カテゴリー: 自衛隊

丸山議員の「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

水陸機動団

丸山穂高議員の戦争肯定発言は憲法擁護義務違反

日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、戦争扇動発言をして炎上した。
丸山議員は、北方四島ビザなし交流の訪問団に、衆院沖縄北方問題特別委員会の委員として参加した際、報道によれば、訪問団の団長が記者から取材を受けていたところへ、割り込んで次のように発言した(注1)。
「団長は戦争でこの島(北方四島)を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」

この発言が大問題となったのは当然のことである。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
この憲法の規定が理解できない者は議員である資格はない。国際紛争を解決するために戦争に訴えるのは、現憲法の理念とは正反対である。公務員・議員には憲法擁護義務がある。

本人も、一時は維新の松井代表も「言論の自由だ」と開き直ったが、ヘイトが言論の自由ではなく犯罪なのと同様、戦争扇動発言は、少なくとも公務員にとっては言論の自由の範疇ではない。ヘイトの自由はないのと同じ、戦争肯定の自由は(少なくとも公務員には)ない。

偶然にも、ほぼ同時期、「空母いぶき」で総理役を演じた佐藤浩市の発言が、ウヨの標的となったが、劇中佐藤演じる総理が、開戦の決断を迫る副総理に、「この国は戦争しないと決めた」という趣旨の発言をする。
「戦後の政治家が一丸となって守りつづけてきたことが、たったひとつだけあります。それは、この国は、日本は、絶対に戦争はしないという国民との約束です。軽々しく「いくさ」などという言葉を使わないでいただきたい」
それほど、この国にとって、武力で国際紛争を解決することは許されないことなのだ。いや、国際社会一般においても武力行使は原則禁止されている。

国連憲章第2条

3すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

奪われたものを武力で取り返す、などという発想自体が、時代遅れなのだ。戦争を非合法とみなす考えは、(自衛戦争を例外的に認めているため、結局自衛を口実に戦争が行われるという弱点があるが)、今や国際的なスタンダードだ。戦争肯定発言は、長い時間をかけて戦争を非合法化し平和を求めてきた人類の英知に対する愚かな挑戦だ。

丸山議員だけではない。政界にはびこる戦争肯定思想、幼児的愛国ごっこ。

その直後に不思議なことが起きた。
同じく維新所属議員である森夏枝氏が、国会で
「サイバー攻撃の分野では、専守防衛の原則から除外すべきだ」
「精密誘導兵器保有を」と発言(質問)した。
安倍総理も、専守防衛原則は堅持するとしたが、「サイバー攻撃だけでも武力反撃はありうる」と武力行使を容認した。

丸山議員の発言は問題視されたが、こちらはほぼスルーされた。問題発言だと大きく取り上げたメデイアもない。丸山議員は、酔っ払って無礼だから問題だが、国会で「冷静」に議論するのは問題なしということなのだろうか。発言の仕方や場所や態度が問題なのであって、発言内容そのものは問題ないということなのだろうか。そうではないはずだ。

「武力行使」を当然のように容認する思想は、維新所属議員だけではない。安倍総理自身が、武力行使肯定発言を何度もしている。
「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません」(「ジャパニズム」2012年5月号/青林堂)
「(尖閣問題では)外交交渉の余地などありません。尖閣海域で求められているのは、交渉ではなく、誤解を恐れずにいえば物理的な力です」(『美しい国へ』文藝春秋)

自民党議員による9条否定、戦争肯定発言は、この他にいくらでもある。

稲田朋美「国を護る為に『血を流す覚悟』をしなければならない」「国のために命をかけられる者だけが選挙権をもつ資格がある」「”戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事”これがずっと自分の生き方の根本」

長勢甚遠(第一次安倍内閣法務大臣)「国民主権、基本的人権、平和主義…この3つをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ」

そして、言葉だけではなく、安倍政権下で、イラクなどで実際に自衛隊は戦争行為を行った。復興支援のための人員・物資を輸送するという名目で米軍の人員・物資を輸送した。「兵站」も戦争行為の一部である。さらに安保法制成立後は、日本が攻撃されていなくても、集団的自衛権(自衛という名の戦争行為)を行使できるようになった。

武力行使容認だけではなく、核兵器容認発言もキリがない。安倍総理、松井維新代表、一時維新と行動を共にした石原慎太郎、小池百合子東京都知事らは、核武装論者である。

その石原慎太郎氏をめぐってこんなサイトが現れた。
石原慎太郎「僕が総理大臣なら拉致された日本人をとり戻すために北朝鮮と戦争をおっぱじめるよ!」(注2)

なんという議論の劣化だろうか。領土にしろ、拉致被害者にしろ、戦争をすれば取り戻せると思っているのだろうか。むしろ事態を悪化させるという「想像力」が働かないのだろうか。冒頭の丸山穂高議員の発言も、平和的交渉を積む重ねてきた元島民に対する侮辱である。

このサイトについたコメントが、またまたひどすぎる。「戦争する=取り戻せる」 VS 「戦争しない=取り戻す気ない」という単純化された二択の前提自体が漫画的というか戯画的すぎる。むしろ戦争せずに取り戻す道を政治家は考えるべき。それが政治家・外交の本来の仕事のはずだ。たとえば、「戦争は嫌ですけど、戦争という選択肢を検討する、という発言すら許されない社会は、もっと嫌です」というコメントがあるが「国際紛争を解決するために武力行使を行うという選択肢」は、もともとない。

一国の総理・議員から国民に至るまで、この国には、口先だけ勇ましい、真面目で地道な努力をあざ笑う「幼児的、お山の大将的、マッチョ的愛国ごっこ」が蔓延している。鯛は頭から腐る。この国の総理が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して、「対話よりも異次元の圧力を」と言ったかと思うと、今度は「無条件で会う(会いたい)」と言い、幾らかは進展しているのかと思えば、全く進展していないという情けない展開。口先だけの勇ましい言葉の裏では何もしていなかったことが明らかになった。

「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

自衛隊の「島嶼奪還作戦」とは、要するに「奪われた島を武力で取り返す」軍事行動のこと。島嶼奪還作戦を担う自衛隊の水陸機動団の公式サイトは、その任務について「四方を海に囲まれた国土、また数多くの島嶼部を有する我が国の領土を、他国に侵略された際に海上から迅速に機動展開し奪回することを任務とします」と書いている。「奪われた島を武力で取り返す」発言が問題視されて、なぜ現実の「奪われた島を武力で取り返す」戦争準備は問題視されないのか。問題視されるどころか、産経などではむしろ当然の事として報道されている。

島嶼奪還で日米共同訓練 陸自と海兵隊、連携強化

しかも、「奪われた島を武力で取り返す」というのは、カモフラージュ的建前かもしれない。「奪われた島を武力で取り返す」能力は、他国領土に強襲上陸する能力と同じだ。自衛隊の水陸機動団は、日本版海兵隊と言われているが、本家アメリカの海兵隊の本来任務は、敵前強襲上陸だ。

その水陸機動団を空母いずもに載せ、領海をはるか離れた南シナ海やインド洋へ派遣するなど、もはや「専守防衛」の看板すら投げ捨てた、中国に対する威圧挑発行動に他ならない。産経がまたしても半ば自慢げに報道している。

日米印比が対中包囲網 海自からは「いずも」参加

陸自水陸機動団が「いずも」に乗艦し南シナ海へ

日仏豪米がインド洋で共同訓練 中国牽制 22日まで

対中国威圧を米軍の下請け・代理として自衛隊がかって出るという構図だ。自衛隊が、国際条約上の根拠も不確かな多国籍間の対中国包囲軍事演習に参加するなどもってのほか。現憲法下ですら、これだけの戦争準備が進んでいることにメディアはもっと注目して批判的報道をすべきではないか。現憲法下ですらこれだけ事態は進んでいるのだから、9条改悪など許すべきではない。この道はいつか来た道だ。

・画像は、wikiの水陸機動団のページよりお借りしました。

【関連記事】
「押しつけ憲法論」のでたらめ – 自民党改憲漫画パンフがひどすぎる

9条改憲賛成という人にこそ知ってほしい、もはや憲法とは言えない自民改憲案の中身。たった一人の判断ですべてをチャラにできる緊急事態条項。

教育勅語のキモは「天皇のために死ね」、では、道徳を説いた部分は今でも通用するのか。いや、道徳こそが問題。

それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。

【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」か。在沖米海兵隊削減は、日米両政府で合意済み。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。


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・注1 一部のウヨが、「勝手に録音して勝手に公開するメディアが問題」などと丸山議員を擁護しているが、公式の場での公務員の発言なので録音され公開されて当然。まして取材中に割り込んできたのだからなおさら。そもそも、こういう人たちは、公式の建前上の見解と本音は別物で、本音は暴かれては困るとお考えなのか。

・注2 この石原慎太郎氏のオリジナルの発言はこれのことだろう。
普通の国なら戦争して相手を懲らしめて取り戻す


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それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。【2017衆議院選】

攻撃意志なくても

それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。

それでも北朝鮮が怖い ? 任せられるのは安倍さんだけ ?

自民党はいやだけど、それでも北朝鮮が怖いから、やっぱり任せられるのは安倍さんだけ、とお考えの人も多いかもしれません。確かに「日本上空をミサイルが通過」とか言われると、落ちて来たらどうしようと怖くなりますよね。

でもちょっと冷静に考えましよう。たしかに「日本の方角」に向かって撃ちましたが、「日本を狙って」撃ったわけではありません。まさか中国やロシアに向けて撃つわけにいかないから太平洋に撃つしかない。その方角にたまたま日本がある。日本「上空」と言っても、宇宙ステーションよりもはるかに高い宇宙空間です。万が一、部品などが落ちて来たとしても、大気圏で燃え尽きてしまいます。

そもそも北朝鮮は、日本と戦争する気があるのでしょうか。全くありません。北朝鮮は日本にとって脅威でも何でもありません。
北朝鮮とアメリカはかつて朝鮮戦争で戦いました。戦争は終わったわけではなく、単なる「休戦状態」です。戦争がまだ終わっていないのに、その交戦当事国が、自国付近で韓国と合同軍事演習をしている。これは、北朝鮮にとって怖いに違いない。しかし、北朝鮮はアメリカとの戦争を望んでいない。通常戦力ではアメリカと北朝鮮は、桁違いの戦力差です。もし戦争となればどうなるかくらい彼らも分かっています。だからこそ、むしろ彼らなりの理屈では「自衛のため」核兵器と長距離ミサイルを死にものぐるいで開発しているのです。アメリカが北朝鮮に攻め込んで来たら報復する能力があるぞ、と威嚇しているのです。彼らなりの理屈では、戦争を抑止するためにこそ、核とミサイルを開発している、というわけです。

「彼(金正恩氏)の長期的な目標は、米国と合意して韓国から米軍を撤退させることだ」(金正恩氏、米国との戦争を望んでない=米CIA高官)

もともと彼らが相手にしているのはアメリカだけです。北朝鮮が日本に言及しだしたのは、安保法制が成立し、自衛隊が米軍と共同行動をとるようになったころからです。安保法制は「抑止力を高める」どころか、かえって危機を呼び込みました。アメリカと共同行動をとらない国に攻撃する意志はない、と北朝鮮側も明言しています(国連加盟国、米の軍事行動に参加しない限り安全=北朝鮮)。

・・追記 北朝鮮局長「核兵器、米だけが標的」 国際会議で発言 ・・

北朝鮮の脅威を煽るのは、外敵を作って国内の求心力を高め反対派を追いやる、支配者の常套手段です。

簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。
ヘルマン・ゲーリング(ナチスの高官)

安保法制によって抑止力が高まるという説明は大ウソでした。その後事態はさらに悪化しました。外国の戦争に巻き込まれる事はないという説明も大ウソでした。米軍と行動をともにしている自衛隊が攻撃される可能性はさらに高まりました。偶発的衝突の可能性もあります。本格的な戦闘になれば在日米軍基地が攻撃されるという事態も起こりえます。米軍の下請けとして自衛隊を差し出すべきではありませんし、アメリカと共同歩調をとって「武力による威嚇」を行うべきではありません。

こちらの抑止力、自衛力は相手にとって脅威。相手の抑止力、自衛力はこちらにとって脅威。もう、この無限ループの憎悪と軍拡競争から抜け出すべきです。車を運転している時に煽られたら冷静になって無視するのが一番、と言います。こちらも煽り返せば事態は悪化するだけです(^ ^ ; 。日本は売られてもいないケンカを買うべきではありません。安倍総理は「国際社会と協力して」とよく言いますが、安倍氏にとっての国際社会とは「アメリカ」ただ一国の事に過ぎません。国際社会には様々な意見があります。当然ロシアやドイツのように「対話による解決しか道はない」と主張する国も多くあります。韓国は当然の事ながら武力行使に慎重です。安倍氏は、それらの国ともちゃんと協力できるのでしょうか。そもそも協力する意志があるのでしょうか。

北朝鮮の核・ミサイル開発は支持できませんが、世界最大の核保有国アメリカには、北朝鮮を非難する権利はありません。すべての核兵器を禁止すべき、という核禁止条約にたくさんの国連加盟国が賛同していますが、被爆国として「リーダーシップを発揮」すべき日本政府は交渉に不参加のまま。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しても日本政府は談話すら出せませんでした」(ノーベル平和賞受賞のICAN国際運営委員・川崎哲氏、核兵器廃絶へ後ろ向きな日本政府を痛烈批判)。日本政府提案の、国連「核廃絶決議案」は北朝鮮の核開発は批難しても、核禁止条約には触れませんでした。恥ずかしい限りです。どうして、すべての核兵器を禁止すべきという立場に立てないのでしょう(【衆院選】北朝鮮に核放棄させる政党は?ノーベル平和賞受賞者に聞くリアルな外交)。

さて、選挙の話です。恐るべきアンケートがあります。このアンケート結果はもっと拡散されていいと思う(北朝鮮に米軍事力行使 自民39%が「支持」)。

武力行使を支持するか

なんと自民党候補のうち約4割が「米軍の軍事力行使を支持する」と答えたのです。維新にいたっては8割近く。希望でも2割以上が軍事力行使を支持すると答えました。与党やそのお仲間は、野党の事を「現実的でない」と揶揄して批難します。しかし、現実的でないのはどちらでしょうか。「軍事力行使」とは、殺し殺されるという事ですよ。相手が死ぬのはいい、こちらに被害がなければ、と思っているのでしようか。こちらに全く被害がないなどという事はあり得ません。ソウルは火の海となるでしょう。東京だってどうなるかわかりません。まさか、ピンポイントで相手を攻撃して一気に反撃能力も奪う、こちらは被害なし、なんて事を考えているとしたら、それこそ「平和ボケ」の「お花畑」です。戦争をリアルに想像できない非現実的発想です。この人たち「政治家」ですよね ? 勇ましいだけが取り柄のチンピラみたいですけど。政治家なら、それこそ「国(民)を守る」のが仕事、なんとしても軍事的衝突だけは避けるというのが役目のはずです。どうかこういう候補と政党には投票しないでいただきたい。命は大事です。

今回の選挙の争点は「日本が戦争できる国になってもいい ?」

前回記事で、「今回の選挙の第一の争点は、「もりかけ疑惑逃げ切り」「自己都合解散」を許すのかどうかだ」と書きました。もうひとつの大きな争点は、「日本が戦争できる国になってもいいのか」という点だと思います。

いよいよ憲法改正が、選挙の争点となりました。教育の無償化やら環境権やら地方分権は、「えさ」にすぎません。それらは何も憲法を改正しないとできない事ではありません。本丸は9条改悪と緊急事態条項(緊急事態対応)です。

9条も、現実に存在している自衛隊を憲法に書き込むだけという「現状追認」ではありません。安保法制とセットで、日本が堂々と普通の国なみに「戦争できる国」になってしまいます。9条を巡って国民や法律家の間に様々な意見があったからこそ、それが足かせとなって、自衛隊が海外で戦争する事はありませんでした(自衛隊はすでに「専守防衛」という枠から、質・量ともにはるかにはみ出していますが、それはさておき)。ほとんどすべての戦争が「自衛」の名の下に行われた事を考えると、「自衛のため」に軍隊を持つ、という規定を憲法に書き込めば、もはや何の歯止めにもなりません。自衛のためなら「敵基地攻撃能力を持つべき」という意見すらあります。

自民党にも安倍政治に反対する意見はあります。前回記事でもそのいくつかを紹介しました。今回もさらにいくつか、9条改正、自衛隊の海外派兵、安保法制に反対する自民党の長老の声を紹介しておきます。

世界の警察官・米軍の警察犬になるのか!新安保法制と戦後70年の課題 元自民党副総裁 山崎 拓

今度は自民党防衛族の元大物議員が安保法制批判!「安倍首相は軍国主義」「国策として誤り」

山崎拓、亀井静香ら4長老が反対表明 「大きな禍根を残す」

“安保”元自民党の重鎮ら安倍政権を批判

「もめ事があっても武力で解決しない」というのが、国内で300万人、アジア全体で2,000万人の犠牲の上に作られた日本国憲法前文と9条の精神です。時代が変わった、国際安全保障環境が変化したという言い訳は成り立ちません。今もし、中国や北朝鮮との間に「もめ事」があるとしたら(そんなものがあるかどうかはさて置き)、そういう時にこそ、憲法9条と前文の精神に従って行動すべきです。肝心の時にそれを放棄するのでは、多くの命と引き換えに得た「先人の教え」を無視し、戦争犠牲者を冒涜する事になります。

9条とセットで、9条改悪よりさらに怖いのが、緊急事態条項(緊急事態対応)です。自衛隊を憲法に書き込んだだけでは、戦争をやる上で不十分だと政府与党は考えています。戦争に反対する人たちを取り締まり、国会での野党との議論など無視できる体制が必要です。これまでも自民党は、秘密保護法や共謀罪法などを強行可決してきました。その仕上げが、緊急事態条項(緊急事態対応)です。災害対応などとごまかしていますが、むしろ災害時には緊急事態条項などかえって不要という意見も多くあります。

緊急事態条項が憲法に書き込まれれば、内閣総理大臣ただ一人の判断で、内閣に独裁的権限が与えられます(閣議の決定や国会の承認が必要という規定を盛り込んだとしても、議院内閣制の下では、それを否決する可能性は極めて低い)。内閣に立法権を与え(内閣が法律と同じ効力を持つ政令を作ることができる)、予算審議なしに財政上必要な支出を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。国民にも国の指示通りにしろと命令でき、当然基本的人権は制限される。もう完全にファシズム、独裁です。

9条改悪は、すでに強行可決された秘密保護法や共謀罪法、安保法制、そしてこの緊急事態条項(緊急事態対応)とセットで、日本を戦争のできる国にしてしまいます。内閣に独裁的権限を与え、国民の反対を押さえ込んで、戦争遂行をより容易に行おうとしています。

日本が戦争のできる国になって、国民がそれに反対する事もできない国になってもいいですか。今回の選挙はその事が問われています。緊急事態条項には、国会議員の任期延長も含まれています。もし与党が多数派となれば、しばらくの間(永久に ? )選挙をしなくて済みます。与党多数という国会の構成が改められるチャンスはなくなります。最悪の場合、今回の選挙が、曲がりなりにも一応民主的な制度の下での最後の選挙になるかもしれません。

安倍自民は、選挙政策で改憲に触れているものの、街頭演説などではこの問題にほとんど触れていません。憲法改正が国民の支持を得られない事を自覚しているようです。しかし、もし選挙で多数派ともなれば、白紙委任されたかのようにやりたい放題振る舞うのは目に見えています。これまでもそうでしたから。

投票に行きましょう。自民党支持者も無党派の方も、「日本が戦争できる国になるのはいやだ」と思われる方は、憲法改正に反対している政党と候補者に投票して下さいm(__)m。立憲民主党は、憲法改正議論は否定しない立場ですが、安倍政権下での9条改正には反対です。棄権や白紙は、現状追認、結果的に与党に有利です。この選挙を、まともだった最後の選挙にしないために。次の世代に平和な日本を受け渡すために。

各党比較

【関連記事・憲法改正問題】
9条改憲賛成という人にこそ知ってほしい、もはや憲法とは言えない自民改憲案の中身。たった一人の判断ですべてをチャラにできる緊急事態条項。
改憲こそが選挙の最大争点。緊急事態条項で日本はアウト。争点隠しするも本音発掘される。
【続編】安倍自民とナチスはそっくり。改正99条が現憲法9条も議会制民主主義も地方自治、基本的人権も破壊する。その2。
安倍自民とナチスはそっくり。報ステが渾身の「緊急事態条項」特集。改正99条が現憲法9条も議会制民主主義も地方自治、基本的人権も破壊する。
報ステが「9条押しつけ論」に反論。憲法制定過程に関する動画・資料を集めてみた。9条だけじゃない、25条生存権も日本側のオリジナル。
「押しつけ憲法論」のでたらめ – 自民党改憲漫画パンフがひどすぎる

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朝鮮戦争は終わっていない。緊迫の朝鮮半島情勢。日本国民の犠牲も顧みない安倍自民が火に油を注いでいる。

朝鮮近海へ向かうアメリカ空母打撃群

一触即発の朝鮮半島。安倍の後先考えない強がり発言によって日本は戦争に巻き込まれる。安倍は戦争を欲しているのか。

つい先日、4月6日、一つのニュースをNHKが報じた。その後大きな話題になることもなかったが、きわめて重大なニュースである。

自分の発言の意味さえ理解できない安倍首相が重大発言。朝鮮半島と日本が戦場となってもいいのか。

安倍総理大臣はアメリカのトランプ大統領と電話で会談し、トランプ政権が北朝鮮に対し、武力行使も排除しない姿勢を示していることを評価する考えを伝えました。
日米電話首脳会談 首相“武力行使排除しない姿勢評価”

安倍という男、いつも思いつきで、後先考えず威勢のいい事を言って「やってる感」だけを演出するとんでもない奴である。安倍首相は電話会談後「トランプ大統領からはすべての選択肢がテーブルの上にあるとの強い、力強い発言がありました」と語った (「突っ込んだ意見交換ができた」安倍晋三首相ぶらさがり全文)。またしても「安倍式言い換え語」である。国連安保理の議決抜きの武力行使は国連憲章違反であり、軍事大国による他国主権の侵害であってこれを「力強い」と評価する感覚は完全に狂っている。しかも、それを武力の行使だけでなく「威嚇」すらも放棄したはずの国の首相が肯定的に評価するなどあってはならない。なぜこの点をマスメディアは追求しないのか。

安倍は自分の言っている事の意味を理解しているのだろうか。アメリカの北朝鮮に対する武力行使を支持する、と言ったのである。たんに米朝が戦争状態になってもいい、という事にとどまらず、日本や韓国が攻撃されてもいいというメッセージを北朝鮮とアメリカに送った事になる。仮に武力攻撃が行われたとして、第一撃で相手の反撃能力を全滅させるなど不可能である。そうなれば北朝鮮は、死にものぐるいで反撃にでるだろう(あるいは先制攻撃を行うかもしれない)。在日米軍基地は攻撃されるであろうし、自衛隊は集団的自衛権に基づいて参戦せざるを得ないだろう。

しかも、よりによって、過去最大規模の米韓合同軍事演習が行われている中での発言。安倍は戦争したいのか ? 挑発的発言以外の何ものでもない。
またしてもマスメディアは、トランプ大統領が「日本に対する安全保障上の関与を確認し、同盟国日本を100%支える」と発言した事をとらえて安心してしまうお花畑なのか。

その直後に、アメリカはシリア攻撃。事態は急展開。

その翌日、びっくりするニュースが世界を駆け巡った。アメリカはシリアに対して、ミサイル攻撃を行った。

米軍は米東部時間6日午後8時40分(日本時間7日午前9時40分)ごろ、シリアの空軍飛行場に対し、巡航ミサイル59発を発射した。
米、シリア政権に軍事攻撃=巡航ミサイル59発―トランプ氏「虐殺終わらせる」

アメリカ国防総省は、日本時間7日午前9時40分ごろ、アメリカ軍が59発の巡航ミサイル「トマホーク」を、シリア軍の関連施設に発射したと発表した。
巡航ミサイル「トマホーク」59発 アメリカ シリアを軍事攻撃

この攻撃は、アサド政権側が罪のない市民に恐るべき化学兵器攻撃を行った事に対する対抗措置だとアメリカは主張している。しかし、本当に化学兵器か使われたのか、化学兵器を使用したのは誰なのか、明白な事実の認定も無く、国連決議も無く、有志連合ですら無い。アメリカが攻撃を受けたわけでもなければ、同盟国への攻撃があったわけでもない。アメリカ単独の判断で主権国家を一方的に武力攻撃する事は許されない。

もう一点問題なのは、この武力攻撃が、中国に対するプレッシャーであり、北朝鮮に対する恫喝だという点だ。シリアは数少ない「北朝鮮を承認し、韓国を承認していない」国だ (余談だが北朝鮮と国交の歩くにはかなり多い)。

この攻撃は、北朝鮮問題も議題の一つにした米中会談のさなかに行われた。トランプ氏は夕食会の間、「重大行動」に取り組む自らの姿を習氏に誇示するように振る舞った と言われている。また、トランプ大統領は焦点の北朝鮮問題について、習近平国家主席に取り組み強化を促す一方、中国が有効な手を打てない場合は米国が単独で行動する用意があると伝えた。

米国務長官は「シリア攻撃は北朝鮮への警告」と語った。

安倍はそのシリア攻撃も真っ先に支持した。米大統領との電話会談で、シリア問題に関連して「北朝鮮の核・ミサイル問題に対しても、日米韓3カ国の連携を強化することで一致した」と報じられた。

緊迫の朝鮮半島情勢。過去最大規模の米韓合同軍事演習。米空母・駆逐艦が朝鮮半島に集結。

3月から、過去最大規模の米韓合同軍事演習が行われている。

米韓、2カ月間の大規模合同軍事演習を開始 北朝鮮の脅威を警戒

軍事演習は史上最大規模、米空母出撃で正恩氏射程 中国と『黙認』事前協議、米軍特殊部隊「斬首作戦」決断も

北朝鮮、「強硬対応」か=米韓演習に対抗し挑発も

さらに、3月にこの軍事演習に参加し、その後朝鮮近海から離れていた空母カールビンソンが再び朝鮮近海に戻りつつある。

アメリカ海軍の空母打撃群、朝鮮半島に向けて航行 北朝鮮を牽制か

米空母・駆逐艦が朝鮮半島に集結 11日は最高人民会議

ミサイル駆逐艦など合流か 米空母、朝鮮半島近海へ派遣

朝鮮半島は一触即発の緊迫した事態だと言っていい。しかもこの米韓合同軍事演習に日本は深く関わっている。(米韓演習 米本土から在日米軍基地中継 F22など大量投入)

そればかりか、14日参院本会議で、自衛隊と米軍が物資や役務を融通し合う日米物品役務相互提供協定(ACSA)の改定案が承認された (自民、公明、日本維新の会などの賛成多数、民進、共産などは反対)。

我が日本では「敵地攻撃能力」が議論される。一昔前なら口にすることさえはばかれていた。

海上自衛隊は、北上するカールビンソンとの共同訓練を予定している。

 海上自衛隊が朝鮮半島近海に向けて北上している米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第1空母打撃群と近く共同訓練を実施することが12日、分かった。海自の護衛艦が参加し、巡航訓練などをする見通し。日米が連携し、弾道ミサイル発射などの挑発行為を繰り返す北朝鮮をけん制する狙い。自衛隊幹部が明らかにした。
海自、米空母と共同訓練へ 日米連携し北朝鮮けん制

もはや訓練というより実戦配備と言ってもいいだろう。海上自衛隊の任務は、敵潜水艦の攻撃から米海軍を守り、米空母や米原潜に「安全な」活動海域を提供する事にある。海上自衛隊は他国軍隊と比べて対潜水艦作戦能力が極めて高い(韓国が16機しか保有していない対潜哨戒機P3Cを日本は80機保有しておりアメリカについで保有数が多い。さらにP-1を33機保有)。

互いに相手を脅威と見なす軍事的抑止論では、事態は悪循環。むしろ緊張を高めるだけ。朝鮮戦争はまだ「休戦」状態にすぎない。

朝鮮戦争は終わったわけではなく「休戦」状態にすぎない。休戦協定は1953年7月27日午前10時、朝鮮人民軍代表兼中国人民志願軍代表と国連軍代表により署名された (朝鮮戦争休戦協定)。朝鮮戦争における「国連軍」は、ソ連が中国代表権問題から欠席中の安全保障理事会の決議に基づいているが、国際連合憲章第7章に基づく、安保理が指揮する正規の国連軍ではない。正規の国連軍が組織された事はこれまで一度も無い(国連軍))。「北侵を前提とした大規模軍事演習を在韓国連軍が実施したこと」などにより、北朝鮮側は1994年、1996年、2003年、2006年、2009年、2013年の少なくとも6回にわたり、もはや休戦協定に束縛されないと表明している (朝鮮戦争休戦協定)。

日本の横田基地には、この「国連軍」の「在日米陸軍・国連軍後方司令部」があり、キャンプ座間、横須賀海軍施設、佐世保海軍施設、横田飛行場、嘉手納飛行場、普天間飛行場、ホワイト・ビーチ地区の7カ所が国連軍施設に指定されている。

1975年11月、第30回国連総会は「国連軍司令部」を解体する2件の決議を採択した。2004年、北朝鮮は、アナン国連事務総長あてに書簡を送り、韓半島内の国連軍司令部を解体するよう要求し、北朝鮮を敵対視する米国の政策が不可避な戦争を招くことになると主張した。同スポークスマンは「在韓国連軍司令部は米軍が主導する兵力であって、国連平和維持軍ではない」とし「したがって、北朝鮮の要求は韓半島から米軍を撤退させるためのもの」と指摘した。 2016年10月には「第30回国連総会の決議通りに米国が不法な南朝鮮駐屯『国連軍司令部』を一日も早く解体し、すべての侵略武力を撤退すること」を求めた。

世界最大の核保有国が他国の核開発を批判。米韓合同軍事演習を問題視しない欺瞞。

北朝鮮の核開発は許されないし、北朝鮮の肩を持つ気は全くないが、こうした大規模な米韓合同軍事演習が非難されないのは、全く片手落ちというしかない。世界最大の核保有国アメリカが、北朝鮮の核開発を批判するのはダブルスタンダードだ。戦争は互いに「自衛」を口実に始まる。

(北朝鮮外務省)報道官は「トランプ米政権が『力による平和』を叫び、朝鮮半島に戦略攻撃手段を次々と投入しているが、われわれは眉一つ動かさない」と強調。「われわれに手出しする者には『超強硬』に立ち向かい、強力な力で自らを守る」と訴えた。
「超強硬」対応を警告=米空母の急派非難―北朝鮮

北朝鮮外務省の報道官はKCNA(朝鮮中央通信)を通じて、「自衛のために強力な武力を行使し、挑発する者に対して最も激しい反撃を行う」と述べ、現在の姿勢を貫く意向を示した。
「戦争の準備できている」 北朝鮮、米空母派遣を非難

北朝鮮がアメリカ本土に届く核ミサイルを開発している事をアメリカは脅威と見なしているに違いない。北朝鮮は強大な在韓米軍を脅威と見なしている。互いに相手を脅威と見なし、それに対抗するために軍備を増強するのは、出口の無い悪循環だ。米国家安全保障会議(NSC)が核とミサイルの開発を進める北朝鮮に対抗するため、核兵器を在韓米軍に再配備することをトランプ大統領に提案したと報じられている。軍事的圧力と恫喝によって自己の主張を通すのではなく、朝鮮半島非核化を含む平和的手段で事態を解決すべきだ。

核兵器の応酬ともなれば、北朝鮮や韓国はもちろん、日本にも重大な被害が及ぶだろう。いや、韓国の原発が狙われただけで、日本が受ける被害は重大だ (韓国の原発銀座で惨事なら 「西日本の大半避難」の推定)。

火に油を注ぐ安倍内閣。言葉だけは勇ましいが、どうやって日本国民を守るのか。

話を元に戻そう。朝鮮半島で戦争が起きるのか、それはどの程度の規模なのか、誰にもわからない。互いに相手を威圧し、相手の出方を確かめただけで終わるかもしれない。しかし、一触即発の事態である事には違いない。この時、日本は何をすべきか。

安倍首相は、6日の「武力行使も排除しない姿勢を評価する」発言に続き、10日には「いかなる事態になっても国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べた。

どのようにして「国民の生活と平和な暮らしを断固として守り抜く」のか。フリージャーナリストの志葉 玲氏が防衛省に問い合わせて得た回答は「いろいろ長々と言っていたけど、端的に意訳すると、「アメリカ様が何とかしてくれることを期待。自衛隊がミサイル攻撃を防ぐことができるかはお答えできない」という事だった。要するにジャイアンの陰に隠れていれば大丈夫、という程度の話なのか。

そりゃそうだろう。もし、北朝鮮が日本の在日米軍基地や原発を攻撃したら、それを100%防ぐ手段など無い (だから新型ミサイル防衛システムTHAADを買わせようとしている。軍需産業丸儲け)。ジャイアンの陰に隠れても無駄。むしろジャイアンもろとも標的となる。北朝鮮ははっきりと「在日米軍基地が標的」と言っている。首都東京には「国連軍後方司令部」を始め多数の米軍基地が集中している。沖縄を始め日本全土に在日米軍基地は存在する。もし戦闘になればそれらが攻撃目標となる可能性は高い。在日米軍基地だけがピンポイントで攻撃され、日本人には被害が及ばないという保証は無い。というか、米軍基地が攻撃されたら周辺の住民にも被害が及ぶと考えた方が自然だろう。核攻撃ならなおさらだ。北朝鮮が「日本が米軍を支援している」と見なせば、米軍基地だけでなく日本そのものが狙われるだろう。海上自衛隊が米海軍と行動をともにするなど、むしろその危険を高めるだけだ。

「武力行使も排除しない姿勢を評価する」と言うなら日本にも標的となる事を覚悟すべきだし、それを避けるためには、非軍事的手段による解決を目指すしか無い。安倍政権の対応は、米軍による武力攻撃を二度も思いとどまらせた韓国政府とは対照的だ。

アメリカは、1990年代のクリントン政権期の「第1次核危機」と、2000年代のブッシュ政権期の「第2次核危機」の時にも、北朝鮮への軍事攻撃を検討した。しかし、北朝鮮の報復攻撃による、アメリカとその同盟国の被害リスクが大きすぎることから断念した。北朝鮮への先制攻撃や斬首作戦(指導者の暗殺)ができるなら、とうの昔にやっていたはずだが、できなかったのだ。
1993〜1994年の第1次核危機の際には、アメリカが北朝鮮の核施設を対象にサージカルアタック(局部攻撃)をしたら、100万人以上の韓国人と10万人以上のアメリカ人が死亡するとの試算が米政権内で出された。当時の韓国の金泳三大統領が、クリントン米大統領の核施設攻撃に断固反対し、中止させた。 2003年の第2次核危機の際にも、当時の盧武鉉大統領はブッシュ政権に対し、「軍事オプションは絶対に呑めない」と強く反対した。北 の反撃による韓国などへの被害リスクが大きすぎて先制攻撃できないとアメリカは判断した。イラクやリビアは攻撃できても、北朝鮮は攻撃できなかったのだ。
盧武鉉政権時に大統領府外交安保首席秘書官を務めた韓国国防研究院のソ・ジュソク責任研究委員は3月5日、都内で行われた朝鮮半島の安全保障政策に関するシンポジウムで、アメリカによる先制攻撃のリスクについて、次のように述べ、強い懸念を表明した。
「1994年のクリントン政権時よりも北朝鮮の攻撃能力が上がっているので、被害はもっと大きくなる。韓国の指導者で先制攻撃に同意する人は1人もいない」
北朝鮮を攻撃したら何が起きる——もし永田町が核攻撃を受けたら

自国(民)の被害をリアルに想定できる韓国政府と違って、安倍内閣はそれもできない「平和ボケ」なのか。こちらが強気に出れば相手はひるむに違いないという「抑止力論」の幻想に取り憑かれているのか。相手がひるむかどうかはわからない。抑止力論は相手がひるむはずだという希望的観測の上に成り立っているにすぎない。

詳細や情報源も明かせないのに、北朝鮮がサリンを弾頭に付け発射する能力を保有などと、危機感を煽る事だけは一生懸命だ。単に「化学兵器」では無く「サリン」と言う単語を使ったのは、その言葉に日本人がどう反応するかを計算した上での事だろう (一方で、日本政府は昨年、毒ガスを含む化学兵器や生物兵器の一切の使用を憲法9条が禁止するものではないとする答弁書を決定している。さらに付け加えるなら、日本政府は「核兵器禁止条約」交渉に不参加だし「核先制不使用」に反対している)。

集団的自衛権を認めた安保法制によって、日本を取り巻く環境はより平和に近づいたはずではなかったのか。2年前、アメリカの戦争に巻き込まれることは「絶対にあり得ない」と言ったばかりではないか。もし日本がアメリカの同盟国でなければ、北朝鮮には日本を攻撃する理由が無い。

「原発の全電源喪失は考えられない」「最後のお一人にいたるまできちんと年金をお支払いしていく」「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。自民党」から始まって、「汚染水はアンダーコントロール」「福島第1原発事故による健康への影響については今までも現在も将来も全く問題はないと約束します」、そして、「総理も議員も辞める」発言まで、言葉面は勇ましいが何の重みも無い。断定的な言い方をすればするほど真実味が無い。カラ元気で強がりで、空疎で、しかもその言葉の結果には責任を負わない戯言・大言壮語につき合わされる国民はたまったものではない。しかもメディア受けを狙ったこれらのフレーズは、「強いリーダー」をイメージさせ、「やってる感」を演出しているにすぎない。

非軍事的手段、話し合いによる解決を。

もう一度いうが、アメリカに尻尾を振って道連れにならないよう、平和的手段による解決を目指すべきだ。

 トランプ氏の「日本を100%守る」という言葉を引き出し、安倍官邸は、「大成果」だと喧伝した。
 こうした報道を繰り返し聞かされた国民は、次のように考えた。

――北朝鮮はいつ日本にミサイル攻撃を仕掛けるかわからない。もし、米国が日本を見放したらと思うと背筋が寒くなる。幸い、安倍さんがうまくやってくれた。何かあったら、トランプさんが守ってくれる。安倍さんは、トランプさんの親友になったのだから――

 日本の国内には、このような奇妙な安心感が生まれたのだ。
 さらに、この思考回路は、暗黙のうちに、次のような論理を肯定する。

――安倍さんとトランプさんが仲良くすることが何より大事。そのためには、多少譲歩しても仕方がない。トランプさんが望むことを、日本自ら進んでやることによって、向こうに恩を売り、さらに両国の絆を強いものにして欲しい――

(中略)

 いずれにしても、日本人が、本当に安倍政権の対米追随路線の怖さに気づくのは、やはり、前述した北朝鮮とのミサイル戦争に巻き込まれて、日本の国土が戦場と化し、数千人の死傷者を出すときまで待たなければならないのかもしれない。
 そういう事態になって、初めて日本の国民は気づく。

――あの時、日本は米国を止めるべきだった。中ロと協力してでも、北朝鮮との戦争を止めて欲しかった――と。

 そして、私たちは、次のような疑問に突き当たるだろう。
 日米安保条約と在日米軍基地があるから日本の安全が守られるというのは間違いだったのではないか。日米安保条約と在日米軍基地があったからこそ、日本が無用な戦争に巻き込まれることになったのではないか。

――政治の役割は二つある。一つは、国民を飢えさせないこと。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争しないこと――

 これは、菅原文太さんが亡くなる約4週間前に沖縄で行った最後のスピーチの有名な一節だ。
 今、日本人は、この言葉をかみしめて、日本が進むべき道について、根本から考え直すべきではないだろうか。(文/古賀茂明)
古賀茂明「北朝鮮、シリア 日本の危機が安倍総理のチャンスになる不可思議」

こちら↓は今回の朝鮮での軍事衝突の可能性に関連した記事ではないが、結論部分は大いに参考になる。

ここで北朝鮮の言い分にも耳を傾けてみよう。

「イラク、リビア事態は、米国の核先制攻撃の脅威を恒常的に受けている国が強力な戦争抑止力を持たなければ、米国の国家テロの犠牲、被害者になるという深刻な教訓を与えている」(2013年12月2日『労働新聞』)

北朝鮮の核・ミサイル開発はイラクやリビアの二の舞にならないための「強力な抑止力」というのだ。そして求めるのは米朝間の平和協定締結であることは以下の演説からわかる。

「米国の敵視政策の清算は、わが共和国に対する自主権尊重に基づいて米朝間の平和協定を締結し、各種の反共和国制裁と軍事的挑発を終えるところからまず始めるべきである」(2013年7月2日第20回東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会合、北朝鮮の朴宜春(パク・ウィチュン)外相の演説)

日本がとるべき道は、北朝鮮への先制攻撃も視野にいれるトランプ政権に対し、外交的アプローチの強化を求めることではないだろうか。

トランプ政権は、北朝鮮が非核化措置をとらない限り、対話に応じないとするオバマ前政権の「戦略的忍耐」は失敗に終わった、と判断した。であるならば、安倍政権に求められるのは、以下のように米国を説得することだろう。

「北朝鮮との対話に乗り出し、交渉の過程で核放棄とミサイル開発の中止を求め、見返りに平和協定を結んで北朝鮮に『米国は攻撃しない』という保障を与えるべきだ」と。

米国、北朝鮮どちらの国が軍事オプションを選択したとしても、全面戦争に発展しかねない。そうなれば北朝鮮の弾道ミサイルが飛来し、日本が壊滅してしまうおそれがあることはみてきた通りであるからだ。
対北朝鮮「ミサイル防衛」も「敵基地攻撃」も驚くほど非現実的である


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