カテゴリー: 憲法

丸山議員の「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

水陸機動団

丸山穂高議員の戦争肯定発言は憲法擁護義務違反

日本維新の会の丸山穂高衆院議員が、戦争扇動発言をして炎上した。
丸山議員は、北方四島ビザなし交流の訪問団に、衆院沖縄北方問題特別委員会の委員として参加した際、報道によれば、訪問団の団長が記者から取材を受けていたところへ、割り込んで次のように発言した(注1)。
「団長は戦争でこの島(北方四島)を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「戦争しないとどうしようもなくないですか」

この発言が大問題となったのは当然のことである。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
この憲法の規定が理解できない者は議員である資格はない。国際紛争を解決するために戦争に訴えるのは、現憲法の理念とは正反対である。公務員・議員には憲法擁護義務がある。

本人も、一時は維新の松井代表も「言論の自由だ」と開き直ったが、ヘイトが言論の自由ではなく犯罪なのと同様、戦争扇動発言は、少なくとも公務員にとっては言論の自由の範疇ではない。ヘイトの自由はないのと同じ、戦争肯定の自由は(少なくとも公務員には)ない。

偶然にも、ほぼ同時期、「空母いぶき」で総理役を演じた佐藤浩市の発言が、ウヨの標的となったが、劇中佐藤演じる総理が、開戦の決断を迫る副総理に、「この国は戦争しないと決めた」という趣旨の発言をする。
「戦後の政治家が一丸となって守りつづけてきたことが、たったひとつだけあります。それは、この国は、日本は、絶対に戦争はしないという国民との約束です。軽々しく「いくさ」などという言葉を使わないでいただきたい」
それほど、この国にとって、武力で国際紛争を解決することは許されないことなのだ。いや、国際社会一般においても武力行使は原則禁止されている。

国連憲章第2条

3すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

4すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

奪われたものを武力で取り返す、などという発想自体が、時代遅れなのだ。戦争を非合法とみなす考えは、(自衛戦争を例外的に認めているため、結局自衛を口実に戦争が行われるという弱点があるが)、今や国際的なスタンダードだ。戦争肯定発言は、長い時間をかけて戦争を非合法化し平和を求めてきた人類の英知に対する愚かな挑戦だ。

丸山議員だけではない。政界にはびこる戦争肯定思想、幼児的愛国ごっこ。

その直後に不思議なことが起きた。
同じく維新所属議員である森夏枝氏が、国会で
「サイバー攻撃の分野では、専守防衛の原則から除外すべきだ」
「精密誘導兵器保有を」と発言(質問)した。
安倍総理も、専守防衛原則は堅持するとしたが、「サイバー攻撃だけでも武力反撃はありうる」と武力行使を容認した。

丸山議員の発言は問題視されたが、こちらはほぼスルーされた。問題発言だと大きく取り上げたメデイアもない。丸山議員は、酔っ払って無礼だから問題だが、国会で「冷静」に議論するのは問題なしということなのだろうか。発言の仕方や場所や態度が問題なのであって、発言内容そのものは問題ないということなのだろうか。そうではないはずだ。

「武力行使」を当然のように容認する思想は、維新所属議員だけではない。安倍総理自身が、武力行使肯定発言を何度もしている。
「わが国の領土と領海は私たち自身が血を流してでも護り抜くという決意を示さなければなりません」(「ジャパニズム」2012年5月号/青林堂)
「(尖閣問題では)外交交渉の余地などありません。尖閣海域で求められているのは、交渉ではなく、誤解を恐れずにいえば物理的な力です」(『美しい国へ』文藝春秋)

自民党議員による9条否定、戦争肯定発言は、この他にいくらでもある。

稲田朋美「国を護る為に『血を流す覚悟』をしなければならない」「国のために命をかけられる者だけが選挙権をもつ資格がある」「”戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事”これがずっと自分の生き方の根本」

長勢甚遠(第一次安倍内閣法務大臣)「国民主権、基本的人権、平和主義…この3つをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ」

そして、言葉だけではなく、安倍政権下で、イラクなどで実際に自衛隊は戦争行為を行った。復興支援のための人員・物資を輸送するという名目で米軍の人員・物資を輸送した。「兵站」も戦争行為の一部である。さらに安保法制成立後は、日本が攻撃されていなくても、集団的自衛権(自衛という名の戦争行為)を行使できるようになった。

武力行使容認だけではなく、核兵器容認発言もキリがない。安倍総理、松井維新代表、一時維新と行動を共にした石原慎太郎、小池百合子東京都知事らは、核武装論者である。

その石原慎太郎氏をめぐってこんなサイトが現れた。
石原慎太郎「僕が総理大臣なら拉致された日本人をとり戻すために北朝鮮と戦争をおっぱじめるよ!」(注2)

なんという議論の劣化だろうか。領土にしろ、拉致被害者にしろ、戦争をすれば取り戻せると思っているのだろうか。むしろ事態を悪化させるという「想像力」が働かないのだろうか。冒頭の丸山穂高議員の発言も、平和的交渉を積む重ねてきた元島民に対する侮辱である。

このサイトについたコメントが、またまたひどすぎる。「戦争する=取り戻せる」 VS 「戦争しない=取り戻す気ない」という単純化された二択の前提自体が漫画的というか戯画的すぎる。むしろ戦争せずに取り戻す道を政治家は考えるべき。それが政治家・外交の本来の仕事のはずだ。たとえば、「戦争は嫌ですけど、戦争という選択肢を検討する、という発言すら許されない社会は、もっと嫌です」というコメントがあるが「国際紛争を解決するために武力行使を行うという選択肢」は、もともとない。

一国の総理・議員から国民に至るまで、この国には、口先だけ勇ましい、真面目で地道な努力をあざ笑う「幼児的、お山の大将的、マッチョ的愛国ごっこ」が蔓延している。鯛は頭から腐る。この国の総理が、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して、「対話よりも異次元の圧力を」と言ったかと思うと、今度は「無条件で会う(会いたい)」と言い、幾らかは進展しているのかと思えば、全く進展していないという情けない展開。口先だけの勇ましい言葉の裏では何もしていなかったことが明らかになった。

「武力で取り戻す」発言は問題視されても、なぜ、現実の「武力で取り戻す」戦争計画は問題視されないのか。

自衛隊の「島嶼奪還作戦」とは、要するに「奪われた島を武力で取り返す」軍事行動のこと。島嶼奪還作戦を担う自衛隊の水陸機動団の公式サイトは、その任務について「四方を海に囲まれた国土、また数多くの島嶼部を有する我が国の領土を、他国に侵略された際に海上から迅速に機動展開し奪回することを任務とします」と書いている。「奪われた島を武力で取り返す」発言が問題視されて、なぜ現実の「奪われた島を武力で取り返す」戦争準備は問題視されないのか。問題視されるどころか、産経などではむしろ当然の事として報道されている。

島嶼奪還で日米共同訓練 陸自と海兵隊、連携強化

しかも、「奪われた島を武力で取り返す」というのは、カモフラージュ的建前かもしれない。「奪われた島を武力で取り返す」能力は、他国領土に強襲上陸する能力と同じだ。自衛隊の水陸機動団は、日本版海兵隊と言われているが、本家アメリカの海兵隊の本来任務は、敵前強襲上陸だ。

その水陸機動団を空母いずもに載せ、領海をはるか離れた南シナ海やインド洋へ派遣するなど、もはや「専守防衛」の看板すら投げ捨てた、中国に対する威圧挑発行動に他ならない。産経がまたしても半ば自慢げに報道している。

日米印比が対中包囲網 海自からは「いずも」参加

陸自水陸機動団が「いずも」に乗艦し南シナ海へ

日仏豪米がインド洋で共同訓練 中国牽制 22日まで

対中国威圧を米軍の下請け・代理として自衛隊がかって出るという構図だ。自衛隊が、国際条約上の根拠も不確かな多国籍間の対中国包囲軍事演習に参加するなどもってのほか。現憲法下ですら、これだけの戦争準備が進んでいることにメディアはもっと注目して批判的報道をすべきではないか。現憲法下ですらこれだけ事態は進んでいるのだから、9条改悪など許すべきではない。この道はいつか来た道だ。

・画像は、wikiの水陸機動団のページよりお借りしました。

【関連記事】
「押しつけ憲法論」のでたらめ – 自民党改憲漫画パンフがひどすぎる

9条改憲賛成という人にこそ知ってほしい、もはや憲法とは言えない自民改憲案の中身。たった一人の判断ですべてをチャラにできる緊急事態条項。

教育勅語のキモは「天皇のために死ね」、では、道徳を説いた部分は今でも通用するのか。いや、道徳こそが問題。

それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。

【普天間、辺野古問題】「辺野古移設が普天間の危険性除去の唯一の解決策」か。在沖米海兵隊削減は、日米両政府で合意済み。削減される部隊のための新基地も旧基地もいらない。


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・注1 一部のウヨが、「勝手に録音して勝手に公開するメディアが問題」などと丸山議員を擁護しているが、公式の場での公務員の発言なので録音され公開されて当然。まして取材中に割り込んできたのだからなおさら。そもそも、こういう人たちは、公式の建前上の見解と本音は別物で、本音は暴かれては困るとお考えなのか。

・注2 この石原慎太郎氏のオリジナルの発言はこれのことだろう。
普通の国なら戦争して相手を懲らしめて取り戻す


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それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。【2017衆議院選】

攻撃意志なくても

それでも北朝鮮が怖い ? もっと怖いのは日本が戦争をする国になる事。

それでも北朝鮮が怖い ? 任せられるのは安倍さんだけ ?

自民党はいやだけど、それでも北朝鮮が怖いから、やっぱり任せられるのは安倍さんだけ、とお考えの人も多いかもしれません。確かに「日本上空をミサイルが通過」とか言われると、落ちて来たらどうしようと怖くなりますよね。

でもちょっと冷静に考えましよう。たしかに「日本の方角」に向かって撃ちましたが、「日本を狙って」撃ったわけではありません。まさか中国やロシアに向けて撃つわけにいかないから太平洋に撃つしかない。その方角にたまたま日本がある。日本「上空」と言っても、宇宙ステーションよりもはるかに高い宇宙空間です。万が一、部品などが落ちて来たとしても、大気圏で燃え尽きてしまいます。

そもそも北朝鮮は、日本と戦争する気があるのでしょうか。全くありません。北朝鮮は日本にとって脅威でも何でもありません。
北朝鮮とアメリカはかつて朝鮮戦争で戦いました。戦争は終わったわけではなく、単なる「休戦状態」です。戦争がまだ終わっていないのに、その交戦当事国が、自国付近で韓国と合同軍事演習をしている。これは、北朝鮮にとって怖いに違いない。しかし、北朝鮮はアメリカとの戦争を望んでいない。通常戦力ではアメリカと北朝鮮は、桁違いの戦力差です。もし戦争となればどうなるかくらい彼らも分かっています。だからこそ、むしろ彼らなりの理屈では「自衛のため」核兵器と長距離ミサイルを死にものぐるいで開発しているのです。アメリカが北朝鮮に攻め込んで来たら報復する能力があるぞ、と威嚇しているのです。彼らなりの理屈では、戦争を抑止するためにこそ、核とミサイルを開発している、というわけです。

「彼(金正恩氏)の長期的な目標は、米国と合意して韓国から米軍を撤退させることだ」(金正恩氏、米国との戦争を望んでない=米CIA高官)

もともと彼らが相手にしているのはアメリカだけです。北朝鮮が日本に言及しだしたのは、安保法制が成立し、自衛隊が米軍と共同行動をとるようになったころからです。安保法制は「抑止力を高める」どころか、かえって危機を呼び込みました。アメリカと共同行動をとらない国に攻撃する意志はない、と北朝鮮側も明言しています(国連加盟国、米の軍事行動に参加しない限り安全=北朝鮮)。

・・追記 北朝鮮局長「核兵器、米だけが標的」 国際会議で発言 ・・

北朝鮮の脅威を煽るのは、外敵を作って国内の求心力を高め反対派を追いやる、支配者の常套手段です。

簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。
ヘルマン・ゲーリング(ナチスの高官)

安保法制によって抑止力が高まるという説明は大ウソでした。その後事態はさらに悪化しました。外国の戦争に巻き込まれる事はないという説明も大ウソでした。米軍と行動をともにしている自衛隊が攻撃される可能性はさらに高まりました。偶発的衝突の可能性もあります。本格的な戦闘になれば在日米軍基地が攻撃されるという事態も起こりえます。米軍の下請けとして自衛隊を差し出すべきではありませんし、アメリカと共同歩調をとって「武力による威嚇」を行うべきではありません。

こちらの抑止力、自衛力は相手にとって脅威。相手の抑止力、自衛力はこちらにとって脅威。もう、この無限ループの憎悪と軍拡競争から抜け出すべきです。車を運転している時に煽られたら冷静になって無視するのが一番、と言います。こちらも煽り返せば事態は悪化するだけです(^ ^ ; 。日本は売られてもいないケンカを買うべきではありません。安倍総理は「国際社会と協力して」とよく言いますが、安倍氏にとっての国際社会とは「アメリカ」ただ一国の事に過ぎません。国際社会には様々な意見があります。当然ロシアやドイツのように「対話による解決しか道はない」と主張する国も多くあります。韓国は当然の事ながら武力行使に慎重です。安倍氏は、それらの国ともちゃんと協力できるのでしょうか。そもそも協力する意志があるのでしょうか。

北朝鮮の核・ミサイル開発は支持できませんが、世界最大の核保有国アメリカには、北朝鮮を非難する権利はありません。すべての核兵器を禁止すべき、という核禁止条約にたくさんの国連加盟国が賛同していますが、被爆国として「リーダーシップを発揮」すべき日本政府は交渉に不参加のまま。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しても日本政府は談話すら出せませんでした」(ノーベル平和賞受賞のICAN国際運営委員・川崎哲氏、核兵器廃絶へ後ろ向きな日本政府を痛烈批判)。日本政府提案の、国連「核廃絶決議案」は北朝鮮の核開発は批難しても、核禁止条約には触れませんでした。恥ずかしい限りです。どうして、すべての核兵器を禁止すべきという立場に立てないのでしょう(【衆院選】北朝鮮に核放棄させる政党は?ノーベル平和賞受賞者に聞くリアルな外交)。

さて、選挙の話です。恐るべきアンケートがあります。このアンケート結果はもっと拡散されていいと思う(北朝鮮に米軍事力行使 自民39%が「支持」)。

武力行使を支持するか

なんと自民党候補のうち約4割が「米軍の軍事力行使を支持する」と答えたのです。維新にいたっては8割近く。希望でも2割以上が軍事力行使を支持すると答えました。与党やそのお仲間は、野党の事を「現実的でない」と揶揄して批難します。しかし、現実的でないのはどちらでしょうか。「軍事力行使」とは、殺し殺されるという事ですよ。相手が死ぬのはいい、こちらに被害がなければ、と思っているのでしようか。こちらに全く被害がないなどという事はあり得ません。ソウルは火の海となるでしょう。東京だってどうなるかわかりません。まさか、ピンポイントで相手を攻撃して一気に反撃能力も奪う、こちらは被害なし、なんて事を考えているとしたら、それこそ「平和ボケ」の「お花畑」です。戦争をリアルに想像できない非現実的発想です。この人たち「政治家」ですよね ? 勇ましいだけが取り柄のチンピラみたいですけど。政治家なら、それこそ「国(民)を守る」のが仕事、なんとしても軍事的衝突だけは避けるというのが役目のはずです。どうかこういう候補と政党には投票しないでいただきたい。命は大事です。

今回の選挙の争点は「日本が戦争できる国になってもいい ?」

前回記事で、「今回の選挙の第一の争点は、「もりかけ疑惑逃げ切り」「自己都合解散」を許すのかどうかだ」と書きました。もうひとつの大きな争点は、「日本が戦争できる国になってもいいのか」という点だと思います。

いよいよ憲法改正が、選挙の争点となりました。教育の無償化やら環境権やら地方分権は、「えさ」にすぎません。それらは何も憲法を改正しないとできない事ではありません。本丸は9条改悪と緊急事態条項(緊急事態対応)です。

9条も、現実に存在している自衛隊を憲法に書き込むだけという「現状追認」ではありません。安保法制とセットで、日本が堂々と普通の国なみに「戦争できる国」になってしまいます。9条を巡って国民や法律家の間に様々な意見があったからこそ、それが足かせとなって、自衛隊が海外で戦争する事はありませんでした(自衛隊はすでに「専守防衛」という枠から、質・量ともにはるかにはみ出していますが、それはさておき)。ほとんどすべての戦争が「自衛」の名の下に行われた事を考えると、「自衛のため」に軍隊を持つ、という規定を憲法に書き込めば、もはや何の歯止めにもなりません。自衛のためなら「敵基地攻撃能力を持つべき」という意見すらあります。

自民党にも安倍政治に反対する意見はあります。前回記事でもそのいくつかを紹介しました。今回もさらにいくつか、9条改正、自衛隊の海外派兵、安保法制に反対する自民党の長老の声を紹介しておきます。

世界の警察官・米軍の警察犬になるのか!新安保法制と戦後70年の課題 元自民党副総裁 山崎 拓

今度は自民党防衛族の元大物議員が安保法制批判!「安倍首相は軍国主義」「国策として誤り」

山崎拓、亀井静香ら4長老が反対表明 「大きな禍根を残す」

“安保”元自民党の重鎮ら安倍政権を批判

「もめ事があっても武力で解決しない」というのが、国内で300万人、アジア全体で2,000万人の犠牲の上に作られた日本国憲法前文と9条の精神です。時代が変わった、国際安全保障環境が変化したという言い訳は成り立ちません。今もし、中国や北朝鮮との間に「もめ事」があるとしたら(そんなものがあるかどうかはさて置き)、そういう時にこそ、憲法9条と前文の精神に従って行動すべきです。肝心の時にそれを放棄するのでは、多くの命と引き換えに得た「先人の教え」を無視し、戦争犠牲者を冒涜する事になります。

9条とセットで、9条改悪よりさらに怖いのが、緊急事態条項(緊急事態対応)です。自衛隊を憲法に書き込んだだけでは、戦争をやる上で不十分だと政府与党は考えています。戦争に反対する人たちを取り締まり、国会での野党との議論など無視できる体制が必要です。これまでも自民党は、秘密保護法や共謀罪法などを強行可決してきました。その仕上げが、緊急事態条項(緊急事態対応)です。災害対応などとごまかしていますが、むしろ災害時には緊急事態条項などかえって不要という意見も多くあります。

緊急事態条項が憲法に書き込まれれば、内閣総理大臣ただ一人の判断で、内閣に独裁的権限が与えられます(閣議の決定や国会の承認が必要という規定を盛り込んだとしても、議院内閣制の下では、それを否決する可能性は極めて低い)。内閣に立法権を与え(内閣が法律と同じ効力を持つ政令を作ることができる)、予算審議なしに財政上必要な支出を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。国民にも国の指示通りにしろと命令でき、当然基本的人権は制限される。もう完全にファシズム、独裁です。

9条改悪は、すでに強行可決された秘密保護法や共謀罪法、安保法制、そしてこの緊急事態条項(緊急事態対応)とセットで、日本を戦争のできる国にしてしまいます。内閣に独裁的権限を与え、国民の反対を押さえ込んで、戦争遂行をより容易に行おうとしています。

日本が戦争のできる国になって、国民がそれに反対する事もできない国になってもいいですか。今回の選挙はその事が問われています。緊急事態条項には、国会議員の任期延長も含まれています。もし与党が多数派となれば、しばらくの間(永久に ? )選挙をしなくて済みます。与党多数という国会の構成が改められるチャンスはなくなります。最悪の場合、今回の選挙が、曲がりなりにも一応民主的な制度の下での最後の選挙になるかもしれません。

安倍自民は、選挙政策で改憲に触れているものの、街頭演説などではこの問題にほとんど触れていません。憲法改正が国民の支持を得られない事を自覚しているようです。しかし、もし選挙で多数派ともなれば、白紙委任されたかのようにやりたい放題振る舞うのは目に見えています。これまでもそうでしたから。

投票に行きましょう。自民党支持者も無党派の方も、「日本が戦争できる国になるのはいやだ」と思われる方は、憲法改正に反対している政党と候補者に投票して下さいm(__)m。立憲民主党は、憲法改正議論は否定しない立場ですが、安倍政権下での9条改正には反対です。棄権や白紙は、現状追認、結果的に与党に有利です。この選挙を、まともだった最後の選挙にしないために。次の世代に平和な日本を受け渡すために。

各党比較

【関連記事・憲法改正問題】
9条改憲賛成という人にこそ知ってほしい、もはや憲法とは言えない自民改憲案の中身。たった一人の判断ですべてをチャラにできる緊急事態条項。
改憲こそが選挙の最大争点。緊急事態条項で日本はアウト。争点隠しするも本音発掘される。
【続編】安倍自民とナチスはそっくり。改正99条が現憲法9条も議会制民主主義も地方自治、基本的人権も破壊する。その2。
安倍自民とナチスはそっくり。報ステが渾身の「緊急事態条項」特集。改正99条が現憲法9条も議会制民主主義も地方自治、基本的人権も破壊する。
報ステが「9条押しつけ論」に反論。憲法制定過程に関する動画・資料を集めてみた。9条だけじゃない、25条生存権も日本側のオリジナル。
「押しつけ憲法論」のでたらめ – 自民党改憲漫画パンフがひどすぎる

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小池百合子はこんな政治家。新党「希望の党」は反自民の旗手か。

希望の党立ち上げ
 9月25日、小池百合子東京都知事は、都内で会見し、新党「希望の党」の立ち上げを発表した。同党の代表に就任するが、都知事としての職務は継続する意向を示した。写真は都庁で撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

小池百合子氏の新党「希望の党」の話題がメディアジャックしている。解散の大義も、もりかけ疑惑も、北朝鮮も吹き飛ばす勢いだ。小池百合子氏の政治理念はどこにあるのか。「希望の党」は野党なのか。反自民の旗手なのか。

小池百合子氏はAI独裁体質。

小池百合子氏の行動パターンは独断専行、独断体質だ。

新党立ち上げ
「(これまでの経過を)リセットいたしまして、私自身が立ち上げる」
国政政党「希望の党」 小池都知事自ら代表

都民ファースト代表交代
小池氏から野田氏への交代は二人で、荒木氏への交代は3人で決めた。この交代劇には、所属都議からも異論が出た。
「都民ファ」また突然の代表交代 所属都議「青天の霹靂」「メールが一本届いたのみ」
都民ファーストまた代表交代

豊洲移転
「人工知能というのは、つまり政策決定者である私が決めたということ」
小池知事の「人工知能、つまり私」発言にネット困惑
小池都知事の「AI(人工知能)」発言のブラックさとは?

問題なのは、これらの独断専行を小池氏自身が、「例外的なやむを得ない措置」とは考えておらず、新党立ち上げを自分の手でと会見した時などには、むしろそれが「強いリーダーの当然の判断」と言わんばかりだった。彼女の頭の中には、民主的手続きと言う概念はないらしい。

小池百合子氏の政治理念。

今回の新党立ち上げで、リベラル色を打ち出して印象操作をしているが、もともとの小池氏の政治理念はどこにあるのか。このブログでも「これでも小池百合子を支持しますか ?。」などで触れて来たが、改めて確認しておきたい。まずは、それほど昔の話ではない2014年の衆議院選 小池百合子候補のアンケート回答。
・憲法9条の改正に賛成
・集団的自衛権の行使に賛成
・「アベノミクス」を評価
・原発は日本に必要
・靖国神社に首相が参拝すること 問題ない
・「村山談話」「河野談話」ヘイトスピーチ規制 いずれも無回答
・特定秘密保護法 必要
・カジノの解禁に賛成 などなど
第47回衆院選 東京10区 小池百合子

画像 ↓ をクリックすると拡大して読めます。
小池氏アンケート

原発問題・核問題
原発ゼロが今回の新党の目玉政策のようだが、これはかなり選挙目当てのリップサービスで、小池氏の本心とはかなり異なる。上記「2014年衆議院選アンケート」でも原発は必要と答えている他、東京電力福島第1原発事故直後に、「稼働中の原発は安全性を総点検した上で運転を続けていいと思います」と発言していた(これが小池百合子氏の発言)。都知事になってからも、東京都は東電の株主なので東電のものを言える立場にありながら何の行動も起こしていない(小池新党「希望の党」が掲げる「原発ゼロ」が20000%大嘘である3つの理由)。

9月28日の記者会見で小池氏は「原発ゼロ」についてかなり微妙なニュアンスで説明した。「2030年までに原発ゼロにするためには行程をどうすればいいか、検討する」という発言だった。はっきりと「原発ゼロにする」という発言ではなかった。この歯切れの悪さは民進=連合の支援欲しさの、しがらみ忖度か。

また、小池氏は核武装論者でもある。
今は削除されてしまったが(都知事選の際その発言を指摘され「捏造」だと開き直ったが捏造ではない)、自身の公式サイトに「日本有事3つのシナリオ」というタイトルの対談記事を乗せていた。その中ではっきりと、「軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうる」と発言している。そのページが削除されているので「魚拓」を掲載しておく。2003年の衆議院選アンケートでは核武装を「国際情勢によっては検討すべきだ」と回答している(安倍政権の閣僚ら「核武装検討」 8人連なる)。都知事選で「非核都市宣言はしたしません。明確にそれを申し上げます」 と発言したのは記憶に新しい。

核武装容認発言

憲法問題・民主主義・在日外国人の権利
小池氏は憲法改正論者でもある。

本日、サンフランシスコ講和条約発効日である4月28日を主権回復記念日として祝日とする議員立法を総務会で承認し、衆議院に提出いたしました。祝日が多すぎるというなら、借り物の憲法記念日5月3日を祝日から外します。

「憲法改正しなければならないし、改正すれば現在の憲法記念日を廃止できる」
https://twitter.com/Bulldog_noh8/status/758091730675609600/video/1

小池知事は、これまで歴代知事が慣例的に行って来た、今年9月1日の「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に都知事名で追悼文を送ることを見送った。「小池知事は同日の記者会見で虐殺事件についての認識を問われ、「全ての方々への哀悼の意を述べさせていただくという気持ちには変わりない」とした上で、「(虐殺の事実は)歴史家がひもとくものではないかと思っている」と述べた。」(関東大震災 朝鮮人犠牲者を追悼 小池都知事を批判 東京)
小池氏は過去にも、朝鮮人学校無償化に反対している。(それだけでなく組合の強い高校にも難癖を付けている)

『朝鮮学校の無償化、首相「法案成立後に判断」』(朝日) それはないでしょ!! 絶対反対! 反日教育を進めている北教組の傘下にある北海道の高校も同類。

庶民の生活
小池氏は、公助より自助努力・自己責任というバリバリの新自由主義の(元)自民党政治家でもある。自身の公式サイト コムネット46号 「自助、共助、公助…順序と比率が重要」ではこう述べていた(このページも現在削除されている)。「自民党の進める政策は、「自ら努力する人を、国が応援する」ことが基本です。子育ても、一義的には家庭でなされるべきものと考えます。自助の精神です」

繰り返される新党立ち上げ、政界再編の離合集散と劇場型政治。

1976年の新自由クラブ以降だろうか、ここ数十年、いくつもの政党ができては消えていった。「日本新党(1992年結成)」以降は特に激しい。その都度、それを何か新しい改革のうねりかのようにメディアは伝えてきた。小池氏自身、日本新党⇒新進党⇒自由党⇒保守党⇒保守クラブ⇒自由民主党と渡り歩き現在都民ファーストの会、希望の党。

2001年4月の自民党総裁選で小泉純一郎氏は「自民党をぶっ潰す」と発言した。自分が所属する政党を自分でぶっつぶすという意味不明な野党的改革派的印象操作のレトリックだった(正確には一応、自民党が「小泉改革に反対するようならば」という付きだったが)。マスメディアが共犯者となって小泉旋風が起こった。橋下維新の大ブームもメディアが作った現象と言っていいだろう。

もう同じ事を何度繰り返すのか。小泉劇場も橋下維新もそうだった。また騙されるの ? こんどは小池劇場に騙されるのか。「選挙戦を前に既成勢力を「敵」に見立てて、自らを改革勢力に位置付けるのは東京都議選でも繰り返された小池氏お得意の手法だ」(小池新党結成 衝撃 選挙の構図、激変)

フランス人記者から見た「新党が次々誕生するのは「新発売好き」だから」という指摘が的を得ているかもしれない(フランス人記者が見た「解散」。安倍首相はコンビニの経営者みたい ←このインタビューは新党問題以外のテーマでも外国人ならではの視点が面白い)。

いろいろときれいごとを言っても結局は「どの風に乗れば当選できるか」が最優先されているとしか思えない。民主党結成時に社会党(社民党)の半分は浮き足立って合流した。こんどは民進党議員が浮き足立って希望に合流しようとしている(現時点で情報が錯綜していて詳細は不明だが合流 ? 吸収 ? そのものは確実なようだ)。結果、対決軸がどんどん右へズレてきた。

新党「希望の党」は、立憲野党の旗手か。

新党「希望の党」結成時に発表された綱領はあまりに抽象的すぎる(希望の党綱領全文)。

一応綱領には「我が党は、立憲主義と民主主義に立脚し」と書かれているが、はたしてそうだろうか。ここに書いて来た小池氏のこれまでの行動や発言を見ているとそれは単なる選挙目当てのカモフラージュに過ぎない。また、中心メンバーに、自民離党組や極右政党こころの議員が参加している事でも明白だろう。「寛容な改革保守政党目指す」という発言にも留意しておきたい。このブログでは何度も書いて来たが、ファシストほど、自らを「改革派」として印象づける。

小池氏は、民進党吸収にあたって、「安全保障と憲法への姿勢重視」と述べた(希望への参加条件、安全保障と憲法への姿勢重視 小池氏)。要するに参加を希望する民進党議員に対して「安保法制賛成」「憲法改正賛成」の踏み絵を踏ませるわけだ。憲法改正については、何でもいいから憲法を改正したいという安倍総理の姿勢を批判してみせたが、「9条改正も改憲論議のポイントの一つとしつつ、「地方分権なども十分に盛り込まれていない」と述べ、9条に限らない議論が必要との考えを示した」。つまり、9条改正もやるし、それ以外の緊急事態条項なども含む憲法改正を目指している。小池氏は「憲法問題は、自民党で議論されている流れでよろしいかと思う」と述べた事もある(<明日を託せるのは誰> (10)憲法)明白な改憲派である。

日本は、自民と希望の保守二大政党制・翼賛政治になって、野党は共産・民進だけになるのであろうか。自民・希望・公明・維新の改憲勢力が2/3を占めるのであろうか。それだけは阻止しなければならない。選挙の争点・対決軸は「自民 VS 希望」ではない。

トップの画像はニューズウィーク「小池都知事、新党「希望の党」代表に 衆院選へ全国規模で候補者擁立」からお借りしました。


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