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自民・桜田議員が慰安婦は「職業としての売春婦」と発言 – 研究者は「強制性はあった」、しかも当時慰安婦制度があったのは日本とドイツだけ

自民党の桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)

自民・桜田議員が慰安婦は「職業としての売春婦」と発言 – 研究者は「強制性はあった」、しかも当時慰安婦制度があったのは日本とドイツだけ

14日、自民党の桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と問題発言。

慰安婦「職業としての売春婦」 自民・桜田議員が発言
 自民党本部で十四日開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、同党の桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言した。
◆桜田氏の発言要旨
 よく従軍慰安婦の問題が出るが、日本で売春防止法ができたのは昭和三十年代だ。それまでは職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ。
 売春婦だったということを遠慮して(言わないから)、間違ったことが日本や韓国でも広まっているのではないか。

驚くべき発言というほかない。しかも発言したのは文部科学副大臣 !!
桜田議員は、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事でもある。

昨年末に、日韓両政府は、慰安婦問題で合意したはずではないのか。
「不可逆的に解決」と言うなら、日本側も「従軍慰安婦は存在しなかった」「自由意志の売春婦」などの見解を蒸し返すべきではない。
しかし、それも無理だろう。

慰安婦問題での妥協は米日韓の一体的有事体制のため – 今こそ先の戦争に対する真摯な反省を」という記事でも書いたが、今回の合意は残念ながら真摯な反省に基づく謝罪ではなく、「政治的な妥協」にすぎない。
だから、双方の側から何度でも蒸し返されるであろう。

桜田議員は、非難の嵐に、さすがに同日夕方、発言を撤回した。
自民党内部からも非難の声が上がった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201601/CK2016011502000110.html
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=149897
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/politics/politics/1-0222963.html
しかし、これもいつものパターンだ。
本心から考えを改めたのか、批判が多いのでとりあえず引っ込めただけなのか。

本当の和解のためには、当事者に(韓国政府にではない)対する真摯な謝罪と、その前提としての歴史検証・真相究明が必要だろう。

識者に問う慰安婦合意の法的拘束力(2) 「政府は被害者の権利を消滅させられない」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23070.html

従軍慰安婦問題、強制性はあった

従軍慰安婦についての資料はいくらでもある(注1)。
2014年04月10日には研究者による「強制性はあった」という記者会見があった。

従軍慰安婦問題、強制性はあったー吉見義明教授・林博史教授が海外メディアに訴え
慰安婦にされた女性は、騙しや甘言による誘拐、あるいは暴行・脅迫による略取、人身売買など、徴募方法は当時の刑法や国際条約に反する形態が多く、慰安所での強制・拘束は明らかに本人の意思に反した性奴隷状態でした。
これらは過去二十数年の調査研究はもとより、アジア各国での被害者の証言から明らかであり、すでに国際社会での共通認識になっています。
2014年に入っても慰安婦強制を示す新資料が発掘されています。

法務省は2,000ファイル以上の資料を持っている。しかしながら河野談話を出すにあたり、この中から2点しか報じていない。
オランダ政府は慰安婦問題について1994年に調査報告書を出しているが、それを読むと、オランダ人女性に軍・官憲が暴力を用いて連行したことを示す資料があるということが、いくつか例をあげて書かれている。それから、中国のケースでは、中国人女性たちが賠償を求めて日本の裁判所に訴訟を起こし、結果敗訴はしたが、判決の中で、中国で軍人が女性たちを暴力的に連行して慰安婦状態としたことを認定している。これも公文書と言えると思う。

被害者を「自由意志による売春婦」と罵る事はセカンドレイプに等しい。
こうした発言をするものはその自覚がないのであろうか。
証拠はいくらでもあるのに、ウソも百回言えばごまかせると思っているのか ??

被害者は自分が被害者である事を名乗り出る事すら難しい。
戦後も、心の傷を負ったまま、社会に受け入れられずに(あるいは過去を隠し続けて)人生を過ごしてきた。
その事を考えれば、被害者がご存命のうちに真の和解がなされるべきだろう。
しかし、既に亡くなった方もおり、残された時間はほとんどない。

「慰安婦」制度があったのは日本とナチスドイツだけ

秋には集団的自衛権行使、自衛隊にも戦死・戦傷者 PTSD対策も – 戦争は兵士に何をもたらすのか」という記事でも触れたが、女性兵士が組織内に存在する現代では、自国軍兵士によってレイプされるという事件も珍しくはない。

イラク帰還の陸上自衛隊員の自殺率は日本平均の14倍以上、米兵自殺者はアフガン戦死者に迫る
自衛隊というのは「暴力の闇」の中にあると感じています。男性の自衛隊員から殴打も含む虐待を受け、声を出すこともできなくなり自殺に追い込まれた女性自衛隊員。異動のはなむけとして15人を相手に格闘訓練と称したリンチを受け亡くなった自衛隊員。先輩の暴行を受け左目を失明した自衛隊員。自衛隊員の自殺の原因に、日常的な上官らのいじめがあったとして遺族が提訴しているケース。守るべき一般市民を自衛隊員が襲った連続強姦事件。上司からセクハラされた上に退職強要を受けた女性自衛官の裁判闘争。自衛隊員へのアンケート結果によると、女性隊員のうち18.7%が性的関係の強要を受け、強姦・暴行および未遂は7.4%にものぼり、自衛隊全体で700人以上が強姦・暴行および未遂の被害を受けているのです。

アメリカ軍女性兵士のレイプ事件が多発!女性兵は「慰安婦」代わり

イスラエル女性兵士の81%は軍内性暴力の被害者に

27分ごとに発生する米兵の性暴力で女性兵士の3割がレイプ被害 – 軍隊は女性も住民も兵士自身も守らない

軍隊そのものが「上官の命令には絶対服従」= 暴力によってでも命令に従わせるという暴力システムである。
自国軍兵士への暴力も当然のように行われる。
まして相手が、「植民地(占領地)の女性」というより弱い立場の場合、何が行われたかは想像を絶する。

しかし、「軍隊による(性)暴力」という一般論では片付けられない特殊な事情が旧日本軍やドイツ軍にはあった。

第2次大戦中「慰安婦」制度があったのは日本とナチスドイツだけ
「『慰安婦』は戦争をしているどこの国にもあった」と橋下徹さんは言っていますが、それはウソです。ウソであることは近現代史をきちんと見れば分かることです。第2次世界大戦中、軍が組織的・系統的に「慰安婦」制度をつくっていたのは日本とナチス・ドイツだけで、「どこの国にもあった」ということ自体、歴史的事実に反します。日本の場合、「慰安所」設置の計画立案、業者の選定・依頼・資金斡旋、女性集め、女性の輸送、「慰安所」の管理、建物・資材・物資の提供など、全面的に軍が管理運営したことが、旧陸海軍や政府の関係資料でも明らかになっています。

従軍慰安婦問題、強制性はあったー質疑応答
第二次世界大戦について言えば、これまでの様々な研究では、このような慰安所のシステムを持っていたのは日本軍とナチスドイツだけしか明らかでないと思う。慰安所は日本軍の規定の中で公式の施設とされていたが、こういう軍隊は他にはなかなか例はないのではないか。現地で軍が売春宿を管理するということは他の軍隊でもあり、アメリカ軍でもあった。ただ、私がアメリカの国立公文書館で調べたところ、その事実をワシントンが知ると、それを閉鎖させていた。つまり、アメリカ軍は公式の施設として認めてはいなかったということだ。これは日本軍とは決定的に違うところだろう。
また、朝鮮戦争のときに、韓国軍が慰安所を作っている。ただし、このときの韓国軍の慰安所を作った責任者たちは、すべて旧日本軍の将校だった。つまり日本軍の悪い習慣が韓国軍に伝わったという意味で、日本人として反省しなければならないことだと思っている。

「他の国もやっていたから日本は謝らなくても良いということにはならない」ということだけではない。
当時「慰安婦」制度があったのは日本とドイツだけ、というのがリンク先の主張です。
「第2次世界大戦中、軍が組織的・系統的に「慰安婦」制度をつくっていたのは日本とナチス・ドイツだけで、「どこの国にもあった」ということ自体、歴史的事実に反します。」
「1930年代には、当時の独立国の半数以上にあたる30数カ国が公娼制を廃止しました。」

慰安婦問題でも南京大虐殺でも、歴史修正主義者が考える事は同じだ。
罪を犯した時に、できればなかった事にしたい。それが無理なら、なるべくその意味合いを軽いものにしたい。
「本人の自由意志で来たんだ、強制ではない」、、、、。
思いっきり死ぬほどぶん殴っておいて、「いやちょっと肩が触れただけ」などという見苦しい言い訳。
まるで子供のような言い訳と開き直りの方がよっぽど恥ずかしい(怒)。
何度でも書くが、事実をはっきり認めて真摯な謝罪と繰り返さないという決意がない限り、この慰安婦問題は真の解決にはたどり着かないだろう。

・画像は、ハフィントンポスト「「慰安婦は職業としての娼婦」 自民党の桜田義孝議員が発言」より
http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/14/ianfu-sakurada_n_8976130.html


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・(注1)
★「Fight for Justice 日本軍「慰安婦」――忘却への抵抗・未来の責任」より
軍慰安所で強制はなかったの?
証言
資料庫
動画
本・映像資料ガイド

★強制性を示す新資料6点
http://plaza.rakuten.co.jp/bluestone998/diary/201312060000/
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20131122/1385132104

★その他
『日本軍「慰安婦」問題の核心』 問題歪曲に厳しく警鐘
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-197677.html

『報道特集』 がついに中曽根元首相の「土人女を集め慰安所開設」文書を報道!
http://lite-ra.com/2015/07/post-1323.html
中曽根元首相が「土人女を集め慰安所開設」! 防衛省に戦時記録が
http://lite-ra.com/2014/08/post-413.html

「女の耐久度」チェックも! 産経新聞の総帥が語っていた軍の慰安所作り
http://lite-ra.com/2014/09/post-440.html

日本は慰安婦の強制連行を認めていた
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/78/index.html

戦後責任ドットコム・日本軍「慰安婦」問題 
http://space.geocities.jp/ml1alt2/data/data5/data5.html

従軍慰安婦問題、強制性を裏付ける証拠発見
http://newclassic.jp/11996

[戦時性暴力]16年前から明らかになっていた資料がいまさら問題にされる事態の情けなさについて
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20130627/p1

元「慰安婦」女性が特派員協会で会見 日本軍の関与について「私が証拠だ」
http://www.j-cast.com/2015/04/24233948.html

慰安婦「強制連行」の証拠(史料)なんて、たくさんあるのだという話
http://togetter.com/li/810265


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基地、原発、慰安婦、この国の政治手法はいつからヤクザまがいになったのか

沖縄 島ぐるみ会議 1

我が国政府の政治手法はいつからヤクザまがいになったのか。

2015年、安倍政権の「安保法制」や「辺野古基地問題」など、国民無視の悪政が際立った一年だった。
しかもただそれだけではなく、その政治手法には「政策」らしきものがなく、ただ金で言う事を聞かせるという政治の堕落も問題になった。

琉球新報<社説>2015年回顧 民主主義問われた1年 諦めず、声を上げ続けよう
「戦後70年、戦争体験者が少なくなる中、あらためて不戦を誓った1年が暮れようとしている。
 沖縄戦の教訓である「軍隊は住民を守らない」。県民はそのことをよく知るからこそ、戦争につながる全てのことを否定してきた。
 そうした県民、国民の願いと逆行するように、安倍政権は辺野古新基地建設や安全保障関連法成立などで強硬姿勢をあらわにし、民意と強権の対立が鮮明になった。」
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-196803.html

沖縄の基地問題で、金をちらつかせて恫喝

辺野古新基地に反対する沖縄の民意に、予算をちらつかせて恫喝発言をしたのは、本来沖縄の声を政府に届けるべき島尻沖縄担当相だった。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-188826.html

一方辺野古新基地に隣接する地元「久辺(くべ)三区」には、県や市を通さず直接補助金を交付 地元3地区に国補助金交付へ 辺野古基地反対名護市の頭越し
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015102702000116.html

「沖縄振興予算」は、基地を受けていれいる事への「見返り」ではない。
従って新基地に賛成か反対かで予算額が変動する性格のものではないはずだ。
また、条件付き賛成(注1)の地元にだけ直接補助金を交付するなど許されない事だ。

社説[辺野古直接補助金]地域壊す姑息な手段だ
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=143589

・注1 地元が「条件付き賛成」ではない事は、上記「沖縄タイムス」の社説の通り。

[ 関連記事 ]オール沖縄会議発足。島尻沖縄担当相は沖縄振興予算で恫喝発言。

原発問題でも、交付金のアメとムチ

原発1基再稼働で最大25億円 立地自治体に新交付金、経産省
http://this.kiji.is/42437628732899329?c=39546741839462401

一方で、停止中の原発については、交付金の算出方法を変更して減額させる。

原発再稼働しなければ交付金を減額 国が自治体へ圧力
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-30/2015123001_01_1.html

本来地方交付金は、時の政府が、「中央政府の言うことを聞くかどうか」で恣意的に金額を決めていいものではありません。
原発も沖縄基地も、その点では同じ構図(注2)。支配のためのアメとムチ、地方自治の破壊です。
中央集権国家・独裁国家ではない以上、地方自治体は国の下請け機関ではない。

・注2 原発は曲がりなりにも地元自治体が一度は受け入れを承認して建設されているのに対し、沖縄の基地はそうではない点が大きな違い。

これに対し、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な泉田新潟県知事は、インタビューのあと、「ここまで言ったら危ないかも」と呟いた。
「僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない。もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と言われた。
http://sun.ap.teacup.com/souun/11984.html
http://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/886145534573957dd59ccb840b2fb66f

翁長沖縄県知事と同様、住民の立場に立って闘う姿勢だ。
先に触れた「交付金減額」も、事実上、新潟を狙い撃ちにしている。

慰安婦問題も金の問題ではない

前回記事で触れた元従軍慰安婦の問題も金の問題ではない。

本当に謝罪の意思があるなら、安倍首相自らが直接当事者に会って、お詫びの言葉を述べるべきだ。
そのうえで、補償の問題は、相手の要望も聞きつつ検討すべきだが、まるで順番が逆である。
(当事者の意向も確かめず「合意」した韓国政府も問題だが、それはさて置く)

それどころか、これも前回の[ 追記 ]で触れたが、日本政府は少女像が撤去されなければ10億円を拠出しないとまで言い出した。

【速報】少女像撤去なければ10億円拠出せず
http://this.kiji.is/54930902912892936

当然韓国側の反発は強く、問題はこじれるばかりだ。
その大元は、「金さえ払えば」という日本政府の立場にある。

韓国団体、内外で少女像増設宣言 撤去拒否 慰安婦合意に影響も
http://this.kiji.is/54868275649938933
韓国、少女像報道で日本に抗議 元慰安婦側は反発
http://this.kiji.is/53448407372447752

[ 関連記事 ]慰安婦問題での妥協は米日韓の一体的有事体制のため – 今こそ先の戦争に対する真摯な反省を

基地・原発・慰安婦、我が国政府の政治手法はいつからヤクザまがいになったのか

基地・原発・慰安婦問題、それぞれ事情の異なる問題だが、本質的な解決のためにはまず相手の言い分を聞くというところから始めるしかない。
だが、我が国政府の手法はそうではない。

言う事を聞くなら金を払う、聞かないなら払わない。
単純化して言えば、ただ、これだけだ。
札束でひっぱたいて言う事を聞かせる、やくざまがいの手法(と言ったらやくざさんに失礼か)。

歴代自民党政治がまともだったとは言わないが、
それと比べても安倍政権は、特別際立って、強引さが目立つ、ネオナチ・ファシスト政権だ。

2016年、夏には参議院選挙もある。衆議院との同時選挙の可能性もある。
野党の共闘によって、この政権をやめさせなければ、日本の未来は危ない。

画像は「島ぐるみ会議」のオフィシャルサイト
http://shimagurumi.org

沖縄 島ぐるみ会議 2


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慰安婦問題での妥協は米日韓の一体的有事体制のため – 今こそ先の戦争に対する真摯な反省を

日本軍慰安婦犠牲者の「平和の少女像」

昨日、「日本と韓国が慰安婦問題で合意」というニュースが駆け巡った。

急な展開に、あちこちで議論がわき起こっている。
共同文書もなく、発表記者会見では質問も受け付けず、
外相会談の合意内容を両国首脳が電話会談で追認するというやや異例の形式だった。

日本政府側の岸田外務大臣の発表を引用しておく。
日韓両外相共同記者発表 (外務省公式サイト)

日韓間の慰安婦問題については,これまで,両国局長協議等において,集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき,日本政府として,以下を申し述べる。

(1)慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

(2)日本政府は,これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ,その経験に立って,今般,日本政府の予算により,全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には,韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。

(3)日本政府は上記を表明するとともに,上記(2)の措置を着実に実施するとの前提で,今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
 あわせて,日本政府は,韓国政府と共に,今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001664.html

この件に関するニュース
日韓外相会談 慰安婦問題で最終的解決を確認 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151228/k10010355451000.html

日韓首脳が電話会談 おわび表明し関係改善確認
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151228/k10010355821000.html

慰安婦問題、日韓が合意=日本政府「責任を痛感」―人道支援へ10億円財団
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151228-00000048-jij-pol

慰安婦問題で日韓が合意。日本政府が10億円拠出へ【声明全文】
http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/28/japan-korea-agreement_n_8882714.html

日韓外相、質問なしで合意発表…文書作成見送り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151228-00050123-yom-pol

日韓首脳が電話会談、外相会談の合意内容を確認
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151228-OYT1T50114.html

この合意は評価すべきものか

形式も異例だが(両国政府の正式な合意ではなく外相同士の口約束 ? )、
その内容もかなり不自然なものだ。

歴史的な加害に向き合う時、
必要なのは真摯な反省と謝罪、再び繰り返さないという決意であるべきだ。
それ抜きだと、強姦魔が被害者に「金をやるから黙れ」と言っているのと同じ。
まるでやくざの手打ち、と言ったら言い過ぎだろうか。

ここ何年か日本政府が一貫して認めてこなかった「軍の関与」を認めた
という点では一歩前進だろう。
いや、「そもそも従軍慰安婦などいなかった」という主張さえある中で、
従来の自民党の見解とはかなり異なった合意だ。

しかし、問題も多い。
「不可逆解決」というのは、蒸し返すなという事か。
これは加害者が言う言葉ではない。
本当に真摯な反省の上にたっているのかどうか、きわめて疑問な合意内容だ。

他にもネット上には様々な批判的見解がある。

批判的見解の一例
[社説]法的責任なき慰安婦問題の最終解決はない 韓国ハンギョレ新聞社
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/22903.html

従軍慰安婦問題「歴史的合意」「不可逆的」への拭いがたい違和感 志葉玲
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20151229-00052925/

アムネスティが批判「正義の回復よりも責任を免れるための政治的取引だ」
http://www.sankei.com/world/news/151229/wor1512290044-n1.html

安倍首相の「私たちの子や孫に謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」のピンボケと反省のなさ。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/ef911a271f57667645c9c0e96c7fc988

慰安婦日韓合意でネトウヨが「安倍、死ね」の大合唱! でも安倍の謝罪は二枚舌、歴史修正主義はさらに進行する
http://lite-ra.com/2015/12/post-1834.html

軍の関与を認めたのであれば慰安婦少女像の撤去はナシだろう!原爆ドームと同じだ!
http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/b0573633932bf5f5dca62c8e07f008e5

慰安婦問題での妥協は米日韓の一体的有事体制のため

この合意内容に関する問題点は上記のサイトをご覧いただくとして、
別の観点から、少し考えてみたい。

なぜ、こんな急に、曖昧な形での「合意」を急いだのか。
夏の参議院選挙に向け「実績」を作りたい安倍政権の思惑のあるのだろうがそれだけではない。

話は飛ぶが、日本で「安保法制」が「成立」した後、
韓国ではこんな議論があった。

日本の集団的自衛権・自衛隊を巡る韓国の議論
朴大統領「自衛隊の朝鮮半島進入はあり得ない」配信日時:2015年10月24日(土)
http://www.recordchina.co.jp/a121817.html

韓国「北朝鮮はわたしの領土。自衛隊が入るなら許可を取って」 日本の回答は?更新日:2015年10月22日
http://newsphere.jp/politics/20151022-1/

自衛隊の北朝鮮入りにも韓国同意必要=韓国国防長官 記事入力 : 2015/10/20 21:14
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/20/2015102004028.html

朝鮮半島有事の際、韓国は自衛隊を拒否できるのか 投稿日: 2015年09月25日
http://www.huffingtonpost.jp/jongdae-kim/korean-conflict_b_8194064.html

要するに、朝鮮有事の際、韓国領内に自衛隊が進攻する事を認めるのか、という議論である。
韓国だけでなく、北朝鮮領内も韓国憲法上、韓国の領内なので、それすら認めないという議論だ。

その根底にあるのは、かつて日本に支配され、日本軍に侵攻されたという歴史的事実であり、
そして、その事を日本が総括し、真摯に反省・謝罪していないという事実だ。

これはアメリカにとっては大問題である。
せっかく日本に安保法制を作らせたのに、これではいざという時に役に立たない。

ともにアメリカの同盟国である日本と韓国にこれほどの溝ができる事、
そして韓国が歴史問題で日本と対立し、むしろ中国と共同歩調を取っている事、
それを放置できないと判断したアメリカが動いた。

今回の合意の裏にアメリカの強い意向があった事も報道されている。

クローズアップ2015「慰安婦」解決合意 持論封印、首相に「実」 毎日新聞

 今回の決着で安倍政権の近隣国外交は大きく進展した。
 岸田氏は記者団に「日韓、日米韓の安保協力が前進する素地ができた。北東アジアの平和と安定に大きく貢献しうる」と強調。歴史問題で中国と韓国が共闘する構図を崩したとの認識を示した。
 オバマ米政権は慰安婦問題の最終決着に向けた日韓両政府の合意を歓迎し、着実な履行を後押しする考えだ。「日韓という東アジアで最も重要な同盟国」(ケリー国務長官)の関係改善が、日米韓の連携を軸とする米国のアジア戦略に不可欠だからだ。米国務省高官は「歴史的な合意」と評価した。
 日韓関係の悪化を危惧するオバマ大統領は自ら動いてきた。2014年3月には仲介役としてオランダで日米韓3カ国の首脳会談を開催。今年4月の日米首脳会談直後にはケリー氏を韓国に派遣し、「日韓の建設的な関係」の必要性を訴えた。約3年半ぶりとなった11月の日韓首脳会談の実現も米国の圧力が背景にあった。

http://mainichi.jp/articles/20151229/ddm/003/010/121000c

裏でアメリカが両国を動かしていた事を示唆する報道
慰安婦問題、合意なら米が歓迎声明 日韓外相きょう会談
http://www.asahi.com/articles/ASHDW619SHDWUTFK002.html

慰安婦問題合意 米高官が相次ぎ歓迎の声明
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151229/k10010356051000.html

「同盟国の関係改善」米政府が歓迎 国際社会に合意支持を要請
http://www.sankei.com/world/news/151229/wor1512290030-n1.html

アメリカから見れば日本も韓国もアジアでの拠点。そして日本も韓国も対米従属の国。
いわば「内輪」(なぜかネトウヨ諸君はこの事実を無視してる)。
アメリカから「内輪喧嘩は止めて適当なところで妥協せよ」と圧力があったのだろう。
日韓はアメリカからの圧力に負けて妥協したということだろう。

「狭義の強制性はなかった」「強制性を証明する証言や裏付けるものはなかった」という
これまでの主張を、なぜいとも簡単に変更したのか。
アメリカの圧力がなければ、理解できない。

妥協の産物は問題をこじらすだけ

しかし、日本も韓国もアメリカの圧力に屈して「適当なところで妥協」してしまったら、ますます問題がこじれる。
妥協ならばまたどこかで(日韓ともに)不満が噴き出すのではないか。
安倍政権は悪しき種を蒔いてしまった。
当事者である元慰安婦の皆さんはどう受け止めているのだろう。

いや、既にもう吹き出しいてる。

日韓合意 支援団体の説得困難 慰安婦像聖域化、挺対協「撤去受け入れない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151229-00000047-san-kr

元慰安婦「すべて無視する」と反発
http://www.sankei.com/world/news/151228/wor1512280032-n1.html

「少女像はつらい過去の象徴」 撤去議論に挺対協・慰安婦被害者たちが激怒
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22893.html

米の韓国系団体、慰安婦像推進=「河野談話から後退」と非難
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151229-00000038-jij-n_ame

日本軍「慰安婦」問題、早まった「談合」を警戒する
https://www.facebook.com/notes/藤永-壮/日本軍慰安婦問題早まった談合を警戒する/1032088226849998

一方、日本国内の保守派からも合意に反対する声がある。

「わざわざ韓国に赴き、妥協する必要ない」 自民の原田義昭氏が慰安婦問題合意を批判
http://www.sankei.com/politics/news/151228/plt1512280052-n1.html

「慰安婦」日韓合意 日こころ・中山代表「大いなる失望」と批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151228-00000580-san-pol

慰安婦日韓合意、本当にこれで最終決着か 韓国側の約束履行を注視する 産経主張
http://www.sankei.com/column/news/151229/clm1512290002-n1.html

慰安婦問題合意 韓国は「不可逆的解決」を守れ 読売社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151229-OYT1T50009.html

共同文書化できず 「最終決着」は韓国次第 財団への拠出金急ぐ必要なし 産経ニュース
「国が問題を蒸し返さないと公式に表明したことは一定の成果といえる。」
http://www.sankei.com/politics/news/151229/plt1512290004-n1.html

韓国側の不満は当然であろう。
安倍首相の発言は『次世代に謝罪する宿命を背負わせない』という事に力点が置かれ、
稲田朋美政調会長が速やかな少女像の撤去を要求するなど、
これはとても加害者としての謝罪の態度ではない。

安倍首相発言全文 「『次世代に謝罪する宿命を背負わせない』決意を実行」
http://www.sankei.com/politics/news/151228/plt1512280059-n1.html

少女像撤去で「韓国は速やかに具体的かつ真摯な対応を」 自民・稲田政調会長
http://www.sankei.com/politics/news/151228/plt1512280055-n1.html

韓国以外からも当然のように賠償を求める声がある。

台湾にも元慰安婦4人 賠償を求める方針
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20151229-00000031-nnn-int

北朝鮮の日本軍「慰安婦」問題は放置されたまま
http://kodawarijournalist.blog.fc2.com

[ 追記・補足 ]
1.林教授による研究「マニラ戦とベイビューホテル事件」
http://www.geocities.jp/hhhirofumi/paper101.htm
慰安婦問題と強姦事件はやや性格を異にするが、日本軍の本性をよく現していると思われる。
「日本軍慰安婦制度そのものが組織的な性暴力のシステム」「「和解」が成立する前提には、真相究明が不可欠」
2.『報道特集』 がついに中曽根元首相の「土人女を集め慰安所開設」文書を報道!
http://lite-ra.com/2015/07/post-1323.html

今こそ先の戦争に対する真摯な反省を

安倍自民や日本会議が進める歴史修正主義・排外主義・レイシズムは、
しょせんアメリカが黙認できる範囲でしか進める事ができない。

かつての大戦の「戦争責任」を曖昧にする事によって日本を効率的に占領してきたアメリカも、無制限の歴史修正主義を許しているわけではない。
(アメリカ自身も日本の「戦争責任」を曖昧にしてきた事を反省すべき)

曲がりなりにも、今回、「軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」事を認めたのである。
さらに一歩進めて、(アメリカの手を借りずとも)日本自身の手によって、
先の大戦に対する深い反省と総括をすべきであろう。
かつてドイツがそうしたように。

その事ぬきに、日本がアジアから、世界から信頼される時代は来ない。

[ 12/30追記 ] 一夜にして合意は無内容に ?

慰安婦問題、法的責任「含まず」 政府が見解説明へ

 政府は29日、日韓の従軍慰安婦問題の最終解決に合わせて表明した「日本の責任」に関し、法的責任は含まないとする説明に着手する方針を固めた。「従来の見解は揺るがない」(官邸筋)として、問題の再燃を懸念する国内世論の理解を得たい考えだ。
日本政府筋は29日、岸田氏が日韓外相による共同記者発表で言及した「日本政府の責任」について「ぎりぎりまで譲ったが、法的責任は認めていない。そこははっきりしている」と強調した。
http://mainichi.jp/articles/20151229/ddm/003/010/121000c

日本政府の立場は「1965年の日韓請求権協定に基づき、最終的かつ完全に解決済みとの立場に変わりはない」との報道もある。
これでは今回の「合意」は何だったのか。
単に「10億円を拠出する」という事と「軍の関与を認めた」という点だけが新しい内容なのか。

しかも、その10億円の拠出も「少女像を移転することが財団への拠出の前提」と政府関係者が述べている。
http://www.asahi.com/articles/ASHDY54ZXHDYUTFK00B.html

本当にこれは謝罪なのだろうか。
「次世代に謝罪する宿命を背負わせない」などという発想は自らが加害者である事を反省しているなら出てこないはずである。
あれこれの前提条件を付けるのもおかしな話である。

もう一度書く。
必要なのは真摯な反省と謝罪、再び繰り返さないという決意であるべきだ。
これでは、強姦魔が被害者に「金をやるから黙れ」と言っているのと同じだ。

今回の合意は、アメリカに言われて、渋々謝罪した(ふりをした)という事が見え見えである。
本心から真摯な反省と謝罪をしていない以上、むしろ、また何度でも蒸し返されるであろう。
アメリカに顔立てできるようにともかく「合意」という形を作った、
慌てて、どのようにでも解釈できる玉虫色の合意をした、
その事が合意後の混乱の原因だ(「撤去」は「前提」なのか単なる「配慮」なのかなど)。

何十年前であろうと、何百年前であろうと、過ちは謝罪するほかない。

中南米征服の歴史「謙虚に謝罪したい」 ローマ法王
http://www.asahi.com/articles/ASH7B5H5XH7BUHBI028.html

カナダ首相、同化のための「寄宿学校強制入学」を先住民に謝罪
http://www.afpbb.com/articles/-/2403952

カナダ先住民の同化教育の実態に関する「歴史的」報告書、カナダの和解を呼びかけ
http://www.pr-tocs.co.jp/canadian-review/460/

個人の日常生活で考えてみても、過去の過ちを反省せず、いつまでもグダグダと言い訳をしている方が、人として恥ずかしい。
挙げ句の果てには「もう謝罪はこれが最後」と開き直ったり、「謝罪の前提は××」などと交換条件を持ち出す方がよっぽど「恥ずかしい」事だ。

社説 戦後70年が終わる 過去と穏やかな対話を 毎日新聞

 日本が過去の過ちに謙虚であることは「自虐」でも何でもない。むしろ、勇気を持って直視する姿勢こそが日本の道義性を高め、国際社会での立場を強くする。その先に東アジアの和解があると確信する。
http://mainichi.jp/articles/20151231/ddm/003/070/064000c

被害者がご存命のうちに本当の和解が達成される事を願う。
しかし、悲しく、残念な事だが、政府が変わらない限り、本当の和解は無理かもしれない。
もう、政府を取り替えるしかない。戦前回帰・日本会議派の安倍自民では無理 !!

日本には、原爆ドームのような「被害」のモニュメントはあるが、ホロコースト記念館のような加害を象徴するようなものは(多分)ない。
少女像は日本の国会前にあってもいい。

今回の問題は、慰安婦問題も含め、かつての大戦の「戦争責任」を国民自らの手でしてこなかったツケだと言えよう。
何年経とうと、今からでも、真摯な反省をすべき、真の解決にはそれしかない。

[ 1/9追記 ] 一読の価値あり
[インタビュー]従軍慰安婦研究の吉見義明教授「日韓は合意を白紙化すべき」
日本軍の介入を明らかにした吉見教授 「被害者が受け入れ難い内容 結果的に合意履行は不可能になる」
河野談話は「歴史教育を通じ問題を永く記憶にとどめ」と明記 今回の慰安婦合意はそれより後退したもの
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23003.html

[寄稿]慰安婦問題は解決されていない
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/22990.html

・画像は韓国ハンギョレ新聞社のサイトから
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/22903.html
「光州・全羅南道地域に夜半に雪が降った中で、17日午前、光州市庁前に建てられた日本軍慰安婦犠牲者の「平和の少女像」に雪が積もっている=光州/ニューシス」


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