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橋下徹のトンデモ発言。だが、風俗では性暴力は防げない。軍隊の「力による支配」こそが問題。基地の大幅縮小と地位協定の抜本改正を。

橋下徹の風俗活用発言

タレント弁護士でおおさか維新の会元代表の橋下徹が、沖縄でのレイプ殺人事件(正確には現時点では「死体遺棄事件」)に関連して、またしてもバカなツィートをしている。橋下徹は現実を見る事ができない、論理的思考のできない単なる「ゲス」なのか、世間の注目を集めたい計算ずくの「炎上商法」なのか。

風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。まあこれは言い過ぎたとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかったかも。きれいごとばかり言わず本気で解決策を考えろ!

とりあえずは、当事者である風俗関係者の意見を聞いてみよう。

ルールを守った遊びでは満足出来ないという人物を受け入れることは出来ませんし、風俗街であっても性犯罪は起こっています。

性風俗は性犯罪者予備軍受け入れ施設ではない。性風俗の仕事現場でも、性加害を行う人間はむしろ金を理由に暴力を奮う(原文のまま)。性暴力について貴方こそ学んで下さい

こちらは、橋下氏の最初の発言(2013年)に対する反応。

「性風俗がレイプを阻止している。と当然のように言うのも、いい加減にしてほしい。あたかも”一般の女”を守るために性風俗があるんだ、って正当化しているみたいで聞き苦しい」とツイートしたのは、セクシャリティーやジェンダーに関する著作が多い北原みのり氏(42)。治安を守るためには、男の性欲を解消する役割を一部の女性が担うのが当然といった橋下氏の態度を批判している。

また、デリヘルに勤務する現役風俗嬢の女性は、「わたしたちの仕事は性犯罪の代用品じゃありません」と発言。「わたしはデリヘルやそれに類する性風俗では性犯罪の代わりを果たせないと考えております」「『活用』されても暴力は減らないと思います。性犯罪をしたい人は、店で提供されるような性的サービスを受けたいわけではないからです」などと発言した。
橋下徹「米軍はフーゾクに行け」発言 現役デリヘル嬢が「風俗で性犯罪は減らない」と大反発

これだけでもう十分反論し尽くされた感があるが、もう少し詳しく考えてみよう。(性風俗、セックスワークそのものの是非は様々な意見があるが今回はその問題には立ち入らない)

軍隊が持つ暴力性

暴力装置である軍隊に性暴力はつきもの、だから外部に対してだけでなく軍隊内部での性暴力事件も驚くほど多いという事を前回記事で書いた。軍隊が持つ暴力性について少しリアルな話を補足しておきたい。

元海兵隊員で金武町のキャンプハンセンで訓練を受けベトナム戦争に出兵し多くの殺戮の現場に身を置き帰還後PTSDと闘いながら反戦活動を続け2009年に白血病で逝去した。
ネルソンさんの著書「戦場で心が壊れて」の中から、海兵隊に関する箇所を紹介する。
・まず入隊すると俗世間から切り離すことから始まる。着ているものは全部ぬがされ、下着から制服まで支給品で統一される。全員にあだ名がつけられ訓練中はあだ名で呼ばれる。まず、訓練中は沈黙が強制される。銃や手りゅう弾の使い方ナイフや素手でいかに相手を倒すかすべて人を殺す訓練でした。
・教官は昼でも夜でも、ことあるごとに新兵を整列させ次のように声をはりあげた。「お前たちのしたいことは何だ!?」私たちは「KILL(殺す)」と答えます。教官が「声が小さい!」というので、さらに「KILL」「KILL」と唱和します。「スペルを言え!」「K,I,L,L」「K,I,L,L」ーまるでけだものの叫びのようだった。
・こうして、私たちは洗脳され、殺すこと、そのための暴力を、何とも思わない「機械」になっていきました。
・そんな私たちが、厳しい訓練を終えて、沖縄の町に酒や女を求めて遊びにでるとき、自分の暴力性だけを基地の中において出かけるというようなことはしません。タクシーに乗ったり女性と遊んだりしたとき、料金を請求されても払わず相手を殴りつけることもしばしばでした。街でどんな悪行を働いても基地のゲートをくぐってしまえば、私たちは逮捕されることはなかったのです。
・普通の若者を洗脳し、暴力の機械に改造するのが軍隊なのです。
古堅宗嘉さんのフェイスブック投稿「軍事基地があるいじょう沖縄の若者に未来はないーアレン・ネルソンの言葉」

訓練が終わると、町へ行き、酒を飲み、ケンカをし、女性と遊んだ。タクシーは料金を踏み倒し、要求されるとドライバーを殴り倒した。女性に対しても同様。軍人は暴力的になる訓練を受けており、暴力性を基地の中に置いてはこない。事件が起きると、司令官は謝罪はするが、暴力的行為が訓練の成果として喜んでいる。
アレン・ネルソン講演会 ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」 ~沖縄、イラク、憲法問題を考える~

これはセックスの問題ではなく、力と支配の問題なのです

少し衝撃的な内容だがお付き合いいただきたい。軍隊内部での性暴力の被害者の過半数が男性だという。そしてそれは「セックスの問題ではなく、力と支配の問題」なのだ。

軍隊の文化は、攻撃性と服従性の微妙なバランスの上に成り立っている。そのどちらかが過剰になると、性暴力が発生しやすくなる。そのため、軍に所属する男性は民間人に比べて、レイプされる危険性が10倍にもなるという。新兵は自由意思を剥奪され、上官に抗弁するなどもってのほかだ。将校のなかには、俺の洗濯物を取ってこい、と言うのと同じくらいの気軽さで部下に性行為を強要する者がいる。また兵卒にも、軍の権力構造を使って、兵卒仲間を犯す輩がいる。「レイプ犯はゲイだから男を犯すのだと誤解する人が多いのですが、たいていゲイではないのです。これはセックスの問題ではなく、力と支配の問題なのです」と語るのは、ソルトレイクシティの退役軍人向け医療施設でPTSD(心的外傷後ストレス障害)診療チームに所属する精神分析医ジェイムズ・アズブランドだ。
「男だっていうのに、まさか」とはいうけれど……米軍“レイプ”事情

このサイトに書かれている事例は、まるで「新兵に対するしごき」であり、力による支配を誇示するかのようだ。軍隊内部の暴力的しごきで力関係を見せつけられた兵士は、そのストレスを「敵」にぶつける事で心理的バランスをとる。軍隊内の暴力が兵士をより凶暴にするという事はよく指摘される事だ。それ抜きに、人は何の恨みもない赤の他人を殺す事はできない。
兵士は、「敵」だけでなく、今度は自分も自分よりより弱い者、民間人(特に女性)に暴力を振るう事で、暴力を連鎖させる。より弱い者、上官から新兵、占領者から被占領者、武器を持った軍人から抵抗手段を持たない民間人、男から女へ、(性)暴力が振るわれる。
対象が同性であれ異性であれ、軍隊内部であれ軍隊外の一般人であれ、「力による支配欲」を満たすために性暴力が振るわれる。

 戦争期間中の兵士たちの性行動は、なにゆえに、常にと言っていいほど女性に対する激しい暴力行為という形をとるのであろうか。戦闘で兵士たちが生き残れるかどうかは、敵に対する自分たちの攻撃力と防御力が敵のそれらに勝っているかどうかにかかっている。したがって、自分の命を守るために、敵よりも暴力的にならなければならない。しかし、それは敵にとっても同じことである。そのため、暴力がさらに暴力を強めるという悪循環が起き、その結果、相互に急速に残虐性を強化させていく。一旦戦闘が開始されると、兵士たちはこうした心理的悪循環にまたたく間に落ち込んでいき、自分自身を残虐化することによって人間性を失い、そのため敵兵を非人間化する。自己自身の残虐化と敵兵の非人間化は第三者、例えば非戦闘員である民間人、とくに敵国市民の非人間化へと拡張されていく。このような精神的に極めて荒廃した状況の中で、兵士たちは死の恐怖からの逃避と自己生命の再確認のために性交渉を強く求める。兵士は女性を非人間化し暴力で犯してでもこうした欲望を満たそうとする。戦闘で自己を残虐化し他者を非人間化することに慣れた兵士にとって、女性、とりわけ敵国市民の女性を非人間化し強姦することは心理的にきわめて容易なことである。

「俺が犯した強姦では性的な側面は重要ではなかった。誰かを全く助けのない無力な状況に追い込むことが目的だった。相手を縛り上げ、サルぐつわをはめ、締め上げるというように、相手が嫌がることを俺がやる。それはまさに俺自身が、自分が嫌がることを社会でやらされてきたと感じたからだ。俺は、本当に、どうしようもなく無力だと感じたからだ」

戦闘に参加する兵士たちが特に強く感じるのは、数分先の自分の命がどうなるかわからない、自分で自分の命と運命をコントロールできないという非常に不安な「自己無力感」である。多くの兵士がそのため「支配力」を渇望し、そうした無力感を克服しようと攻撃的な行動に依拠するようになる。それゆえ性行動が彼らの武器となり、その結果として女性の性が破壊される。しかし、そうした形での女性の支配と性的搾取は、精神的に荒廃し衰弱しきった兵士には、ごく瞬間的な解放しかもたらさない。したがって、兵士は自己欺瞞的で一時的な「支配欲強姦」を繰り返し犯し続けなければならないという状況に陥る。日本軍兵士が、激しい戦闘から帰還した時、「慰安婦」や監禁強姦の対象となった女性たちにとりわけ暴力的であったという多くの証言は、まさにこうした兵士の精神状態を如実に表している。兵士たちは、自分が自分の運命の支配者であるということを感じるために、自由を束縛され奴隷化された女性をベッドの上で征服、支配したのであった。
宮地尚子編著『性的支配と歴史』(大月書店)の「第2章 国家と戦時性暴力と男性性――「慰安婦制度」より

 軍隊では「弱さ」を克服するために、様々な訓練を用意している。戦争神経症を研究する中村江里さん(前出)は言う。
「初年兵は私的制裁という名のリンチを兵営で受け、徹底的に痛めつけられます。暴力性は肯定されつつも、上官に歯向かわないように服従を植え付けられます。その一方で、暴力を敵に向かって発露させるよう訓練します。デーヴ・グロスマンの『戦争における「人殺し」の心理学』(2004年、筑摩書房)が有名ですが、あの本の主要な主張というのは、人間はもともと人を殺すことに抵抗感があるんだと。それを乗り越えるためにいろんな訓練をするわけですが、日本の軍隊で一番残酷だったのは、中国で行われていた実的刺突(じってきしとつ)といって、中国人の捕虜を生きたまま木に縛りつけて銃剣で刺し殺す訓練です。日中戦争に従軍した井上俊夫さんが『初めて人を殺す―老日本兵の戦争論』(2005年、岩波現代文庫)の中で実的刺突について書いていますが、最初は抵抗感を持つ兵士たちも、上官から“腰抜け”と言われて暴力をふるわれることを恐れたり、仲間内の競争意識から率先して命令を遂行していく様子が生々しく描かれています。また、その中でこうした『苦難を乗り越えること』=『男らしい』という合理化が行われていることも重要ですね」
 そうやって「人を殺せる」兵士を育て上げて行く。戦時中には暴力が許されるだけでなく、暴力は自らが生き延びるための手段でもある。が、そんな訓練を受けた兵士が戦後、「平和な市民社会」に戻ってくるにあたっての「適応のための訓練・教育」などは一切ない。ある意味で戦後の日本は、軍隊で徹底的に暴力を植え付けられ、トラウマを抱えた男性たちが一斉に「野に放たれた」時代でもあった。軍隊生活から戻ってきた男性たちには、PTSD症状だけではない様々な不調が表れ、アルコール依存や薬物乱用などの嗜癖も見られるようになる。妻や家族への暴力もしばしば見られたということだ。
「男らしさ」と戦争神経症(2)

性暴力は文字通りの「暴力」であるが故、売春婦に対する殺人や暴行が行われる事も少なくない。

なぜ米軍が「風俗の活用」なるものを頑強に拒否するのかといえば、韓国やフィリピンなどで基地周辺の売春婦に対する殺人や暴行などが多発して、そのたびに米軍が窮地に追い込まれたという事実があるからだ。
売春婦なら殺されてもいい、暴行されてもいいというわけにはいかない。
橋下が言ってることは、「殺すんだったら一般の市民ではなく、売春婦を殺せ」というようなものだ。それも本気で。
断言する。橋下が言うように米軍が「風俗の活用」などをすれば、風俗嬢が殺される。
風俗嬢のような弱い立場にある人たちが、世の中の矛盾の犠牲になるという構図は、沖縄という弱い立場にある「植民地」に日本や米国が抱える矛盾がすべて押し付けられる構図に似ているとも思う。
そして、風俗なんだからしょうがない、沖縄なんだからしょうがないと考える人がいるのは残念なことだ。
安田 幸弘さんのフェイスブック投稿より

「ベトナム戦争の頃は、女性が平気で殺されました。金で買っているという差別意識だと思います。殴っても殺してもどうでもいい、という潜在意識がないとできないのではないでしょうか」
「(辺野古で起きた殺人事件5件のうち)4件はホステスさんら女性が被害者でした」
新聞うずみ火 金武・辺野古ルポ 繰り返される米兵の犯罪

前回記事でも紹介した沖縄の女性グループ「基地軍隊を許さない行動する女たち」がまとめた【米兵による戦後沖縄の女性に対する犯罪】1945〜1995によれば、ホステスが米兵に強姦・殺害される事件が多数ある(ホステスと風俗嬢・売春婦は同じではないが女性全般の中でも社会的により弱い立場という意味では共通している)。「強姦」だけでなく「強姦殺人」事件が多い事に注意していただきたい。

風俗関係者が「風俗街であっても性犯罪は起こっています」「性加害を行う人間はむしろ金を理由に暴力を奮う」「性犯罪をしたい人は、店で提供されるような性的サービスを受けたいわけではない」と言っているのは、まさしく実感なのであろう。橋下氏の言うように「風俗を活用」などしたら風俗嬢の犠牲者が増えるだけである。だからこそ、そうした事態が発生する事を恐れた米軍は、少なくとも建前上は買春行為を違法とし、軍法会議の対象にしている。

米兵の性犯罪はなくなりません。軍隊による性暴力は、単なる性欲ではなく、他人を暴力で制圧し、支配することを任務とする本質に根付いているからです。
米軍司令官「凍りついた」理由 買春行為は“違法”、軍法会議の対象 「性風俗活用」問題

性暴力がより弱い者への「力による支配」であるなら、アメリカにとって「血を流してぶんどった島」である沖縄の女性への暴力はなおさらであろう。

口先だけの「再発防止」を何十回言うより、根本原因を断つべき

翁長沖縄県知事がオバマ大統領と直接面会できるよう日本政府に要請した。「日米地位協定の下では日本国の独立は神話であると思いませんか」という翁長知事の発言は当然である。政府側は直接会談には否定的態度を示し、地位協定の改正要求には「相手があること」などと言って消極的であり「運用改善に努める」という立場だ。これははたして日本国民の利益を代表すべき日本政府の取るべき態度だろうか。アメリカと交渉する意志すらないのだろうか。対米隷属・売国的態度というほかない。口先だけの「謝罪」や「再発防止」「綱紀粛正」を何度繰り返しても事態は改善されていない。地位協定の「運用改善」が効果がない事もすでに実証済みである。1995年の少女暴行事件を契機に日米地位協定の運用改善が合意されたが、事件は何度も何度も繰り返されている(前回記事参照)。

うるま市議会、恩納村議会、南風原町議会、那覇市議会などが、いずれも基地の整理・縮小や日米地位協定の抜本的な見直しなどを求める意見書案や抗議決議を全会一致で可決している。24日の現時点で、沖縄では、41市町村のうち、24の議会と県議会で、抗議決議が予定されている。

沖縄県議会では、・普天間飛行場の閉鎖・撤去と県内移設の断念 ・在沖米海兵隊の撤退と米軍基地の大幅な整理縮小 ・地位協定の抜本改定などを含む抗議決議案を26日に可決予定(野党側の決議案でさえ、・普天間飛行場の早急な閉鎖・返還 ・在沖海兵隊の大幅削減と米軍基地の速やかな整理縮小 ・地位協定の抜本改定などを求めている)。

性暴力が軍隊につきものである以上、「風俗の活用」や「地位協定の運用改善」では、性暴力を防止する事はできない。米軍基地撤去(とりあえず海兵隊の撤退)、最低でも地位協定の抜本改正しか、それを防ぐ方法はない。

・今回の記事はこちらのサイトを参考にさせていただきました。画像は橋下氏のツイッターのキャプチャー。

【関連記事】
またしても元米兵によるレイプ殺人事件。何回繰り返されるのか、いつまで悲劇を沖縄に押し付けるのか。
沖縄での米兵によるレイプ事件。二重三重の差別構造。
和解からわずか3日で是正指示。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因。新基地建設の理由がない。
辺野古新基地、国と県が和解。しかし国は「辺野古が唯一の解決策」という姿勢を崩さず。- 米軍は何度も撤退を検討。それを押しとどめてきたのは日本側。
【普天間・辺野古問題】安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける。
宜野湾市長選の最大の争点 辺野古移設が唯一の解決策か
1997年5月15日、沖縄・伊江島の反戦地主は、基地ゲート前で餅をつきカチャーシーを踊った。
秋には集団的自衛権行使、自衛隊にも戦死・戦傷者 PTSD対策も – 戦争は兵士に何をもたらすのか
2015大阪W選挙 嘘つきはファシズムの始まり

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【6/24追記】

レイプが発生するのは、たんなる性処理の問題ではなく、軍隊が抱える構造的な問題が原因だからだ。
 アメリカンユニバーシティの人類学准教授であるデイヴィッド・ヴァイン氏が、6年にわたって世界12の国と属領などの現在と過去の60にのぼる米軍基地を調査したレポート『米軍基地がやってきたこと』(原書房)では、在外基地の周辺で起こっている米兵を相手にした人身売買や売春などの実態を綴っているが、そのなかでも沖縄において兵士によるレイプや性的暴行事件が多発していることに言及。また同時に、女性軍人の3人に1人が在籍期間中にレイプ被害に遭っていたというデータ(2003年調査)などから、なぜ米軍では性的犯罪が常態化してしまうのか、その理由として軍隊内が“不自然な環境”であることを挙げる。
〈基地の男性と基地村の女性ならわかることだが、彼らがいるのはきわめて“不自然な”環境だ。それは人間(その大半が男性の軍士官と政府高官)が長い時間をかけてひとつひとつの決断を積み重ね、つくりあげてきたものだ。そうした決断の連続が男性優位の軍環境をつくりだし、そのなかで目に入る女性は、圧倒的にひとつの役割を求められるだけの存在となっていった。その役割がセックスだ〉
 そして、軍事主義のジェンダー分析の第一人者であるシンシア・エンローが指摘する「軍事化された男性性」が、米軍内部でいかに形成されているかを、こう綴る。
〈軍にとって最も難しいのは、人に人を殺せと教え込むことであり、それを教え込むには、他人が自分より「劣る」生き物だという考え方を吹き込んで、周囲の人間は人間ではないと思わせることだという研究結果がある。(中略)軍の訓練と軍の日常生活の文化によって助長される、周囲の人間など人間ではないという観念の中心となるのが女性蔑視──女性は男性より劣るという考え方だ。軍の組織ぐるみの売買春は、女性など人間ではないと思わせる重要な装置であり、その考え方を不滅のものにするのが、軍事化された男性性だ〉
 沖縄ではなぜ兵士がレイプや性的暴行事件を繰り返し起こすのか──それは橋下氏の言うような「猛者」だからではない、そのように“教育”されているからなのである。
リテラ 沖縄米軍属の事件にも冷淡な態度の安倍首相…一方で米大学准教授がレイプ事件は基地があれば必然的に起きると指摘

【2017 7/9追記】
フィクションと実相


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またしても元米兵によるレイプ殺人事件。何回繰り返されるのか、いつまで悲劇を沖縄に押し付けるのか。

米軍故の事件事故

沖縄県うるま市の女性が行方不明になっていた事件は、最悪の結果になった。
またしても、米軍軍属(元海兵隊員)による事件だ。

「日本人には指一本触れさせない」「国民の生命と安全、安心を守る」はずではなかったのか

公開捜査されていたうるま市の女性不明事件は、5月19日、「死体遺棄で元海兵隊員を逮捕」と報道された。
こんな事がいつまで続く(怒)。日本は、沖縄は植民地か。
「日本人には指一本触れさせない」と大見得を切ったのはどこの国の「最高責任者」だ !? 言うべき相手が違うだろ。
三権分立を理解できなくて都合のいい時だけ自分の事を「最高責任者」などと言うより、こういう時にこそ「責任者」としてやるべき事があるはずだ。

琉球新報【号外】女性遺体発見、死体遺棄で元海兵隊員を逮捕 2016年5月19日 17:00
 うるま市大田の会社員Sさん(原文では本名)が4月28日から行方不明になっている件で、県警は19日午後、重要参考人として任意で事情を聴いていた元海兵隊員の米軍属の男(32)=与那原町与那原=を死体遺棄容疑で緊急逮捕した。男の供述に基づき、本島北部で女性の遺体を発見した。県警は遺体がSさんかどうかの確認を進めている。
 県警は、男の車両の通行記録が島袋さんの失踪した時間帯、場所と重なることなどから、16日から任意で事情を聴いていた。男は当初、関与を否定していたが、18日に男が任意で提出した車両の内部からSさんのDNAが検出され、19日に容疑を認めた。
 捜査関係者によると男は元米海兵隊員で、現在は米軍嘉手納基地で働いているという。
 Sさんは、4月28日午後8時ごろ、同居していた交際中の男性に「ウオーキングしてくる」などと連絡を残して以降、行方が分からなくなっていた。
 男性が29日午前2時ごろ、無料通信アプリLINE(ライン)で「今から帰る」などと送信するとSさんの携帯電話から既読となったが返信はなく、連絡がつかなくなった。
 Sさんは、自宅に財布や車を残していた。県警は事件に巻き込まれた恐れもあるとみて捜査を続けていた。
 軍属の男は基地外に居住している。

生きていて欲しい、元気でいる証が欲しいという願いが叶う事なく、遺体が発見され、「遺体遺棄事件」となり、最悪の結末となった。
さらに今日5/21になって性的暴行目的と報道され、米軍関係者(元海兵隊員で現在は米軍の嘉手納空軍基地で働く軍属)による性的暴行・殺害事件である事は確定的となった(注1)。

米軍属、乱暴目的と供述 「刃物で刺した」 女性遺棄事件
米軍属、わいせつ目的と供述「暴行し刺した」 沖縄女性遺棄事件
元米兵「刺して殺害」 性的暴行認める 女性遺棄容疑

いつまで続く植民地的事件、「軍隊のない 悲劇のない平和な島を返してください」の願い届かず

以前の記事でも書いたが、今年(2016年)3月にも米兵による女性暴行事件が起きたばかりだ(注1)。
今回の被害者がちょうど生まれた頃、20年前にも米兵による少女暴行事件が起きた。その事件をきっかけとして、沖縄の反基地感情が高まり、今日の「普天間移設問題」の始まりとなった。
その時の「私たちに静かな沖縄を返してください 軍隊のない 悲劇のない平和な島を返してください」という願いはいまだかなえられていない。

米兵による事件・事故は、71年前米軍が沖縄に上陸して以来、後を絶たない。
1995年の少女暴行事件の前にも、米軍による事件・事故が相次いだ。

1987年には貨物船が誤爆され乗組員が片腕切断の重傷を負う事件や走行中のタクシーに実弾が撃ち込まれる事件が発生した。
この時「「We are not Your TARGET! 我々は標的ではない」というスローガンが掲げられ、そのスローガンは後の恩納村での「都市型戦闘訓練施設」反対運動(1988〜92年)に引き継がれた。
90年1月 民家に弾薬トレーラーが激突
91年6月 殺人事件
91年10月 民間車両に米兵が空砲を発砲
92年1月 米兵による強盗事件、犯人は基地内から逃走
93年4月 米兵による殺人事件
93年5月 女性暴行事件、犯人は民間機で本国へ逃亡
93年11月 傷害事件
94年7月 女性暴行事件
94年8月 強盗殺人事件
95年5月 海兵隊員が日本人女性を殴打殺害
そして95年9月 米兵による少女暴行事件
この他に書ききれないほどの、墜落、ニアミス、緊急着陸、パラシュート降下・物資投下ミス、演習による山林火災、燃料・廃油・有害物質・土砂の流出、交通事故等が存在する。

沖縄の女性グループ「基地軍隊を許さない行動する女たち」がまとめた【米兵による戦後沖縄の女性に対する犯罪】1945〜1995

復帰後、沖縄米軍人・軍属による凶悪犯罪は574件 1964~68年の5年間の米軍人・軍属による犯罪発生件数は5367件で、そのうち凶悪犯罪は504件

本土復帰後 沖縄米軍関係者の刑法犯罪の検挙件数5862件 凶悪事件571件検挙

女性暴行8割逮捕せず 米兵凶悪犯罪

■沖縄での米兵・米軍属による主な凶悪犯罪

 1955・9・3 「由美子ちゃん事件」
   72・9・20 キャンプ・ハンセンで米兵が日本人従業員を射殺
   73・4・12 ブルービーチで演習中の戦車が女性をひき殺す
   83・2・23 キャンプ・ハンセン内で米兵が日本人タクシー運転手を刺殺
   85・1・15 海兵隊員が金武町の民家に侵入し男性を刺殺
   95・5・10 海兵隊員が宜野湾市の住宅で女性を殴り殺害
      9・4 海兵隊員3人が買い物帰りの少女を拉致し暴行
 2000・7・3 海兵隊員が民家に侵入。就寝中の女子中学生にわいせつ行為
   01・1・9 海兵隊員が女子高校生に強制わいせつ
      6・29 北谷町で在沖米空軍隊員が婦女暴行
   03・5・25 海兵隊員が金武町で女性の顔を殴り暴行
   04・8・22 軍属が北谷町の民家に侵入し女性を暴行
   05・7・3 在沖米空軍隊員が沖縄市で小学生に強制わいせつ
   07・10・1 米兵親族が沖縄市内で女性従業員の顔をビール瓶で殴り性的暴行致傷
   08・2・10 海兵隊員が北谷町で女子中学生を暴行
   10・8・4 海兵隊員が民家に侵入し強制わいせつ致傷
   12・8・18 海兵隊員が那覇市で強制わいせつ致傷
     10・16 沖縄県中部で海軍兵2人が帰宅途中の女性に性的暴行
   15・7・30 海兵隊員が北谷町のスーパー駐車場で女性の顔面を数回殴り負傷させる
   16・3・13 米海軍1等水兵が那覇市内のビジネスホテルで女性を暴行

しんぶん赤旗【5/20付「また米軍」「ひどい」絶対許せない 沖縄女性遺体遺棄 静かな住宅街衝撃】より

反基地感情の高まりを恐れた米軍が一部撤退や地位協定の改定を検討した(注2)という1995年の事件以降でさえ、何度も重大事件が繰り返されている。その都度、再発防止策や綱紀粛正が言われるが実効性のある対策がとられる事はなく、事件は何度も繰り返される。まるで植民地のような事件はいつまで繰り返されるのだろうか。

根底にあるのは日本という国の対米隷属姿勢、全国民が怒るべき事件

なぜこうした事が繰り返されるのか、「そこに米軍が存在するから」と言うほかない。なんども再発防止策が練られてもまた再発するという事はそういう事だ。
そもそも、外国軍隊が駐留し、特権的地位を持っている状態はとても独立国とは言えない。マスメディアはその事に触れないが、普通の感覚では「外国軍が特権的地位にある」状態は国の正常な状態とは思えない。それは植民地だ。
米兵が事件を起こした時の被疑者の扱いが米兵側に有利(注3)というだけでなく、「日米地位協定」そのものが、他の同盟国と比べても極めて不平等だ(注4)。

日米地位協定が米軍に特権的地位を与えているだけではない。日本政府は「日米安保条約」「日米地位協定」の枠内であってもギリギリの線まで日本側の主権を主張しているか。そうではない。むしろアメリカにおもねり自発的に隷属している。さらには条約上支出義務のない「思いやり予算」を、これまた他の同盟国と比べても著しく突出して支出している。首都の空の管制圏を外国に譲り渡したままの独立国などあり得るだろうか。首都のど真ん中赤坂に米軍基地があり、首都圏に横田、横須賀、厚木のような米軍基地を置かせていて独立国と言えるだろうか。

本来軍隊は「敵を殲滅する」事を使命とする暴力装置であり、内部に対しても暴力を持ってしてでも上官の命令に従わせるという暴力構造だ。その暴力指向が外部に漏れ出ない訳がない。まして外国軍ならなおさらである。
特権的地位を与えられた外国軍隊が、さらに相手国から甘やかされて、相手国と対等平等な関係など築けるはずがない。「駐留」自体が一種の「占領」行為の延長だというのに。
現象的には「沖縄の問題」のように見えるが、これは日本国民全体の問題でもある。沖縄だけでなく、例えば沖縄に次いで米軍基地の多い神奈川でも米兵による殺人事件も起きている(注5)。他の米軍所在地でも事件、事故は起きている。

もちろん、日本全土の0.6%の面積にすぎない沖縄県に在日米軍専用施設の74%が集中し、県土面積の10.4%(沖縄本島18.8%)を米軍基地が占めているという現状では、米軍基地の矛盾は沖縄に集中して表れる。本島面積の約2割が米軍基地で、基地内に住居はもちろん、学校・教会・スーパーマーケット、レクレーション施設などが存在するとなると、そこはもはやアウェイではなくホームだ。アウェイに「居させてもらっている」という緊張感など米兵にあろうはずがない。本来は日本国民全体の問題であるにも関わらず、これだけの件数と頻度を沖縄に押し付けてきたのは、ヤマトの1人として申し訳なく思う。

沖縄で事件後すぐに「米軍基地撤去」の声が上がったのも当然の事だ(注6)。「米軍基地撤去」以外に有効な再発防止策があるなら教えて欲しい。そして直ちにそれを実行してもらいたい。しかし、何度悲しい事件が起きても再発を防止する事はできなかったではないか。

右翼・左翼、保守・革新の問題ではない。それを政争の具にしたのは与党自民党

沖縄での度重なる米軍による凶悪犯罪、事件・事故にたいしての抗議行動や各議会の抗議決議は、時として超党派、全会一致で行われる。身内が犠牲者となった場合の悲しみや憤りに、イデオロギーは関係ない(注7)。そしてその原因が「基地」にあるなら、保革の枠を超えて反基地感情が渦巻くのは当然の事である。「軍隊のない 悲劇のない平和な島を返してください」という願いは思想信条の違いを超えた県民共通の願いであった。
「オール沖縄」「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけません)」「イデオロギーよりアイデンティティー」は、基地被害に苦しむ沖縄では当然の事であった。県民総ぐるみの感情に分裂を持ち込み政争の具としたのは政権与党、自民党。自民党本部が県選出の自民党国会議員を恫喝して公約破棄、辺野古移設を容認させたのはその象徴だ(公約を撤回する議員も問題だが)。

沖縄に米軍基地を集中させ、米軍被害を防ぐ有効な対策を講じてこなかった責任は与党自民党にある。県民の怒りの声が政権に向かうのを恐れて、様々な分断策を沖縄に持ち込んだ。また、今回の事件に関しても少しでも事件の影響を小さく見せようとするデマやねつ造、非論理的な議論がある。いちいち反論するのもバカバカしいものも多いが、いい加減な見解が広がるのを黙って見ている訳にもいかない。

そのひとつは、犯罪比率についてのデマである。米兵が犯す犯罪の確率より沖縄県民が犯罪を犯す確率の方が高いというものである。「しかしこれは米軍関係者が基地内で犯したものは含んでいない。基地内に住む米兵が基地外にいる時間はせいぜい週末の数時間で、圧倒的大部分である基地内での犯罪は暗数として見えないのだ (<社説>犯罪率比較のうそ 悪意の込もった中傷だ 【誤解だらけの沖縄基地】(14)米兵による犯罪発生率 県民と比較できるか?、沖縄タイムス 注)沖縄タイムスのオリジナルの記事は一般公開期間が終了している)」。つまり沖縄県民が24時間365日の間に犯す犯罪より、米兵が週末に犯す犯罪の方が少なくて当然だ。

また、政府関係者が「個人の問題にするしかない」と発言した事を受けてか、ネット上には「個人間の問題であって基地撤去になぜ結びつけるのかわからない」という意見もある。だが、問題なのは米軍の「軍人・軍属」の犯行である。非軍人である民間人の犯罪ではない。そして、その米軍故の犯罪が、何度も何度も何度も、その都度再発防止だの綱紀粛正だのと言われながらも、決してなくならない歴史を無視した意見と言わなければならない。「もうこれ以上我慢できない」というのが民意だ。
同じような意見として「在日韓国人が犯罪を犯したら韓国人は出て行けというのか」「在日外国人が犯罪を犯したら外国人受け入れを拒否するのか」という意見も、民間人と軍人の違いを無視し、さらに沖縄の歴史を無視した暴論だ。それこそそれらの事件は「個人」の犯罪にすぎない。さらに米軍の駐留が必要かどうかも問題だ。米軍が居なければ米兵の犯罪はゼロ。外国軍の駐留は必要か不必要か政治的・政策的に決定すべき事柄だが、在日外国人の存在は必要か不必要かを決定すべき事柄ではない。ヘイトスピーチ規制法が理念が曖昧な点に乗じた悪のり宣伝だ。

今回の事件は、たまたまある組織(米軍)の一員である一個人が行った個人的犯罪ではない。軍隊は性暴力に直結している。命令には絶対服従である軍隊は基本的に上官から部下への暴力装置。それは男性からより弱い立場の女性への暴力装置でもある。軍隊内部での性暴力は著しく多い(注8)。軍隊内部でさえそうであるなら、アメリカにとって「血を流してぶんどった島」である沖縄の女性への暴力はなおさらであろう。沖縄での米兵による性暴力の歴史がそれを証明している。

「自衛隊員が海外で犯罪を犯した場合、現地の法律で裁かれてもいいのか」という意見については、その感覚すら疑う。まさか、特権を主張するつもりなのか。自衛隊員であろうと民間人であろうと、「海外で犯罪を犯した場合、現地の法律で裁かれる」。その覚悟なしに自衛隊を海外に出すつもりなのか。というより、自衛隊を海外に出すべきではない。

容疑者の姓が「シンザト(新里)」である事から、ウチナンチュ同士の問題ではないのか、という意見についてはちゃんと調べてから発言しろと言いたい。容疑者はニューヨーク州の出身のアメリカ人で、県人女性と結婚した後、妻の名字であるシンザトを名乗った (米軍属女性遺棄 海兵隊で調達担当か 結婚後「シンザト」名乗る)。しかし、より重要な事は、ウチナンチュであるかどうかより、「軍人・軍属」であるかどうかだ。問題は、「米軍故の犯罪」だ。容疑者は軍属の中でも地位協定適用の“特権”が受けられるSOFAと呼ばれる地位を与えられていた (遺体遺棄事件:沖縄県警「地位協定の壁なし」 だが一歩間違えば…)。

人の命より政局や選挙を優先する自民党、安倍官邸に忖度する一部本土メディア

事件直後の日本政府の狼狽ぶりは、目に余るものがある。事件の輪郭が明白になった直後に見解を問われた安倍総理はノーコメントであった。「国民を守る」という威勢のいい発言はウソだったのか。「苦労が水の泡」だの「容疑者個人の問題にするしかない」だのという不謹慎な発言も飛び出した。オバマ氏の広島訪問や県議選、参議院選挙を控え「タイミング的にまずい」という発言もあった。犯罪に「最高のタイミング」などあるのか。
そのような不謹慎な発言をする者たちは、被害者の無念、遺族や関係者の悲しみと憤りを思いやる気持ちがないのか。

さらに、一部本土メディアは、事件を少しでも小さく見せようとする政府官邸に忖度して、事の本質を曖昧にしようとしている。もともと沖縄と本土には温度差があると言われてきたが、それだけではなく、意図的に政権をかばう姿勢を露骨に出してきたメディアもある。

沖縄の米軍女性殺害事件で本土マスコミが安倍官邸に異常な忖度! 読売は「米軍属」の事実を一切報道せず
 沖縄の警察当局は通常、米軍が絡む事件には異常に神経を使い、慎重に慎重を期して捜査を進める。これまで事情聴取段階で情報が漏れることなどあり得なかった。
 ところが、琉球新報の記事には「捜査関係者」の情報であることが明記されており、明らかに捜査していた沖縄県警から情報が流れていた。これはなぜか。
「沖縄県警はすでに、事情聴取段階で相当な証拠を固めていた。ところが、県警内部で、捜査に圧力がかかっていたようなんです。安倍官邸の意向を忖度した県警上層部が『オバマ大統領の訪日前でタイミングが悪すぎる』と、言いだしていた。それで、このままだと、捜査を潰されてしまう、と危惧した現場の捜査関係者が琉球新報にリークしたということらしい。つまり、新聞に報道をさせて、既成事実化して、一気に逮捕に持って行こう、と」(在沖縄メディア記者)
 実際、この琉球新報のスクープは「沖縄タイムス」も後追い。沖縄では一気に報道が広がっていった。
 ところが、である、“本土”の新聞・テレビはこの沖縄での大きな動きがあってもなかなか動こうとしなかったのだ。
 実は、「琉球新報」の報道の後、全国紙やテレビ局も18日の昼までには、沖縄県警に当たって、この事情聴取情報を確認していた。しかし、新聞は夕刊では報道せず、テレビも午後の段階ではまだ一部のニュースが「米軍関係者が関与していた可能性」をほのめかしただけだった。
「万が一、参考人聴取だけで終わったら、安倍官邸、安倍応援団からどんな嫌がらせをされるかわからない、そのことを恐れたんでしょう。どの社も上からストップがかかったようです」(全国紙社会部記者)
 その後、18日夜になって、逮捕が確定的になったため、ようやく全国紙、テレビ局も19日から一斉に「米軍関係者が事情聴取」「米軍属の男が捜査線上に」と報道し始める(引用者注9)。
 しかし、驚いたことに、それでも頑として米軍関係者の存在に一切触れなかった新聞社がある。読売新聞と日経新聞(全国版)だ。
 とくに異常だったのが、国内最大の発行部数を誇る読売新聞で、19日付朝刊に「沖縄で20歳女性行方不明」というごく小さい見出しで「何らかの事件に巻き込まれたとして、公開捜査を進めている」と書いただけ。「米軍」のべの字も書いていなかった。
 他紙が“軍属の男を事情聴取”と報じるとともに、島袋さんの自宅近くで携帯電話の位置情報が最後に確認されており、県警が周辺の通行車両の記録などを調べたところ軍属の男が浮上したなどと、関与の疑惑のディティールまで報じていたにもかかわらず、である。
 しかも、不可解だったのは、読売新聞がこの事件そのものをこれまで全く報じてこなかったことだ。事件が公開捜査になったのは実に12日のことだ。ところが、読売はこの間、一切事件に触れず、それから一週間経って、他紙が「事情聴取」を書いた19日に、なぜか「公開捜査」を小さいニュースにしたのである。
 そして、日経新聞がようやく米軍関係者の関与を書いた19日夕刊でも、読売は一切書いていない。これが本当に新聞というメディアなのだろうか。そんなことを感じるくらいの異常さである。

沖縄・米軍属の事件を「封じる」と問題発言!『報ステ』後藤謙次に共同通信時代、大物政治家の追及を封じた過去
米軍属男性の逮捕を報じた『報ステ』では、富川悠太キャスターや取材記者が「政府は事件のことよりも選挙を気にしているのでは」「大きな事件と認めたくないという冷たい印象」「なぜこの事件が起きたかを考えるべき」と言及するなど、政府の対応に批判的な見方だった。コメントを求められた後藤氏も、最初は「政府は早急にアメリカ政府に対して厳重抗議をするべき」ともっともなことを述べていたが、しかし、コメントの最後にはこんなことを言い出した。
「必ず明日の朝から大きな怒りの炎が沖縄全土に広がるんではないか。となると、あらためて沖縄の怒りが日本外交、政府の政治全体を大きく揺さぶると。その前に政府は果敢に動くことが、とても大切なことだと思うんですね」
 外交や政治問題に波及する前に政府は「果敢に」動くべき。これだけだと前半のコメントから考えて、アメリカに対して強く出ろと言っているようにも聞こえる。だが、このあと番組中に岸田文雄外相とケネディ駐日米大使の会談が開かれるという速報が入ったとき、ついに後藤氏は本性を露わにした。
「政府はやっぱり早く初動しようということだと思うんですね。この問題を封じるということだと思うんですね」
 後藤氏が「政府は果敢に動くことが大切」と述べていたことの真意は「問題を封じる」こと、つまり事件への怒りの声が沖縄で広がり、外交や政治問題へと発展する前に、政府は事件を「封じ」るべきと述べたのだ。
 ひとりの女性が亡くなっているこの重大な問題を、なかったことにするべき──。これはもはや「暴言」と言ってもいいコメントだ。

安倍政権とマスメディアの癒着、腐敗は極限状態と言ってもいい。彼らが恐れている通り、沖縄県議選、参議院選挙で国民の明白な意思を表明すべき時だ。安倍政権を退陣に追い込む事ができなければこの国の未来が危ない。次の世代に申し訳がないと思う。

・画像は琉球新報記事より。

続きはこちら 橋下徹のトンデモ発言。だが、風俗では性暴力は防げない。軍隊の「力による支配」こそが問題。基地の大幅縮小と地位協定の抜本改正を。

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・注1
3月の事件の際も「被害者側に落ち度があったのではないか」という被害者バッシングが行われた。それを恐れて泣き寝入りをする件数も相当数に上ると想像される。公表される事件件数は氷山の一角にすぎない。
今回もまた、被害者に対する陰湿なバッシングがネット上にはある。亡くなった被害者に対する陰湿なバッシングは許されるものではない。

・注2

琉球新報 米軍の沖縄駐留、日本政府の意向 モンデール氏証言
県民の怒りは当然のもので、私もその怒りを共有していた。(事件から)数日のうちに米軍は沖縄から撤退すべきか、最低でもプレゼンス(存在)を大幅に減らすか、米兵事件に対する起訴に関して日本側に多くの権限を与えるようすべきかという議論に発展した。

・注3

遺体遺棄事件:沖縄県警「地位協定の壁なし」 だが一歩間違えば…
 在日米軍司令部によると、男は軍属の中でも地位協定適用の“特権”が受けられるSOFAと呼ばれる地位を与えられていた。雇用契約によって同協定の適用を受けない「軍属」がいる中で、SOFAは「法制度上は限りなく軍人に近い保護」(日本人基地従業員)を受ける立場だ。
 日米地位協定17条は第1次裁判権について、米軍人・軍属の公務中に起こした犯罪は米国にあり、公務外の場合は日本にあると定める。だが公務外でも、米側が先に身柄を確保すれば原則起訴まで日本側に引き渡されない。
 今回は公務外だったことに加え、米側の確保前に県警が身柄を押さえたため「壁」はなくなった。だが一歩違えば、地位協定を盾に米側が男の身柄を確保し引き渡さない可能性もあった。

被疑者の扱いだけでなく、賠償金でも。報道ステーションが報じたところによれば、米軍の事件、事故の賠償金6.4億円超を日本が負担しているという。一例としてあげられたのは、米兵に対して3663万円賠償命令が出た事件で日本が3107万円(85%)を負担したというもの。国民の税金がこんな事にも使われているのか。

・注4
日米地位協定の不平等が続く限り米兵の犯罪はなくならない
日米地位協定の改定を求めて -日弁連からの提言-
日米地位協定:法治国家での治外法権
本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 「戦後再発見」双書 レビュー

・注5
横須賀強盗殺人米兵事件
米軍にレイプされた女性が告発「日本政府は『米兵は日本人をレイプすべきだ』と言っている」
米兵犯罪ゼロへ 犯罪被害者・ジェーンさんが集会
2008年米兵によるタクシー運転手殺害事件、2006年少女2人への殺人未遂事件、2006年強盗殺人事件、など。

・注6
16の女性団体「全ての基地撤去を」 沖縄・米軍属女性死体遺棄事件
「沖縄の全基地撤去せよ」 嘉手納基地前、怒りの訴え
「基地をなくして」怒りの声 元米兵逮捕で抗議行動
「全基地撤去を」 抗議の波、全県に拡大 米軍属女性遺棄事件
野党国会議員が米総領事に抗議 米軍属女性死体遺棄事件
基地撤去「思い理解」翁長知事 米軍属事件
副知事、全米軍基地撤去に言及 「民意無視できず」
<社説>「殺害」示唆 植民地扱いは限界だ 許されない問題の矮小化
<社説>米軍属女性死体遺棄 日米両政府に責任 防止策は基地撤去しかない
社説[不明女性遺体で発見]米軍がらみ 最悪の結末

・注7
かつては自民党に所属し、現在はおおさか維新の会所属の国会議員である下地幹郎氏は自身のfacebookにこう書いている。

今回のことについてまず優先されるべきは、オバマ大統領は広島訪問の前に沖縄を訪れお詫びをし、今後二度とこのような悲劇を繰り返さないことをアメリカのトップとして県民に謝罪と約束をすることです。
このことをやらなければ、残念ですがオバマ大統領が広島を訪れ、核のない世界を作りたいというスピーチも感動を生まないし、だれも耳を貸さないものになるでしょう。
また、オバマ大統領の広島訪問を政治家としての成果にしたいと思っていた安倍首相の思いもまったく意味をもたないものになるでしょう。
安倍さんが本気でこの問題をとらえるならば、オバマ大統領にまずサミットに入る前に沖縄入りを果たしてもらってサミットに入る。このことをやらなければいけない。
2点目には、県議会は、県議会の抗議決議だけではなくて、条例を制定し、この問題が解決できるまでは、たとえば米軍車両の県道への立ち入り禁止であったり、水道の恒久停止であったりだとか、それぐらいのことを本気でやらなければ、このような問題は、また繰り返されるでしょう。
日米地位協定を国が変えない以上は、自分たちでやらなければならない。しかし、今までのような、抗議、抗議の連続では意味がありません。
今までやったことのないことをどこまでできるかが、翁長県政のポイントになってきます。
これは過激ではなく、当たり前のことです。
下地 ミキオ氏のfacebook投稿

また保守系の政治家である島袋俊夫うるま市長目に涙を浮かべて時折声を詰まらせながら、「心から安心して住める町づくりが行政の務めであり、国の務めでもある。安全、安心な町づくりの確保を強く求めたい」と強く抗議した。
うるま市長、涙の抗議 沖縄大使に「町の安心は国の務め」 米軍属事件

・注8
27分ごとに発生する米兵の性暴力で女性兵士の3割がレイプ被害 – 軍隊は女性も住民も兵士自身も守らない
アメリカ軍女性兵士のレイプ事件が多発!女性兵は「慰安婦」代わり
イスラエル女性兵士の81%は軍内性暴力の被害者に-イスラエルメディア
アメリカ軍内の性的暴行に関する、アメリカ国防総省の新たな報告
「米軍内では性犯罪告発への報復が常態化している」レイプ犯罪の被害にあった元海兵隊員|AP通信
アメリカ副大統領が、軍における性的逸脱を支持
ヒューマンライツウォッチ、アメリカ軍の性的暴行の告発者の状況に懸念を表明
3時間ごとに発生する市民への米兵の性暴力、対テロ戦争の犯罪性に連動、少女暴行事件から21年目の沖縄女性死体遺棄、米軍基地ある限り犯罪続く

・注9
琉球新報が報じたのは18日午前、18日夕方には沖縄タイムス、毎日新聞といくつかのテレビ局が報道している。
女性不明 米軍関係者を聴取 県警、新たな写真公開 琉球新報 2016年5月18日 10:52
沖縄うるま市の女性不明 米軍関係者を任意で聴取 テレ朝 (2016/05/18 18:14)
沖縄の20歳女性不明、在日米軍軍属の男性聴取 JNN 2016年5月18日(水) 18時53分掲載
沖縄女性不明 米軍関係者聴取 毎日新聞2016年5月18日18時57分
20歳女性不明で米軍関係者を聴取 沖縄・うるま市 沖縄タイムス 2016年5月18日 18:59
沖縄・うるま市20歳女性不明 米軍関係者の男から聴取 FNN 05/18 19:12
うるま市女性不明 米軍軍属の男性から聴取 日テレ 2016年5月18日 19:26

【5/22追記】参考

特別評論 守れなかった命 第2の容疑者は日米政府 オバマ氏は沖縄で直接謝罪を  編集局報道本部長・松元剛
被害者にたむけるために花を購入した花屋の女性店主が「私の思いも届けて」と倍の花を包んでくれた。店主は「基地は仕方ないと思っていたが、基地があるから犠牲者が出る。考えを改めないといけないですね」と声を詰まらせた。
沖縄は日米の植民地ではない。私たちには、子や孫の世代に新たな犠牲者を出す構造を立ち切る責務があり、「第3の容疑者」になることを拒む。そのために立ち上がるべき時が来ている。

軍隊は構造的な暴力装置。軍隊内部でのレイプ事件も後を絶たない。そればかりか、告発への報復が常態化している。2013年5月31日、米AP通信は『ビッグ・ストーリー』と題して、米軍内での性暴力犯罪に焦点を当てたある被害者への単独インタビューを記事にした。その被害者は14年前、日本国内の海兵隊基地(翻訳後、沖縄と判明)に配属された時に性暴力の被害に遭い、その後除隊を余儀なくされた。三児の母となった32歳の被害者は14年後、軍に対する状況改善の圧力が高まる中で行動を起こすことを決意した。これは、その3年後の2016年5月に起きた沖縄婦女殺害事件を受け、米軍内の性暴力の闇を明らかにすべく、その闘いの軌跡を追った3年前のAP通信の記事を邦訳したものである。

【日英併記】2013.05.31「米軍内では性犯罪告発への報復が常態化している」レイプ犯罪の被害にあった元海兵隊員|AP通信
国防総省が今月まとめた報告では、米軍内で性的暴行の被害に遭った被害者の62%が、何らかの報復に遭っているとした。
米軍内の性暴力の深刻さは、今月初めの国防総省の発表により明らかにされた。昨年〔2012年〕の一年で、2万6000人もの米軍関係者が性暴力の被害に遭っ ており、その内数千に及ぶ被害者らが、新たな監視プログラムや支援プログラムが導入されても、表に出さないでいたことが明らかになった。2011年に推計された性暴力被害の数字は、1万9000件だった。
報告された性犯罪は3,374件のみで、立件されたのはわずか238件だった。

<社説>全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え
社説[米軍属暴行殺害供述]再発防止策は破綻した
社説[女性遺棄事件]声上げ立ち上がる時だ
「米軍いる限り事件防げぬ」 大田元県知事、全基地撤去訴え
沖縄米兵、酒気帯び運転容疑で逮捕 綱紀粛正誓ったが…


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