の理念とは正反対である。公務員・議員には憲法擁護義務がある。

本人も、一時は維新の松井代表も「言論の自由だ」と開き直ったが、ヘイトが言論の自由ではなく犯罪なのと同様、戦争扇動発言は、少なくとも公務員にとっては言論の自由の範疇ではない。ヘイトの自由はないのと同じ、戦争肯定の自由は(少なくとも公務員には)ない。

偶然にも、ほぼ同時期、「空母いぶき」で総理役を演じた佐藤浩市の発言が、ウヨの標的となったが、劇中佐藤演じる総理が、開戦の決断を迫る副総理に、「この国は戦争しないと決めた」という趣旨の発言をする。
「戦後の政治家が一丸となって守りつづけてきたことが、たったひとつだけあります。それは、この国は、日本は、絶対に戦争はしないという国民との約束です。軽々しく「いくさ」などという言葉を使わないでいただきたい」
それほど、この国にとって、武力で国際紛争を解決することは許されないことなのだ。いや、国際社会一般においても武力行使は原則禁止されている。

国連憲章第2条

3すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

奪われたものを武力で取り返す、などという発想自体が、時代遅れなのだ。戦争を非合法とみなす考えは、(自衛戦争を例外的に認めているため、結局自衛を口実に戦争が行われるという弱点があるが)、今や国際的なスタンダードだ。戦争肯定発言は、長い時間をかけて戦争を非合法化し平和を求めてきた人類の英知に対する愚かな挑戦だ。

丸山議員だけではない。政界にはびこる戦争肯定思想、幼児的愛国ごっこ。

その直後に不思議なことが起きた。
同じく維新所属議員である森夏枝氏が、国会で
「サイバー攻撃の分野では、専守防衛の原則から除外すべきだ」
「精密誘導兵器保有を」と発言(質問)した。
安倍総理も、専守防衛原則は堅持するとしたが、「サイバー攻撃だけでも武力反撃はありうる」と武力行使を容認した。

丸山議員の発言は問題視されたが、こちらはほぼスルーされた。問題発言だと大きく取り上げたメデイアもない。丸山議員は、酔っ払って無礼だから問題だが、国会で「冷静」に議論するのは問題なしということなのだろうか。発言の仕方や場所や態度が問題なのであって、発言内容そのものは問題ないということなのだろうか。そうではないはずだ。

「武力行使」を当然のように容認する思想は、維新所属議員だけではない。安倍総理自身が、武力行使肯定発言を何度もしている。
「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません」(「ジャパニズム」2012年5月号/青林堂)
「(尖閣問題では)外交交渉の余地などありません。尖閣海域で求められているのは、交渉ではなく、誤解を恐れずにいえば物理的な力です」(『美しい国へ』文藝春秋)

自民党議員による9条否定、戦争肯定発言は、この他にいくらでもある。

稲田朋美「国を護る為に『血を流す覚悟』をしなければならない」「国のために命をかけられる者だけが選挙権をもつ資格がある」「”戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事”これがずっと自分の生き方の根本」

長勢甚遠(第一次安倍内閣法務大臣)「国民主権、基本的人権、平和主義…この3つをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ」

そして、言葉だけではなく、安倍政権下で、イラクなどで実際に自衛隊は戦争行為を行った。復興支援のための人員・物資を輸送するという名目で米軍の人員・物資を輸送した。「兵站」も戦争行為の一部である。さらに安保法制成立後は、日本が攻撃されていなくても、集団的自衛権(自衛という名の戦争行為)を行使できるようになった。

武力行使容認だけではなく、核兵器容認発言もキリがない。安倍総理、松井維新代表、一時維新と行動を共にした石原慎太郎、小池百合子東京都知事らは、核武装論者である。

その石原慎太郎氏をめぐってこんなサイトが現れた。
石原慎太郎「僕が総理大臣なら拉致された日本人をとり戻すために北朝鮮と戦争をおっぱじめるよ!」(注2)

なんという議論の劣化だろうか。領土にしろ、拉致被害者にしろ、戦争をすれば取り戻せると思っているのだろうか。むしろ事態を悪化させるという「想像力」が働かないのだろうか。冒頭の丸山穂高議員の発言も、平和的交渉を積む重ねてきた元島民に対する侮辱である。

このサイトについたコメントが、またまたひどすぎる。「戦争する=取り戻せる」 VS 「戦争しない=取り戻す気ない」という単純化された二択の前提自体が漫画的というか戯画的すぎる。むしろ戦争せずに取り戻す道を政治家は考えるべき。それが政治家・外交の本来の仕事のはずだ。たとえば、「戦争は嫌ですけど、戦争という選択肢を検討する、という発言すら許されない社会は、もっと嫌です」というコメントがあるが「国際紛争を解決するために武力行使を行うという選択肢」は、もともとない。

一国の総理・議員から国民に至るまで、この国には、口先だけ勇ましい、真面目で地道な努力をあざ笑う「幼児的、お山の大将的、マッチョ的愛国ごっこ」が蔓延している。鯛は頭から腐る。この国の総理が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して、「対話よりも異次元の圧力を」と言ったかと思うと、今度は「無条件で会う(会いたい)」と言い、幾らかは進展しているのかと思えば、全く進展していないという情けない展開。口先だけの勇ましい言葉の裏では何もしていなかったことが明らかになった。

「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

自衛隊の「島嶼奪還作戦」とは、要するに「奪われた島を武力で取り返す」軍事行動のこと。島嶼奪還作戦を担う自衛隊の水陸機動団の公式サイトは、その任務について「四方を海に囲まれた国土、また数多くの島嶼部を有する我が国の領土を、他国に侵略された際に海上から迅速に機動展開し奪回することを任務とします」と書いている。「奪われた島を武力で取り返す」発言が問題視されて、なぜ現実の「奪われた島を武力で取り返す」戦争準備は問題視されないのか。問題視されるどころか、産経などではむしろ当然の事として報道されている。

島嶼奪還で日米共同訓練 陸自と海兵隊、連携強化

しかも、「奪われた島を武力で取り返す」というのは、カモフラージュ的建前かもしれない。「奪われた島を武力で取り返す」能力は、他国領土に強襲上陸する能力と同じだ。自衛隊の水陸機動団は、日本版海兵隊と言われているが、本家アメリカの海兵隊の本来任務は、敵前強襲上陸だ。

その水陸機動団を空母いずもに載せ、領海をはるか離れた南シナ海やインド洋へ派遣するなど、もはや「専守防衛」の看板すら投げ捨てた、中国に対する威圧挑発行動に他ならない。産経がまたしても半ば自慢げに報道している。

日米印比が対中包囲網 海自からは「いずも」参加

陸自水陸機動団が「いずも」に乗艦し南シナ海へ

日仏豪米がインド洋で共同訓練 中国牽制 22日まで

対中国威圧を米軍の下請け・代理として自衛隊がかって出るという構図だ。自衛隊が、国際条約上の根拠も不確かな多国籍間の対中国包囲軍事演習に参加するなどもってのほか。現憲法下ですら、これだけの戦争準備が進んでいることにメディアはもっと注目して批判的報道をすべきではないか。現憲法下ですらこれだけ事態は進んでいるのだから、9条改悪など許すべきではない。この道はいつか来た道だ。

・画像は、wikiの水陸機動団のページよりお借りしました。

【関連記事】
「押しつけ憲法論」のでたらめ – 自民党改憲漫画パンフがひどすぎる

9条改憲賛成という人にこそ知ってほしい、もはや憲法とは言えない自民改憲案の中身。たった一人の判断ですべてをチャラにできる緊急事態条項。

教育勅語のキモは「天皇のために死ね」、では、道徳を説いた部分は今でも通用するのか。いや、道徳こそが問題。

それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。

【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」か。在沖米海兵隊削減は、日米両政府で合意済み。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。


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・注1 一部のウヨが、「勝手に録音して勝手に公開するメディアが問題」などと丸山議員を擁護しているが、公式の場での公務員の発言なので録音され公開されて当然。まして取材中に割り込んできたのだからなおさら。そもそも、こういう人たちは、公式の建前上の見解と本音は別物で、本音は暴かれては困るとお考えなのか。

・注2 この石原慎太郎氏のオリジナルの発言はこれのことだろう。
普通の国なら戦争して相手を懲らしめて取り戻す


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辺野古工事中断署名10万突破。目指せ30万、40万。これが民意だ。

沖縄県知事選で、沖縄県民は「辺野古基地No」の何度目かの明白な意思表示をした。しかし、日本政府は、12月14日以降、辺野古埋め立て予定地に土砂の投入を行っている。口では「沖縄に寄り添う」などと言いながら。

この辺野古の埋め立て工事の中断を求めるホワイトハウス宛の請願署名が8日から始まった。これは2月の沖縄県民投票の結果が出るまでの間、辺野古の埋め立て工事を中断してほしいという請願署名だ。このサイト「We The People(我ら人民)」で、30日以内に10万以上の署名が集まれば、ホワイトハウスが何らかの態度表明をする、という仕組みだ(注1)。開始から10日後の18日には10万を超え、20日現在14万筆の署名が集まっている。

もちろん10万を超えたから終わりではなく、まだ半分以上の期間が残っているので、より多くの署名を集め、20万、30万、40万を目指すべきだと思う。署名数が多いほど、請願としての力を持つことになるし、署名数の多い者から順に、この署名サイトのトップページに掲載されるので(注2)、目立つところに表示されれば、より多くに人にアピールできることになる。

具体的な署名の方法は極めて簡単なので、まだの人はぜひ署名と拡散にご協力ください。13歳以上なら居住地や国籍に関係なく署名できます。

辺野古工事の中断を求める署名の具体的方法は、簡単です。自分の名前とメールアドレスを入力して、届いたメールのリンクをクリックするだけ。

辺野古の工事中断を求める署名サイトはこちら
https://petitions.whitehouse.gov/petition/stop-landfill-henoko-oura-bay-until-referendum-can-be-held-okinawa

このページの右側の入力欄に、名前 (名[First name]と姓[Last name])とメールアドレスをアルファベットで入力します。

入力したメールアドレス宛に、確認のメールが届きますから、そのメールの中にある 「Confirm your signature by clicking here.」というリンクをクリツクします。忘れずにここまでやってください。名前とメアドを入力しただけでは有効になりません。

辺野古工事中断請願の手続き

民意を無視した埋め立て工事をストップさせるため、ぜひご協力をお願いします。

【参考サイト】
メール認証で署名完了 ホワイトハウスの辺野古請願

【嘆願署名】 #ホワイトハウスへ36万筆署名 「 #県民投票 がなされるまで #辺野古 #大浦湾 埋め立て作業の停止を」 (日英併記) #辺野古嘆願署名 (画像もこのサイトからお借りしました)

・「辺野古 埋め立て 署名」で検索すれば関連記事はたくさんあります。

【関連記事】
【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」か。在沖米海兵隊削減は、日米両政府で合意済み。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。

辺野古工事再開強行。日米会談でも「辺野古が唯一」と合意 ? だが事実は逆。海兵隊の移転と縮小に言及。なぜメデイアは伝えない。

【普天間・辺野古問題】安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける。

辺野古新基地、国と県が和解。しかし国は「辺野古が唯一の解決策」という姿勢を崩さず。- 米軍は何度も撤退を検討。それを押しとどめてきたのは日本側。


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・注1
「どこに代替基地を作るかは日本政府が決めること」というのがアメリカの公式見解ですから、おそらく、そういう返事が来るでしょう。また、埋め立て工事を行っているのは日本政府であってアメリカ政府ではありません。請願内容も「県民投票の結果が出るまで工事を一時的に停止する」というものです。ホワイトハウスは60日以内に態度表明すればよいことになっているので、間に合わないかもしれません。
しかし、それでも意味はあると思います。県民投票は、沖縄県民しか投票できませんが、ヤマトの人間、海外在住の沖縄系住民、国籍問わず平和と自然環境を愛する人々にとっては数少ない意思表示の場です。またメディアも無視できなくなります。10万に近づき、10万を超えたあたりから各メディアが取り上げるようになりました。
「どこに代替基地を作るかは日本政府が決めること」という公式のアナウンスがあれば、「日米合意だから辺野古に作る」という嘘に基づいて工事を強行・容認している人たちの嘘が明らかになります。そうです。これは国民の声も沖縄の民意も尊重する気の無い日本政府(と日本国民の間)の問題なのです。日本政府のこれまでの言い分がまやかしであることが明らかになります。
そして、1つ事態が動けば、連鎖的に動くということもありえます。それが具体的に何なのかは想像もつきませんが。

・注2
ネットで、一部の人が「署名が20万を越えればホワイトハウスのトップページに掲載される」という情報を流していますが、これは何かの間違い、勘違いだと思います。ホワイトハウスの公式サイトトップページには、そもそもそのような署名を掲載するスペースがありません。
よりたくさん署名が集まれば、署名サイトのトップページに、順番に掲載される、という情報がどこかで間違って伝わったのだと思います。20日夕方現在、辺野古署名の署名数は14万で第9位。第1位のものは36万の署名を集めています。

・注3
このサイトで何度か普天間・辺野古問題に触れてきましたが、改めて簡単に整理しておきます。

普天間返還が決まったのは20年以上前のSACO最終報告。代替基地として候補に上がったのは「東海岸の海上に撤去可能なヘリポートを浮かべる」という案で、辺野古でも埋め立てでもありませんでした。耐用年数200年、辺野古弾薬庫やキャンプシュワブとの一体運用、普天間に機内接岸設備や爆弾搭載エリアを持つ辺野古基地は、もはや普天間の代替・移設先という概念を超えた機能教科の新基地です。「東海岸の海上に撤去可能なヘリポートを浮かべる」案ですら、沖縄県民が同意したわけではありません。

沖縄の海兵隊は海外にローテーションさせるため削減するというのが日米合意です。防衛省の公式サイトにも書かれています。この時点でもはや普天間の代替・移設先は不要になったはずです。しかし、日本政府が辺野古・県内移設にこだわったために、削減される部隊のために新基地を作るというおかしな事が起きました。
沖縄(日本)は中国に近すぎる、相手側ミサイルの射程内なので危険、グアムやハワイまで撤退すべきという意見もあります。
海兵隊の削減は、代替施設建設とは切り離して実行されます。削減される部隊のために、新基地は不要です。

日米で「辺野古に移設」という点で合意したことはありません。アメリカの公式見解は、「普天間代替施設(Futenma Replacement Facility: FRF)」であって特定の場所ではありません。つまり、県外でも海外でもいい。
マティス国防長官と、稲田防衛大臣の会談で「辺野古で合意した」という嘘を政府やメディアは拡散しましたが、マティス国防長官は「辺野古」という単語を一度も使っていません。それどころか、海兵隊の削減に言及しました。「この計画には,(中略)海兵隊員らをグアムに移転すること,並びに沖縄での展開規模を縮小することが含まれる」

削減されるのですから辺野古はもちろん普天間も必要ありません。「辺野古が普天間の危険性除去の唯一の解決策」という論法はごまかしです。

現在、キャンプシュワブやキャンプハンセンなどの米軍基地を、日米で合同使用する動きがあります。辺野古新基地も完成すれば自衛隊(特に自衛隊版海兵隊)が使用する可能性も高いと思います。

寝辺野古新基地はおもにゼネコンと自衛隊のためと考えられますが、米軍もはっきりいらないと言っているわけではありません。建設費全額日本側負担、駐留経費も他国に比べて安上がりとなれば入らないとは言わないでしょう。

伊波洋一参議院議員の2010年の発言
「伊波洋一さん(当時の肩書きは宜野湾市長)
アメリカはすでに、グアムへ沖縄の海兵隊部隊を移すことを決定しています。
米側の計画をよく調べてみれば、普天間の部隊はグアム移転が決まっている。そうなれば、普天間の「代替基地」というのは必要なくなる。当然、辺野古に新しい基地を造る必要はありません。
繰り返しますが、普天間基地の海兵隊はグアムへ行くんですよ。普天間は必要なくなります。それなのになぜ代替基地を造らなければならないのか。」
マガジン9「沖縄」に訊く 米軍普天間基地問題をめぐって


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【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」か。在沖米海兵隊削減は、日米両政府で合意済み。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。

「辺野古移設が唯一の普天間の危険性除去の解決策」の二択ではない。「辺野古新基地が完成しなければ海兵隊削減もない」もウソ。

オバマが、海兵隊の縮小移転に言及

沖縄県知事選は、辺野古新基地建設反対を明確にした玉城デニー氏が、予想以上の大差で当選した。
開票後のNHK番組で、菅官房長官は「移設計画が実現すれば沖縄の海兵隊は削減される」と述べた(注1)。これは、移設計画と削減計画は切り離して実行されるという日米合意に反している。事実に反してまで「新基地建設が完成しなければ海兵隊削減もない」と、基地建設に反対する沖縄の民意を恫喝したに等しい。
今後、普天間基地閉鎖、辺野古新基地建設問題が、大きな焦点となると予想される。このサイトでは何度かこの問題に触れてきたが、この「海兵隊削減」の件も含め、普天間・辺野古問題について、改めてまとめておきたい。

【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が唯一の普天間の危険性除去の解決策」か。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。

1. 普天間基地建設は、そもそもハーグ陸戦規定違反。速やかに無条件で返還すべき。

普天間基地は、1945年沖縄戦の最中に本土爆撃用として建設が始まった。基地建設は未完成のまま、終戦を迎えた。
収容所に集められていた住民は、1946〜47年頃、帰村を許されるがかつて自分達の家や畑や墓があった場所は基地となっていたため、その周辺に住み始めた。
ハーグ陸戦条約は、私有財産の没収や略奪を禁じている。例外的に「戦争ノ必要上万已ムヲ得サル場合」は「敵ノ財産ヲ破壊シ又ハ押収スルコト」が認められているが、戦争が終了した時点で、無条件で返還されるべきであった。
ところが、返還されるどころか、1950年の朝鮮戦争勃発で、沖縄の戦略的価値が見直され、基地の恒久化を目的とした建設が進められることとなった。滑走路は拡張再整備され「銃剣とブルドーザー」による強制接収で1952年には2400mに、1953年には2,800メートル(9,000フィート)に延長され、ナイキミサイルが配備された。1950年代半ばにほぼ現在の普天間基地やキャンプ瑞慶覧の原型が形作られた。1955年には宜野湾村伊佐浜でも土地の強制接収が行われた。(注2)

2. 1995年、米兵による女子児童暴行事件、1996年、SACO合意(SACO最終報告)。

1995年、米兵による少女暴行事件が起きた。これは氷山の一角にすぎなかった。米兵による事件・事故は数え切れないほどある(注3)。県民の怒りの世論を背景に、当時の太田沖縄県知事は、米軍用地の強制使用手続きの一環である「代理署名」(注4)を拒否した。10月には85,000人を集めた集会が開かれた。これらの動きは、沖縄に集中する米軍基地の整理・縮小や、日米地位協定の見直しを求める訴えが高まるきっかけとなり、沖縄県知事も政府に対して強くその実行を迫った。

「(米兵による少女暴行事件から)数日のうちに米軍は沖縄から撤退すべきか、最低でもプレゼンス(存在)を大幅に減らすか、米兵事件に対する起訴に関して日本側に多くの権限を与えるようすべきかという議論に発展した」と駐日米大使を務めていたウォルター・モンデール氏(元副大統領)は語った。(注5)

これに対し日米両政府は、11月「沖縄における施設および区域に関する特別行動委員会(SACO)」第1回会合を開催。96年12月に最終報告を出し、普天間基地などの返還を決めた。

SACO現状報告は、普天間に関する特別作業班に対し、3つの具体的代替案、すなわち(1)ヘリポートの嘉手納飛行場への集約、(2)キャンプ・シュワブにおけるヘリポートの建設、並びに(3)海上施設の開発及び建設について検討するよう求めた。
平成8年12月2日、SCCは、海上施設案を追求するとのSACOの勧告を承認した。海上施設は、他の2案に比べて、米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質にも配意するとの観点から、最善の選択であると判断される。さらに、海上施設は、軍事施設として使用する間は固定施設として機能し得る一方、その必要性が失われたときには撤去可能なものである。
SACO最終報告(仮訳)

そもそも、普天間飛行場など在沖縄米軍基地11施設の返還について合意したSACO合意は、普天間返還にあたって嘉手納基地統合案やキャンプシュワブ統合案と並んで、「撤去可能な海上フロート」を東海岸に浮かべるという案だった。海上フロート案が、3つの案のうち”最善の選択”であるとされた。
SACO合意は、辺野古でもなければ、埋め立てでもなかった。まして、普天間基地の機能強化となる「新基地建設」ではなかった。新基地は、撤去可能であるどころか耐用年数200年、しかも現在の普天間基地にはない”辺野古弾薬庫との一体運用” “爆薬搭載エリア(現在はわざわざ嘉手納基地に移動して搭載している)” “大型艦船の接岸機能”などの機能が強化されている。

SACO合意の「撤去可能な」鉄の箱を浮かべるという程度の海上ヘリポート案ですら、沖縄県民は受け入れられなかった。現在のような「新基地建設」が受け入れられるはずがない。

3. 2009年、民主党鳩山政権「最低でも県外」、それを押しとどめたのは日本の官僚。米軍はたびたび削減や撤退を検討してきた。それを押しとどめてきたのも日本側。

2009年7月19日、民主党政権誕生前夜の選挙戦で同党代表の鳩山由紀夫氏が「最低でも県外」と語った。8月の衆議院総選挙で勝利し、民主党政権が誕生した。
しかし、2010年5月28日には県外移設を断念する案を発表。社民党は同月30日、連立政権からの離脱を決定した。2010年6月2日首相と民主党代表辞任を正式表明(民主党の小沢一郎幹事長も同日、辞意を表明した)、6月8日に総辞職。

「最低でも県外」は、沖縄県民の民意から見れば当然の「公約」だった。しかし、結果として民主党鳩山政権は、この公約を実現できなかった。当時は「迷走」などと揶揄されたが、この公約実現を妨害したのは、日本の外務・防衛官僚であった。(注6)

このことと合わせて指摘しておきたいのは、実は、米軍はたびたび削減や撤退を検討してきた。1968年の在日米軍再編計画、沖縄の本土復帰の1972年、少女暴行事件とSACO合意の1996年、2006年日米合意、、、その都度それを押しとどめてきたのは、日本政府側という事実である。(注7)

オーストラリア政府の公文書によると、米国防総省は在沖米海兵隊基地を本国に統合する案を検討(72年10月)し、国務省も「(米軍普天間飛行場は)明らかに政治的負債だ」との見解を示した(73年1月)。しかし、日本政府が引き留めたことで、普天間を含む在沖米海兵隊基地返還の機会を逸した。
そして95年、痛ましい事件が起きた時の米軍撤退議論も、米軍駐留に固執する日本側の意向で実現しなかった。
沖縄にとって米軍の存在は「相当な歴史的恨みがある」(モンデール氏)ことを米側は知っている。普天間飛行場の移設を名目にした新基地建設など不要だ。
社説 モンデール証言 佐藤首相の約束果たせ

4. 在沖米海兵隊の削減は10年以上前に日米で合意済み。なぜ、削減される部隊のために代替施設・新基地が必要なのか ?

2006年日米合意に触れておこう。もう10年以上前の2006年に、日米両政府は、在沖米海兵隊を削減してハワイ、グアムにローテーションさせると合意している。2012年にはその計画を見直し、「普天間基地の移転を待つことなく」先行実施することとなった。この計画は、日本の防衛省の公式サイトにも書かれている。(注8)

オバマ元大統領やマティス国務長官もそのことに触れている。
オバマ元大統領「沖縄の住民の負担も考慮して、沖縄からグアムへ海兵隊を移転させる」(安倍総理との会談で 注9)
マティス国防長官「この計画には,(中略)海兵隊員らをグアムに移転すること,並びに沖縄での展開規模を縮小することが含まれる」(稲田防衛大臣との会談で 注9)
なお、この時、マティス長官が、「普天間代替施設(Futenma Replacement Facility: FRF)」という用語を使って、特定の場所 =辺野古とは一言も言っていないことにも注意していただきたい。

削減される部隊のために新基地はいらないし、普天間も必要なくなる。

宜野湾市長(肩書きは2010年記事掲載当時)・伊波洋一さん
アメリカはすでに、グアムへ沖縄の海兵隊部隊を移すことを決定しています。
米側の計画をよく調べてみれば、普天間の部隊はグアム移転が決まっている。そうなれば、普天間の「代替基地」というのは必要なくなる。当然、辺野古に新しい基地を造る必要はありません。
繰り返しますが、普天間基地の海兵隊はグアムへ行くんですよ。普天間は必要なくなります。それなのになぜ代替基地を造らなければならないのか。
「沖縄」に訊く 米軍普天間基地もんだいをめぐって

新基地が完成しなければ、海兵隊の削減もなく普天間も閉鎖できないかのように言う安倍政権の「普天間か辺野古かの二者択一論法」こそが問題の混乱の根源である。「辺野古移設が唯一の普天間の危険性除去の解決策」ではない。普天間基地の無条件閉鎖をアメリカと交渉できない日本政府側にこそ、問題がある。
また、「辺野古新基地反対派が、普天間基地の危険性を軽視している」というのは、二択を前提としたデマに過ぎない。削減される部隊のために辺野古新基地はいらないし、普天間基地は無条件閉鎖・返還。

5. 民意に従うのが民主主義の原則。

沖縄県民の辺野古新基地への民意は、明確に示された。もう何度も何度も。民主主義国家なら、民意に従うのが、当然の問題解決の道筋だ。地方自治体は、国の下請け機関ではない。国の方針に無条件で従わなければならないわけではない。

アメリカ海兵隊の基地が沖縄でなければならない地政学的理由はない。そのことは中谷氏や石破氏など政府側の政治家も認めている。本土に置くのは反対が強いからという「政治的理由」しかない。アメリカは「普天間代替施設(Futenma Replacement Facility: FRF)」という用語を使って、特定の場所を候補地として名指ししたことはない。
普天間の返還合意に当たって、移設先を沖縄に限定したのも日本政府だった。

移設先の選定を振り返り「われわれは沖縄だとは言っていない」と語った。
同氏は「沖縄も候補の一つ」と述べた上で「基地をどこに配置するかを決めるのは日本政府でなければならない」と付け加えた。
 社説 モンデール氏証言 米は辺野古見直し唱えよ

沖縄であろうと本土であろうと、在日米軍基地が「抑止力」であるという見解そのものが幻想だ。日米新ガイドラインは、日本の防衛は自衛隊が第一義的に行う、米軍は必要な支援と援助を行うと定めた。海兵隊はそもそも「防衛」のための戦力ではない。
「抑止力論や前方展開戦略は時代遅れ」という意見も広がっている。(注10)
沖縄は、中国のミサイルの射程内なので、むしろ「地政学的に」不利という意見もある。(注10、11) だから、ハワイやグアムにローテーションさせる。軍事技術の進歩により、戦力を前方展開させる必要もなくなった。

朝鮮半島では緊張緩和と和平、民族統一が進みつつある。在韓米軍の削減も議論の対象となりつつある。北東アジアの平和構想を検討すべき時に日本だけが「冷戦構造」のままでいいのか。

アメリカでも、玉城デニー氏の当選は重く受け止められ、「民主主義なら民意に従うべき」という声も多い。いよいよ今度は、日本政府が沖縄の民意にどう応えるのか、それが問われている。日本政府は沖縄と「対話」をすべきだ。

【関連記事】
辺野古工事再開強行。日米会談でも「辺野古が唯一」と合意 ? だが事実は逆。海兵隊の移転と縮小に言及。なぜメデイアは伝えない。

【普天間・辺野古問題】安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける。

辺野古新基地、国と県が和解。しかし国は「辺野古が唯一の解決策」という姿勢を崩さず。- 米軍は何度も撤退を検討。それを押しとどめてきたのは日本側。

・・・・・・・・・・・・・・

機動隊が沖縄県民に侮蔑的発言。しかし、これは沖縄だけの問題ではない。

辺野古裁判で国側べったりのトンデモ判決。普天間問題の解決は辺野古が唯一の選択肢か。

日本政府が沖縄・高江でヘリパッド工事強行。まるで現代の「琉球処分」武力弾圧。7/22が山場か。

沖縄「被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民大会」に65,000人

あす6/19「被害者を追悼し、沖縄から海兵隊の撤退を求める県民集会」。それに参加する翁長県知事インタビュー。

頭を下げるアメリカ人に強い違和感。地獄への道は善意で舗装されている。

橋下徹のトンデモ発言。だが、風俗では性暴力は防げない。軍隊の「力による支配」こそが問題。基地の大幅縮小と地位協定の抜本改正を。

またしても元米兵によるレイプ殺人事件。何回繰り返されるのか、いつまで悲劇を沖縄に押し付けるのか。

和解からわずか3日で是正指示。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因。新基地建設の理由がない。

1997年5月15日、沖縄・伊江島の反戦地主は、基地ゲート前で餅をつきカチャーシーを踊った。
宜野湾市長選の最大の争点 辺野古移設が唯一の解決策か


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【追記 1996年以降、簡単にまとめておきます】

1996年12月 SACO最終報告。「今後5〜7年以内に普天間基地を返還する」と日米両政府は合意した。
普天間代替として嘉手納統合案やキャンプシュワブ統合案と並んで「撤去可能な海上ヘリポートを東海岸に浮かべる案」が最有力とされた。
この案は、辺野古でもなければ(場所は特定せず)、埋め立てでもなく、ましてや耐用年数200年の新基地建設ではなかった。
この案ですら地元には受け入れられなかった。

1997年12月 「名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票」反対16639(52.85%)、賛成14267、投票率82.45%。

《海上ヘリポートから埋め立てへ、東海岸から辺野古へ、反対から条件付き容認へ》

1997年12月 市民投票後、比嘉名護市長が橋本首相に海上基地受入を伝え、辞職すると表明。

1998年2月 名護市長選で移設容認の岸本建男氏が16,253票で当選。玉城氏と1150票差。投票率は82.35%。

1998年2月 当時の大田昌秀知事が辺野古沖への代替ヘリポート建設に反対する方針を表明する。

1998年11月 小渕首相が海上基地見直し表明。

1998年11月 知事選で稲嶺惠一が374,833票で当選。37,464票差。投票率76.54%。「撤去可能なヘリポート」ではなく「『県民の財産になる施設』として恒久的な滑走路を持つ飛行場」「15年使用期限付軍民共用」が公約だった。 

1999年11月 稲嶺知事、移設先は名護市の辺野古沿岸沖(キャンプ・シュワブ水域内)と発表。候補地決定を政府へ伝えた。

1999年12月 代替施設を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」と閣議決定(小渕内閣)。これが自民党のいう「地元の合意」。
この時の「容認」は、『運用期限15年、軍民共用』、つまり15年後には民間空港にするという条件付きであった。
この閣議決定は小泉政権下の2006年5月廃止の閣議決定をされる。

2006年5月に日米両政府は「米軍再編ロードマップ」に合意した。
これで辺野古沿岸部を埋め立てて2本の滑走路を持つ新基地の建設と、米海兵隊員約8000人のグアム移転などが決まった。
新たにV字型の滑走路2本にする計画となった(現在の原型)。
当時の名護市長らは同意したものの、県は了承していない。
この年、同時に海兵隊の削減、海外への移転とローテーションでも日米合意。これは防衛省公式ページにも記載されている。

2012年には代替施設の完成を待つことなく移転を先行実施することとなった。移転費用は日本側負担。

なお、米軍は、辺野古の滑走路が短いことを理由に那覇空港の使用を要求しています。この件を含む8つの条件を日本側が飲まなければ、仮に辺野古新基地が完成したとしても(何年かかるやら)普天間は返還されません。この点でも、「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」ではありません。辺野古完成までは普天間は返還されないということであり、仮に完成しても返還されないということになります。
<社説>辺野古撤回で聴聞 移設の前提は崩れている
米側「沖縄では那覇空港を想定」 普天間返還条件の民間施設使用
【追記 ここまで】

・注1
「移設後に海兵隊移転」 菅官房長官、辺野古移設切り離し合意無視
菅長官が日米合意と違う発言 「辺野古実現すれば米軍はグアムへ」?
普天間移設とグアム移転は連動=日米合意と食い違い―菅官房長官

・注2
なお、この時代の経過については、これらのサイトが詳しい。
宜野湾市と基地
普天間基地の歴史・成り立ち
【沖縄の真実】これが正しい 普天間基地の歴史 ~「世界一危険な基地」になったのは・・・
普天間飛行場 今昔
「普天間飛行場はもともと誰も住んでいなかった土地、後から危険を承知で住民が集まり住み着いた」というデマについては、問題が本筋からやや離れるので上記サイトを見ていただきたい。合わせてこちらも。
何もなかったところに米軍基地ができて、その周りに人が住んだの ?
ネラーさん本当に知らなかったの? 元住民を傷付ける「普天間、人いなかった」発言
普天間基地建設にまつわるデマ
普天間基地は何もないところに建設され、後から住民が周りに住み始めたの ???
「普天間」で育った記者が、全国のママ、パパに伝えたいこと
大拡散中の沖縄デマ「全く何もない土地に米軍普天間基地が建設され、周辺に人が商売目当てで集まってきた」
百田尚樹の捏造・デマ 普天間基地は田んぼ・米軍基地軍用地料の金額

・注3
 例えば1990年から95年にかけての事件・事故の主なもの
1987年には貨物船が誤爆され乗組員が片腕切断の重傷を負う事件や走行中のタクシーに実弾が撃ち込まれる事件が発生した。
この時「「We are not Your TARGET! 我々は標的ではない」というスローガンが掲げられ、そのスローガンは後の恩納村での「都市型戦闘訓練施設」反対運動(1988〜92年)に引き継がれた。
90年1月 民家に弾薬トレーラーが激突
91年6月 殺人事件
91年10月 民間車両に米兵が空砲を発砲
92年1月 米兵による強盗事件、犯人は基地内から逃走
93年4月 米兵による殺人事件
93年5月 女性暴行事件、犯人は民間機で本国へ逃亡
93年11月 傷害事件
94年7月 女性暴行事件
94年8月 強盗殺人事件
95年5月 海兵隊員が日本人女性を殴打殺害
そして95年9月 米兵による少女暴行事件
この他に書ききれないほどの、墜落、ニアミス、緊急着陸、パラシュート降下・物資投下ミス、演習による山林火災、燃料・廃油・有害物質・土砂の流出、交通事故等が存在する。
 こうした事件事故に対する議会の抗議決議は、時として、超党派・全会一致で採択され、抗議集会は、保革の枠を超えた幅広い団体が共催した。それらの運動が、今日の「オール沖縄」の原型となった。事件事故の性格上、保革を超えた抗議の声が上がるのし当然であった。

・注4
沖縄の米軍用地は、住民の土地を取り上げて作られた関係で私有地・公有地が多く、国有地は少ない(それぞれほぼ1/3ずつ)。私有地・公有地の場合は土地所有者に対し国は賃貸借契約を結び、その土地を米軍に又貸ししている。この賃貸借契約を拒否している、いわゆる「反戦地主」の土地は強制収用されている。収用期間は、無期限ではなく、最長でも20年のため、何年かに一度、収用期限が切れる前に次の収用手続きを終わらせる必要がある。収用手続きの一環として、土地所有者に対して起業者(国)は、実測図面を添付した土地・物件調書に対して署名捺印をさせる必要がある。しかし、反戦地主は、実測図面ではないこと、地籍そのものが沖縄戦の結果不明瞭であること、基地内の自分の土地に立ち入ることもできず現認できないこと、などを理由に署名捺印を拒んだ。土地所有者が署名捺印しない場合は市町村長に、市町村長も署名しない場合は県知事に「代理署名」をさせなければならないが、大田県知事はこの「代理署名」を拒否した。この代理署名拒否は裁判になった(国が県知事を訴えた職務執行命令訴訟)。
この件に懲りた国は法律を改悪して、県知事の代理署名を不要とし国の直接執行事務とした。
また、準司法的機関である土地収用委員会の採決が出なくても、暫定的に(無期限に)土地の強制使用を継続できるとした。この時の手続きでは、手続きが間に合わず「法的空白期間」が発生した。

・注5
米軍の沖縄駐留、日本政府の意向 モンデール氏証言
同じ記事中「一方、日本政府の対応に関しては「われわれが沖縄を追い出されることを望んでいなかった」と振り返り、在沖米軍を撤退させないよう米側に求めていたと明かしている」という点にも注目していただきたい。この時も、米軍の撤退・削減を押しとどめたのは日本政府側だった。

・注6
その経緯については、「過去記事「【普天間・辺野古問題】安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける」」を参照していただきたい。

・注7
この件の詳細は、「外部サイト」の1ページ目真ん中あたり、「過去記事」の後半部分を参照していただきたい。

・注8
防衛省の公式サイト 在沖米海兵隊のグアム移転の経緯・概要
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/iten_guam/index.html
2012年(平成24年)4月「2+2」共同発表における再編計画の調整
○ 海兵空地任務部隊(MAGTF)(司令部+航空・陸上・支援部隊)を沖縄、グアム、ハワイに分散配置、豪州へローテーション展開
○ 要員約9,000名(司令部+実動部隊)とその家族が沖縄から日本国外に移転。

沖縄の海兵隊の主力部隊はグアムへ移転する方針がすでに決まっている。
アメリカの海兵隊は沖縄でなくとも機能する
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015101500002.html?iref=wr_fbpc

アメリカ海兵隊の行方――普天間は固定化されるのか 2012年2月の記事
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2012021700011.html
日米両政府は2月8日、米海兵隊普天間飛行場の移設と在沖海兵隊のグアム移転を切り離し、海兵隊のグアム移転を先行させることで合意した。

「沖縄の海兵隊をめぐる米国の政治過程」
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/kichitai/research/documents/h26joint-a.pdf
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/chian/research/documents/h26joint-a.pdf(リンク先記事は閉鎖されている ?)
2005 年に登場した沖縄県内における普天間飛行場代替施設(Futenma Replacement Facility: FRF)の建設と海兵隊グアム移転のパッケージ案は、普天間 飛行場の移設手続きを加速させ、こうした政策課題の解決に寄与するものとみられ た。しかし、この計画は実現をみないまま、2012 年に再び 2 つの案は切り離され、 グアム移転が部分的に先行実施されることとなった。

米Bloomberg Businesswek誌が2012年2月3日
米国防総省の決定を報じた――沖縄に駐留する海兵隊を、普天間基地の移転を待つことなく、グアムへ先行移設する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120207/226952/?rt=nocnt
在沖海兵隊のうち4500人をグアムに移転する。4000人をオーストラリア、フィリピン、ハワイへとローテートする。
2006年の日米合意(再編実施のためのロードマップ)は、1)普天間基地を辺野古へ移転した後、2)米海兵隊8000人をグアムに移す。その後、3)嘉手納以南の米軍基地6施設を返還する、という3つの措置をパッケージで実行することを決めた。すなわち、普天間基地を辺野古へ移転しなければ、米海兵隊のグアム移転はできないこととなっていた。それが今回の決定で、辺野古飛行場が完成しなくても、普天間基地に駐留する海兵隊をグアムへ移転させることになった。

在日米軍再編見直しは日米の窮余の一策 2012年2月の記事
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2012021700013.html
2006年に日米合意した約8000人の海兵隊員とその家族約9000人のグアム移転をめぐる再検討だ。日米両政府は同8日、これまでリンクさせてきたグアムへの海兵隊移転と普天間移設とを切り離すと正式に発表。その際、出された基本計画によると、海兵隊員の一部移転や米軍嘉手納基地以南の米軍5施設の返還を先行させて進め、今年6月にも予定されていた普天間飛行場の県内移設にからむ埋め立て申請を先送りすることも決まった。

沖縄の海兵隊グアム移転、予算執行へ 米議会が合意
米上院、在沖縄海兵隊のグアム移転容認 法案可決 2014年12月
http://www.asahi.com/articles/ASGD3265CGD3UHBI006.html?iref=reca
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H16_T11C14A2NNE000/
http://www.sankei.com/world/news/141205/wor1412050049-n1.html
沖縄県に駐留する米海兵隊の一部をグアムに移転させる計画について、米議会は予算関連法案に盛り込んでいた予算執行の凍結を解除すると決めた。
日米両政府は、グアム移転計画の費用を86億ドル(約1兆200億円)と見積もり、うち28億ドル(約3300億円)を日本政府が負担することで合意している。
在沖縄海兵隊のグアム移転費の執行凍結を解除し、移転作業を容認する内容。
日米両政府は、在沖縄海兵隊約1万9千人のうち4千人をグアムに移転すると計画。

・注9
辺野古工事再開強行。日米会談でも「辺野古が唯一」と合意 ? だが事実は逆。海兵隊の移転と縮小に言及。なぜメデイアは伝えない。参照。

・注10

米誌『フォーリン・アフェアーズ』電子版7月25日付は、「海外基地はもはや戦略的資産ではない」とする米シンクタンク・ケイトー研究所員の論評を掲載。海外基地を合理化する際、頻繁に持ち出される「抑止力」論について、実際には何の効果もないどころか、敵の近くに基地を置くことで「恐怖を呼び起こし、対抗行動を誘発しかねない」として、不必要な紛争を引き起こす要因になる可能性を指摘しています。さらに、日本を含む北東アジアの航空基地の90%以上が中国の弾道ミサイルの射程内にあるとして、海外基地は「優先度の高い標的になりうる」と述べています。
また、ランド研究所は、軍事技術の進歩により、「軽度の陸上部隊なら、米国からどの地域へも、地域内から空輸するのと同じ早さで空輸できる」と述べ、軍事戦略上も海外に兵力を張り付ける必要性は低下しているとの見方を示しています。
 在外米軍 過去60年で最少 昨年9月末 日本駐留 国別で最多

各地で米軍は削減されているが、日本は突出して、米軍が多い。”これだけの米軍がいることが「異常」だという認識を持つところから出発する必要があります。”

・注11
沖縄が中国のミサイル射程圏内に。米シンクタンクの「中国脅威論」
ナイ氏もおんなじことを言うてる…


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