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辺野古裁判で国側べったりのトンデモ判決。普天間問題の解決は辺野古が唯一の選択肢か。

NHKキャプチャー

9月16日、辺野古への移設・新基地建設計画に関して、埋め立ての前知事が行った承認を取り消した沖縄県の翁長雄志現知事を国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部は、国の主張を認め県側敗訴の判決を言い渡した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県の翁長(おなが)雄志(たけし)知事を国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は16日、国の主張を認め、翁長知事が承認取り消しの撤回に応じないのは違法だとする判決を言い渡した。「普天間の危険を除去するには埋め立てを行うしかなく、これにより基地負担が軽減される」との判断を示した。
 ■判決の骨子

 ◆普天間飛行場の被害を除去するには(辺野古の)埋め立てを行うしかない。それにより県全体として基地負担が軽減される

 ◆埋め立て事業の必要性は極めて高く、それにともなう環境悪化などの不利益を考慮しても、前知事が埋め立てを承認したことは不合理とは言えない

 ◆埋め立て承認に裁量権の逸脱・乱用はなく、違法とは言えないので、現知事の取り消し処分は違法だ

 ◆知事は、国の是正指示が出て相当期間が経過しているのに従っておらず、これは不作為で違法に当たる

辺野古訴訟、国が勝訴 知事の承認取り消し、高裁認めず

 前知事の名護市辺野古海域の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分を違法とする判決が、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で下された。辺野古新基地に反対する県民世論を踏みにじり、新基地建設で損なわれる県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る初の司法判断である。しかし国の主張をそのままなぞったような内容で、三権分立の原則を逸脱した判決と言わざるを得ない。翁長知事は上告審での反論とともに、知事権限を駆使して新基地建設への反対を貫いてもらいたい。

環境保全策を軽視

 判決には大きな疑問点が二つある。まず公有水面埋め立ての環境保全措置を極めて緩やかに判断している点だ。
 判決は「現在の環境技術水準に照らし不合理な点があるか」という観点で、「審査基準に適合するとした前知事の判断に不合理はない」と軽々しく片づけている。
 果たしてそうだろうか。専門家は公有水面埋立法について「環境保全が十分配慮されない事業には免許を与えてはならない」と指摘している。埋め立てを承認した前知事ですら、環境影響評価書について県内部の検討を踏まえ、「生活環境、自然環境の保全は不可能」と明言していた。
 大量の土砂投入は海域の自然を決定的に破壊する。保全不能な保全策は、保全の名に値しない。
 辺野古周辺海域はジュゴンやアオサンゴなど絶滅が危惧される多様な生物種が生息する。県の環境保全指針で「自然環境の厳正なる保護を図る区域」に指定され、世界自然遺産に値する海域として国際自然保護連合(IUCN)が、日本政府に対し4度にわたり環境保全を勧告している。
 判決は公有水面埋立法の理念に反し、海域の保全を求める国際世論にも背を向けるものと断じざるを得ない。
 判決はまた、「普天間飛行場の被害をなくすには同飛行場を閉鎖する必要がある」、だが「海兵隊を海外に移転することは困難とする国の判断を尊重する必要がある」「県内ほかの移転先が見当たらない以上、本件新施設を建設するしかない」という論法で辺野古新基地建設を合理的とする判断を示した。
 普天間飛行場の移設先を「沖縄の地理的優位性」を根拠に「辺野古が唯一」とする国の主張通りの判断であり、米国、米軍関係者の中にも「地理的優位性」を否定する見解があるとする翁長知事の主張は一顧だにされなかった。

県益より国益優先

 判決は国の主張をほぼ全面的に採用する内容だ。裁判で翁長知事は辺野古新基地により「将来にわたって米軍基地が固定化される」と指摘した。その上で「県知事としての公益性判断を尊重してほしい」と訴えたが、判決は県民の公益性よりも辺野古新基地建設による国益を優先する判断に偏った。
 「国と地方の関係は対等」と位置付けた1999年の地方自治法改正の流れにも逆行する判決と言わざるを得ない。
 上告審での訴訟継続とともに、翁長知事にはなお、「埋め立て承認撤回」や「埋め立て工事の変更申請の判断」「岩礁破砕許可の更新判断」などの法的権限が留保されている。
 IUCNの環境保全の勧告、米退役軍人が年次総会で辺野古新基地建設の中止を求める決議を行うなど、支援は海外にも広がっている。さらに国際世論を喚起することも今後の重要な方策だろう。
 翁長知事は今回の違法確認訴訟の陳述で「辺野古の問題は沖縄県だけでなく地方自治の根幹、民主主義の根幹にかかわる問題。全てが国の意思で決まるようになれば、地方自治は死に、日本の未来に禍根を残す」と訴えていた。
 上告審の最高裁が県益を代表する知事の主張に正当な判断を下すか、司法の責任が問われる。
琉球新報<社説>辺野古訴訟県敗訴 地方分権に逆行 知事は阻止策を尽くせ

辺野古違法確認訴訟 判決(要旨)

主な争点・「辺野古ありき」判決 違法確認訴訟 基地問題の本質無視

この国に三権分立はあるのか、司法の独立は ?

判決内容は、「はじめに結論ありき」。国側の主張をただコピペしただけの内容だ。判決内容を知った翁長知事は「あぜんとする内容だ」ともらしたというが、知事だけでなく、万人が「あぜんとする内容」だった。わずか2回の弁論しか行われず、議論の対象にすらならなかった沖縄の地理的優位性や海兵隊の運用についても踏み込んだ(というか、国の主張の全面受け売り)。

 (翁長雄志知事は)判決を一読した印象として「大変あぜんとしている。三権分立の意味でも相当禍根を残すと思っている上、こういった一方的な内容の場合には県民のより大きい反発と結束がこれから出てくるのではないか」と語った。
「政府追認機関だ」 翁長知事、三権分立に禍根と批判

 判決はお粗末な内容だった。沖縄の弁護団や記者たちが「これでは国の訴状のコピペだ」と苦笑するしかない文章が並ぶ。特に沖縄の地理的優位性や海兵隊の運用といった軍事的なファクトで専門家の意見もわかれる内容について、今回の法廷では証人も採らず踏み込んだ議論もなかったはずが、なぜここまで断言できるのか首を傾げるしかない。
 「アメリカ海兵隊を沖縄以外に移せないとする国の判断は、戦後70年の経過や現在の情勢から見て合理性がある」「ほかに県内の移転先は見当たらない」
 国側の主張を100パーセントなぞった内容でしかなく、裁判官らの判断はどこから来たのか、根拠はどこにあるのか全く不明だ。国がほかの移転先を真剣に検証したのかどうか。代替施設が必ず必要なのかどうか。様々な意見や資料に当たることなく導き出した判決は、裁判官個人の持論でしかなく客観性に欠ける。プロの書く判決ではない。
 以下の部分も、なぜここまで踏み込んで、あえて国にお墨付きを与えたのか解せない。
 「普天間飛行場の辺野古移設は、県全体としては負担軽減になる」
 「辺野古の基地建設に反対する民意には沿わないとしても、その他の基地負担軽減を求める民意に反するとはいえない」
自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長~沖縄県、高裁で国に敗訴~

 違法確認訴訟の県側代理人をつとめている加藤弁護士は、県側敗訴を言い渡した福岡高裁那覇支部の判決は地方自治の制度を軽視しているほか、辺野古移設が出来なければ普天間基地が固定化すると断定するなど、国の主張を一方的に取り入れた政治的なものだと強く批判しました。
 「辺野古に移設すべきかどうか、必要性があるかないかということについて、最終的には民意が決めることです。裁判官がこんな判決をしたこと自体は権限を逸脱していると言わざるを得ない」
辺野古判決に県側弁護士“裁判所の権限逸脱”

RBC THE NEWS「辺野古判決に県側弁護士“裁判所の権限逸脱”」

なぜこのような国側べったりのトンデモ判決が出たのか。国側の言いなりになる人物を裁判長に据えるという露骨な人事政策がその背景にある。辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢

普天間問題の原点はどこにあるのか (沖縄問題のおさらい) 辺野古移設が唯一の解決策か

9月4日にNHKが『ニッポン人のギモン「在日米軍基地」』を放送した。部分的には、比較的良心的な内容で普天間問題などを解説した(ただし全体としては安保条約肯定で「日本を守るために米軍がいる」という主張なども混じっている。米軍は日本を守るためではなくアメリカの世界戦略のために日本にいるのだが)。
(リンク先サイトはやや画質・音声が悪いのが残念だ)

この番組の一部書き起こし(要旨)はこちらのサイト↓にもある。かなりブログ主の主観が混じっているが(^_^;)。

在日米軍基地のギモンを解消!基礎講座・コレは知っておいてね!

NHKの「ニッポン人のギモン ”在日米軍基地”」に疑問!

NHK「ニッポン人のギモン 米軍基地がなぜ日本に」

・沖縄は、先の大戦で県民4人に1人が亡くなるという大きな被害を出した。
・戦後は、日本から切り離され米軍の占領下に置かれた。米軍占領下の沖縄に、本土を追い出された米軍が移駐してきた。
・本土復帰の際に「本土並み」を望んだが、むしろ在沖米軍基地は増えた。

にもかかわらず、いまだに沖縄に大きな基地負担を押し付けている事が問題の背景。

・もともと、普天間基地は、住民が収容所に入っている間に、家や道路や墓があったところに米軍が勝手に作った。
 だから普天間基地内には墓があり、自分の墓に行くにも米軍の許可が必要。

・1995年の少女暴行事件や2004年の米軍ヘリの沖縄国際大学(普天間基地の隣にある)への墜落事件を受けて、普天間基地撤去の運動が高まった。
 
・解説委員 『そんな危険な基地はもう出ていってくれ』ということで、日米両政府が協議をして合意をした。
 ”閉鎖撤去” が先ずあったはずだった。アメリカ軍のせいでこうなったんだから出ていってね、というはずだったのに、いつの間にか “移設が前提” になったから、沖縄の人は納得できない」
 「もともと、お願いして来てもらった基地じゃないのに、同じようなものを別のところにたらい回しにつくられるってことは耐え難いことですよね」

・ゲスト(千秋) 沖縄からしたら、自分のところの政府もやってくれない、しかも大きなアメリカもいる、味方がいないみたいな

・ゲスト(オリラジ) 日本政府が沖縄と一緒になってアメリカに抗議(交渉)しようという事にはなっていない。そこがなんか気持ち悪くはあるね。

米軍が勝手に作った普天間基地、その基地が危険きわまりないのであるから、無条件で撤退閉鎖が筋である。少なくとも県外・国外移設が県民の民意である。百歩譲ったとしても、SACO合意時点ですら代替条件付きではあったが、代替施設として検討されたのは「嘉手納統合案」や「東海岸の海上に(撤去可能な)ヘリポートを浮かべる」という案であった。SACOで合意されたのは、耐用年数200年、大型艦船の接岸可能な港湾施設や「弾薬搭載エリア」があり、核弾頭持ち込み可能な辺野古弾薬庫との一体運用が可能な、現在のような「新基地建設」基地機能強化案ではない。普天間基地には弾薬搭載エリアは無く(弾薬を搭載するためには一度嘉手納基地に移動する)、もちろん海に接していないので港湾施設も無い。辺野古は、老朽化した普天間基地を大幅に機能強化して最新化する新基地である。

(a)平成8年12月2日に開催された日米安全保障協議委員会(SCC)において、池田外務大臣、久間防衛庁長官、ペリー国防長官及びモンデール大使は、平成8年4月15日の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)中間報告及び同年9月19日のSACO現状報告に対するコミットメントを再確認した。両政府は、SACO中間報告を踏まえ、普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、同飛行場の返還及び同飛行場に所在する部隊・装備等の沖縄県における他の米軍施設及び区域への移転について適切な方策を決定するための作業を行ってきた。SACO現状報告は、普天間に関する特別作業班に対し、3つの具体的代替案、すなわち(1)ヘリポートの嘉手納飛行場への集約、(2)キャンプ・シュワブにおけるヘリポートの建設、並びに(3)海上施設の開発及び建設について検討するよう求めた。
(b)平成8年12月2日、SCCは、海上施設案を追求するとのSACOの勧告を承認した。海上施設は、他の2案に比べて、米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質にも配意するとの観点から、最善の選択であると判断される。さらに、海上施設は、軍事施設として使用する間は固定施設として機能し得る一方、その必要性が失われたときには撤去可能なものである。
SACO最終報告(仮訳)

このブログでも何度も書いてきたが、そもそも日米両政府は、在沖米海兵隊の削減で合意しているし、現時点でさえ、在沖米海兵隊は実戦部隊がほとんどいない幽霊師団となっている(沖縄に駐留する米海兵隊の語られない真実 抑止力ない”幽霊師団”)。新基地が必要という合理的理由、必要性がない。

これまでも、アメリカは何度も兵力削減や沖縄からの部分撤退を検討してきた。その都度それを押しとどめてきたのは、日本政府の側である。鳩山内閣時代には、防衛・外務官僚は時の首相をニセ文書で騙してまで、辺野古に固執してきた。辺野古に固執しているのは、アメリカ側ではなく、米軍側の意向を忖度(そんたく)して、事を強引に押し進めている日本側の安保村の政治家、官僚であり、工事を請け負う大手ゼネコンである。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因だ(その点で、 NHKの番組内で「日本はアメリカの顔色をうかがわざるを得ない」という解説があったのは不適切、残念である)。にもかかわらず、判決では、辺野古移設が唯一の解決策であり、これを中止すれば国際関係にひびが入るという議論を展開している。さらに「普天間飛行場の被害を除去するには本件新施設などを建設する以外にない。建設をやめるには普天間飛行場による被害を継続するしかない」とまで言っている。完全に事実関係に背を向け、政府見解を擁護するための判決でしかない。

地方自治体は国の下請け機関ではない。和解勧告の精神に反する今回の判決。

もうひとつ、判決ではきわめて乱暴な議論が展開されている。全知事が基地建設に反対したら「国の判断が覆されてしまう」から「尊重すべきだ」という議論だ。まるで、地方自治体は国策に従え、と言わんばかりだ。

だがこれはダブルスタンダードだ。海兵隊の岩国移転やオスプレイの佐賀空港移転は、地元の反対で断念したではないか。よりによって、これまでも戦前戦後を通じ国策の犠牲となってきた沖縄に、さらに国策を押し付けるのか。まさに沖縄に対する差別というしか無い。

もし、これがダブルスタンダードでないとしたら、日本は戦前のようなファシズム・中央集権国家となってしまうであろう。軍事基地にしろ、原発にしろ、核廃棄物処理施設にしろ、国策に地方自治体は文句を言うな。国は、地方自治体や地主の意向を無視して軍事基地建設を好き勝手できる事になるし、万が一、日本に徴兵制が敷かれた場合には「良心的兵役拒否」など認められないであろう。

こうした理屈は、先の和解勧告の精神にも反する。1999年の地方自治法改正で、国と地方公共団体は「対等・協力」の関係になった。だから、和解勧告は「オールジャパンで最善の解決策を合意して、米国にも協力を求めるべきである」という、本来の解決策を示した(とても同じ裁判官が書いたとは思えない)。

NHKの番組で、ゲストが「沖縄からしたら、自分のところの政府もやってくれない、しかも大きなアメリカもいる、味方がいないみたいな(現状はおかしい)」「日本政府が沖縄と一緒になってアメリカに抗議(交渉)しようという事にはなっていない。そこがなんか気持ち悪くはあるね。」と発言したのは当然であろう。何度でも書くが、アメリカ側が辺野古に固執しているわけではない。

翁長知事が判決を不服として最高裁に上告したのは当然であろう。


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和解からわずか3日で是正指示。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因。新基地建設の理由がない。

在沖米海兵隊 普天間基地

和解からわずか3日で是正指示。何のための和解か。

3月4日の、辺野古裁判の和解から、わずか3日、7日午後に国(石井啓一国交相)は、「埋め立て承認取り消し処分の是正」を指示する文書を発送した。
「国は県に対し埋め立て承認取り消しについて地方自治法上の是正を指示する」事自体は和解内容に含まれているが、それはあくまで協議がまとまらない場合の話。
たった一度の協議すらなく、協議日程の調整すらなく、いきなり強権的手段に出るのは「和解」の精神に反する。

和解勧告は、1999年の地方自治法改正で「国と地方公共団体が対等・協力の関係となることが期待された」のに、現状は「改正の精神に反する状況」だと批判し、国側敗訴の可能性にふれた。
この想定外に国にとって厳しい内容の和解案を国は受け入れ、誠実に話し合うと言ったのは単なるポーズだったのか。
和解しなければ敗訴するから仕方なく形だけ和解に応じたのか。
県側が「(安倍晋三首相は)誠意を持って沖縄県と協議をしたいと言った。いい方向に結論を出そうという中で、入り口でこういった形でやるのは大変残念だ」と述べたのは当然の事だ。

さらに、菅義偉官房長官は8日午前の会見で、和解条項にある協議の内容について「いろいろ総合的になるのではないかと思う」と述べ、基地負担軽減や沖縄振興についても議論の対象となる考えを示したという。
総合的だの、沖縄振興だの、また「アメとムチ」で沖縄に揺さぶりをかけるつもりだろうか。USJだのディズニーだので沖縄県民が喜ぶと思っているのか。
「基地受け入れの見返りではない」と国も認めている振興予算を、受け入れれば増額し、受け入れなければ減額するつもりだろうか。そんな事が許されるわけがない。

普天間基地はもともとハーグ陸戦法規違反。閉鎖・返還して当然。

普天間基地は、1945年6月、沖縄本島に上陸していた米軍がまだ戦闘中に、本土攻撃用の基地として完成させた。
住民はもちろん避難しており、その隙に集落を奪って、民有地の強制接収によって建設した基地だ。
戦時国際法であるハーグ陸戦法規では、戦闘状態でも、敵国の民衆の財産権は侵害しない、戦闘が終わったら速やかに返還するとの規定に違反している。
もちろん、日本の敗戦後、住民に返還されたわけではない。
1950年代にはそこに岐阜・東富士から反対運動で追い出された海兵隊が移動してきて柵を強制的に設置、更に拡張した。

日本の降伏時か、サンフランシスコ条約によって占領が終了した時点で返還されるべきであった。
沖縄はその後も米軍統治下にあったというなら、せめて本土復帰時、施政権返還時に、土地も返還されるべきだった。
しかし、以前の記事でも書いたように、1972年の復帰時点で公用地(その大部分は軍用地)であった土地は、いっさいの手続きぬきで5年間引き続き「暫定使用」できるとする法律「沖縄公用地暫定使用法」によって沖縄の米軍基地は維持された。
民主主義国家において、何の手続きもなく、意思表示の機会すら与えず、私有財産を制限する事は、明白な憲法違反だった。

1995年の少女暴行事件の後設置されたSACOで、普天間は一番に返還されるべきものとして日米で合意された。

これらの経緯を見れば普天間基地は閉鎖・返還されるべきものというしかない。

代替条件付きの返還はまやかし。普天間と辺野古はセットではない。

1996年のSACO合意で返還が決定されていながらいまだに返還できない原因は何か。
それは「代替条件」付きだからだ。これこそがこの問題の「迷走の始まり」だ。

しかし、果たして「代替施設」が本当に必要なのか。
これも、このブログでかつて書いた事だが、在沖米海兵隊は「幽霊師団」にすぎない。
在沖米海兵隊は、司令部と後方支援がメインで、実戦部隊は一年のほとんどを海外での訓練などに費やしている。
さらに過去記事でも書いたように、米軍は何度も沖縄からの兵力削減を検討しており、2012年には、新基地建設とは切り離して海兵隊の一部海外移転で日米両政府は合意している。
残ったわずかな部隊のために最新式の新基地が必要なのか ?
辺野古弾薬庫と隣り合わせで、強襲揚陸艦が接岸可能な港湾機能のある、200年の耐久性能の新基地が。
むしろ、新基地が必要という理由がない。

SACO合意時点ですら(海兵隊の海外移転の合意以前)代替条件付きではあったが、代替施設として検討されたのは「嘉手納統合案」や「東海岸の海上に(撤去可能な)ヘリポートを浮かべる」という案であった。
その後、兵員削減で合意しているのに、むしろ「代替施設」の方はバージョンアップしている。

もはや、辺野古に建設しようとしているのは「普天間の代替施設」などではなく、明らかに機能強化された「新基地」である。
普天間の危険性除去のためには辺野古「移設」が必要という政府の説明自体がまやかしだ。

普天間の閉鎖を速やかに合意し、残ったわずかな海兵隊をどうするか、県と国が真剣に話し合うべきではないのか。
それこそが「オール日本として米側と交渉すべし」とした和解勧告に添う道だ。
これは決して「実現性のない夢のような話」ではない。
何度でも書くが大幅削減される海兵隊のためになぜ最新式新基地が必要なのか、こちらの方こそ理由がない。
これも何度かこのブログで書いてきたが、アメリカ側には、海兵隊は沖縄から撤退すべしという意見もある。
また、高野孟氏や泥 憲和氏もそう主張している(泥氏の場合はいくつかある案のひとつとして)。
新聞も琉球新報が「海兵隊は、普天間代替基地は必要か。百歩譲って必要としても、「辺野古が唯一」とする軍事的理由はない。」と書いたのを始め、何紙かが県外・国外移設も念頭に議論の仕切り直しをという趣旨の社説を掲げた。

だが、和解受け入れと同時に「辺野古が唯一という立場は変わらない」と発言する今の政府には無理かもしれない。
そうであるなら、政府を取り替えるしかない。

・画像はwiki「普天間飛行場」より (著作権者Sonata)
https://ja.wikipedia.org/wiki/普天間飛行場


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・補足1 参考にしたサイト
強気が一変、安倍政権が「辺野古和解」に急転したウラ事情 高野孟
http://www.mag2.com/p/news/154754/5

クローズアップ2016辺野古工事中断 選挙迫り政府方針転換 和解勧告内容厳しく
http://mainichi.jp/articles/20160305/ddm/003/010/086000c

琉球新報<社説>辺野古是正指示 独善と強権に対抗しよう
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-234679.html

辺野古取り消し、国が是正指示 県、係争委に不服訴えへ
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234677.html

国の是正指示、知事「大変残念だ」 協議前の強硬姿勢批判
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234678.html

負担軽減も議論へ 代執行和解 菅氏「協議、総合的に」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234934.html

「工事停止に意義」議会で知事 あらゆる手法で阻止
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-234939.html

・補足2 是正指示をどう見るか 屋良 朝博氏のfacebook

・補足3 普天間の海兵隊をどうすべきか 泥 憲和氏のfacebook

・補足4 辺野古は代替施設なんかじゃない 三上 智恵さんのfacebook

辺野古新基地は半世紀前からの構想という点については過去記事の注8参照。


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【普天間・辺野古問題】安保村の官僚は時の総理(鳩山元首相)すら騙して、基地を押し付ける。

外務・防衛官僚によって作られた「ニセ公文書」で、「辺野古移設」は決められた。「日米合同委員会」の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先される。

鳩山氏を騙したニセ文書

鳩山元首相がニセ文書で防衛省と外務省に騙された、ということがネットで話題になっている。鳩山政権時に普天間県外移設を妨害したのは日本の防衛省と外務省。しかもニセ文書まで作成して、「辺野古への移設案」を鳩山氏にのませたという話だ。

日米安保村の官僚は、時の総理すら騙す

当初「最低でも県外」と主張していた鳩山氏は、その後断念。辞任後、県外移設を断念した理由について、防衛、外務官僚の妨害を、自身の力量不足とともに上げた(注1)。
県外移設のいくつかの案のうち、「鹿児島県徳之島などへの分散移転案」を不可能にしたのは米軍の「65カイリ以内」という規定だとされてきたが、実はその文書が「偽造」だった。

2013年11月のこの琉球新報の記事が、「65カイリ基準存在せず」と報じた初めてのマスメディアの記事ではないだろうか。

鳩山政権、県外断念の根拠 65カイリ基準存在せず 琉球新報 2013年11月27日
2010年に当時の鳩山政権が米軍普天間飛行場の鹿児島県・徳之島移設を検討した際、ヘリコプター部隊と演習場の距離を65カイリ(約120キロ)以内とする米軍の「基準」に基づき困難とされた件で、在沖米海兵隊が26日までに琉球新報の取材に答え「海兵隊の公式な基準、規則にはない」との見解を示した。

2014年12月の矢部宏治氏によるインタビューでは、文書の件については触れていないが、官僚の圧力についてより突っ込んだ話をしている。

鳩山由紀夫氏:首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体/『それはつまり「日米合同委員会」の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということ』 2014年12月15日
本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。
お恥ずかしい話ですが、(「日米合同委員会」の存在は)わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。
私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。
それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。
自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。

・リンク先のサイトは2015/03/14付けだが、オリジナルの記事・週プレNEWSは、2014年12月15日(月)配信。このインタビューは日本の官僚の支配構造の一端を知る上で重要と思います。全文をお読みになることをお勧めします。

2015年9月には、「防衛官僚から「米側の移設先の条件は沖縄から65マイル以内」と示されたことが事実無根だった」と述べている。

鳩山元首相「官僚が情報操作」 辺野古回帰でシンポ 琉球新報 2015年9月7日
鳩山氏は首相時代、防衛官僚から「米側の移設先の条件は沖縄から65マイル以内」と示されたことが事実無根だったことなどを挙げ「防衛、外務官僚は一度決めた辺野古移設を蒸し返されては困るから、米側の意向も忖度(そんたく)して辺野古しかないとリードした」と述べた。「大臣も役所に取り込まれ、大手メディアも既得権にどっぷり漬かり、壁を破れなかったのは私の力量不足だった」とした。

この問題を一気に広げたのは、2016年2月4日の「鳩山元総理が明かす『辺野古新基地』の真相」という講演会だろう。

検索いただければ、同様の動画サイトがいくつかある。

これを報じた田中龍作ジャーナル岩上安身 IWJ Independent Web Journalの記事を紹介させていただく。
いずれも全文はリンク先にてお読みいただきたいが主要部分は次の通り。

外務省と防衛省が首相をハメ、辺野古に戻させた 田中龍作ジャーナル 2016年2月4日
 民主党政権時の2010年4月19日、防衛、外務の官僚たちが、官邸に鳩山首相を訪ねた。
 官僚の一人は「アメリカ大使館と交渉した結果こうなった」と言って、3枚つづりの文書を鳩山に差し出した。
 文書のタイトルは「普天間移設問題に関する米側からの説明」。右肩には『極秘』の判が麗々しく押されている。
 “極秘文書”には米軍のマニュアルとして次のように書かれていた ―
 「航空部隊と陸上部隊の訓練の一体性を考えると、移転先は普天間から65マイル(105km)以内に限る」。
 沖縄全島は70マイル。沖縄以外はダメということだ。(移転先の候補にあがっていた)徳之島はあきらめろという内容である。
 「アメリカがそういう条件であれば、沖縄以外に持って行くことは不可能」。鳩山は県外移設を断念した。
 鳩山は決定打となった米軍マニュアルについて琉球新報に調べてもらったが、そんなマニュアルはどこにもなかった。
 極秘の指定期間は2015年4月18日。極秘が解除されたため、鳩山側近の川内博元衆院議員が外務省に問い合わせた。
 文書を扱う大臣官房総務課は「公文書ではない。外務省が作成したものかどうか分からない」と回答した。“極秘文書”はガセだったのである。

世紀のスキャンダル!? 鳩山元首相が「最低でも県外」公約を断念するきっかけとなった書類が今は存在しない!? 外務省が見せたペーパーに虚偽!? 虚偽公文書の作成の可能性も!? 岩上安身責任編集 IWJ  2016年2月4日
 2015年4月まで極秘文書扱いだったペーパーが、解禁となった。普天間飛行場の移設先として、沖縄県外に候補地を探していた鳩山総理(2010年当時)に対し、外務省の役人が3枚のペーパーを示した。そこに書かれていた内容を見て、鳩山総理は「県外移設」を断念した。ところが、その中身に虚偽の内容が含まれていたことが明らかになった。外務省の役人が虚偽文書を作成して時の総理を騙していたのか。事実確認を求めると外務省は「知らない」とその存在すら認めず、現在「調査中」だという。

 「(2010年)4月19日か20日だったかと思いますが、3枚の紙切れを持った外務省の役人がやってまいりまして、『大使館と交渉した結果こういうことになりました』と、その紙を見せられました」
 沖縄米軍の陸上部隊と海上部隊は、一緒に北部訓練場で訓練を行なう。その訓練の一体性を考えると、普天間基地がどこか遠くに移設され、そこまでの距離があまりにも長いと、移動等に時間がかかりすぎて訓練が十分にできない。その距離は65海里(約120km)以内であるべきだ、という基準が米軍のマニュアルにも明記されていると、その紙には書かれていたとのこと。
 当時、移設の候補地として鳩山氏が名前を上げていた徳之島までは、200kmをはるかに超える。
 「すなわち、これは徳之島をあきらめなさいというペーパーでございました」
 これが決定打となり県外移設を断念したと鳩山氏は当時を振り返る。
 鳩山氏によれば、「普天間移設問題に関する米側からの説明」と書かれたこの書類は、2015年4月まで極秘文書扱いだったとのこと。極秘期間が解けた後、琉球新報などに調査を依頼したところ、「アメリカ軍がマニュアルに明記してある」というのは事実ではなかったことが明らかになった。
 極秘指定の期間が終わり、あらためて外務省に、このペーパーについて、もう一度説明を求めた所、外務省の担当局は、時の総理の公約を撤回させた、極めて重要な文書でありながら、「いや、そんな紙はありません」と「知りません」と応えたとのこと。

2月16日には IWJ がさらに詳細なインタビューを行った。

2016/02/16 「最低でも県外」を翻させた外務省の「極秘文書」の存在に「虚偽」疑惑!官僚が総理をワナにはめた!? 岩上安身が鳩山由紀夫・元総理にインタビュー!真相に迫る!
 普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と公約していた鳩山元総理は、具体的には移設先の候補地として鹿児島県の徳之島を想定していた。
 ところが、問題の「普天間移設問題に関する米側からの説明」と題された、「極秘」のスタンプが押してある文書には、外務省担当者が在京アメリカ大使館から受けたとされる、“普天間飛行場を徳之島へ移設するのが難しい理由”が3枚にわたって記されている。
 その文書には、沖縄から徳之島までの距離が遠く、「恒常的に訓練を行なうための拠点との間の距離に関する基準」として「米軍のマニュアルに明記されている」という「65海里(120km)」を大きく超えるものという記載がある。しかし、インタビューに同席した川内博史・前衆議院議員によると、外務省を通じて米大使館に照会したところ、「そのようなマニュアルは米軍には存在しない」と回答されたというのだ。
 その上、外務省はこの文書の存在を確認できないとし、外務省の「極秘文書の管理簿」にも記載されていなかったと回答したという。時の総理に見せた文書は、外務省の公文書ではなかったのだろうか。

と前置きしたあとで、鳩山氏本人へのインタビューが、長文の記事として掲載されている。ぜひリンク先の記事をお読みいただきたい。

さらに、昨日、2月23日、東京都千代田区の外務省での岸田文雄外務大臣による記者会見を IWJ が報じている。
鳩山元総理に普天間「県外移設」を断念させた外務省極秘文書について岸田外務大臣「行政文書なのか確認できず」 一方で「距離の問題から難しいと米軍から説明あった」と曖昧回答(動画)

同じく2月23日、朝日新聞もこの件を報じた。

「65カイリ基準」米軍否定 普天間県外移設断念の根拠 朝日新聞デジタル 2016年2月23日
 2010年に鳩山由紀夫首相(当時)が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を断念する判断材料となった政府の内部文書を朝日新聞が入手した。米軍の「基準」としてヘリコプター部隊と訓練場との距離を「65カイリ(約120キロ)」以内と明示しているが、在日米軍司令部は朝日新聞の取材に「そのような基準はない」とした。

こちらも→鳩山氏に普天間県外移設断念させた政府文書の根拠不明

普天間基地の移設先として「最低でも県外」という主張は沖縄県民の民意からすれば当然の主張であった。しかし、日米安保村の官僚は、時の総理すら騙して、普天間基地の移設先を辺野古に押し付けた。当時、鳩山氏を「宇宙人」「ルーピー」などと揶揄して、マトモな議論すらしなかったマスメディアやニセ文化人の責任は大きい。いくら政敵であるにしろ、公人をこのように扱うのか、当時はまったく異常な空気だった。非自民政権の総理への敵愾心丸出しだった。

騙された側の鳩山氏に力量がなかったといえば、それはその通りだろうが、ニセ文書まで作成して時の総理を騙し続けて来た事の犯罪性は、曖昧にせず、問われなければならない。その背景には、時の民主党政権が掲げた「外交文書公開」方針への反発・安保村官僚の危機感があったのかもしれない。

外交文書公開、ルール化すべき…民主・前原氏

外交文書の自動公開規則を施行 外務省、作成30年後に

米軍は沖縄からの部分撤退や縮小を何度も検討。それを押しとどめてきたのは日本側。

日米安保村の官僚は、鳩山由紀夫個人を騙しただけではない。日本国民を騙し続けている。実は、米軍は沖縄からの部分撤退や縮小を何度も検討している。その都度、それを押しとどめてきたのは、むしろ日本側だった。
長くなりすぎたので、その話は次回に続く。続きはこちら。「米軍は何度も撤退を検討。それを押しとどめてきたのは日本側」

・画像は琉球新報から
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-215863.html

・偽文書に書かれていた内容について、報道によって「65マイル(約105km)」と「65カイリ(約120km)」が存在するが、写真付きで報じた琉球新報の2013年11月27日の記事や2016年2月23日の朝日の記事、現物(コピー)を手にインタビューに応じた IWJ の記事がいずれも「65カイリ(約120km)」としているので、こちらの方が正しいと思われる。
朝日の写真でははっきりと「65海里(約120km)」と読める。


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・注1
鳩山氏の発言・行動を時系列的に報道の中から拾ってみた。

2009年7月19日、民主党誕生前夜の選挙戦で同党代表の鳩山由紀夫氏が「最低でも県外」と語った。8月の衆議院総選挙で勝利。
2009年9月に鳩山内閣が発足したが、しかし、2010年3月23日、米軍普天間飛行場を全面返還しない可能性を記者団から問われ「すべてをゼロベースで考えている」と言明、普天間飛行場を存続させる可能性を示唆した。
2010年5月28日には県外移設を断念する案を発表。社民党は同月30日、連立政権からの離脱を決定した。
2010年6月2日首相と民主党代表辞任を正式表明(民主党の小沢一郎幹事長も同日、辞意を表明した)、6月8日に総辞職。普天間問題の迷走と自身の政治とカネの問題を主な理由とした。
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2009年7月19日、民主党誕生前夜の選挙戦で同党代表の鳩山由紀夫氏が「最低でも県外」と語った。

普天間、県外移設「行動する」 民主党・鳩山代表 琉球新報 2009年7月20日
 民主党の鳩山由紀夫代表は19日、政権交代後の普天間飛行場代替施設への対応について「県外移設に県民の気持ちが一つならば、最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」と、県外移設に前向きな発言をした。同党公認候補の選挙応援で訪れた沖縄市民会館で述べた。

翌年1月の名護市長選挙では、基地移設反対派の稲嶺進現市長を支援。しかし、2010年3月23日、米軍普天間飛行場を全面返還しない可能性を記者団から問われ「すべてをゼロベースで考えている」と言明、普天間飛行場を存続させる可能性を示唆した。鹿児島県徳之島などへの分散移転による解決策を念頭に置いていると思われる。
普天間移設 「最低でも県外」実行を
官僚に騙されて(当時は米国の猛反発があったと思われていた)、普天間基地の県外移設という公約の実現を断念した。

2011年2月

「抑止力は方便」断念理由後付け 鳩山前首相、普天間で証言 琉球新報 2011年2月13日
 【東京】鳩山由紀夫前首相は12日までに琉球新報などとのインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の移設交渉の全容を初めて語った。「県外移設」に具体的な見通しがなかったことを認めた。「県外」断念の理由とした在沖米海兵隊の「抑止力」については「辺野古しか残らなくなった時に理屈付けしなければならず、『抑止力』という言葉を使った。方便といわれれば方便だった」と述べ、「県内」回帰ありきの「後付け」の説明だったことを明らかにした。

2012年5月

鳩山元首相単独インタビュー 対米交渉仕切り直せ  琉球新報 2012年5月16日
“ 鳩山氏は県外移設を達成できなかった要因について、防衛、外務官僚が辺野古回帰に執着する中、「官僚を飛び越え議論する環境をつくれなかった。私の力量の問題だった」と説明した

2012年11月、鳩山氏政界引退に際しての琉球新報のコラム

鳩山元首相引退 「県外」追求は正当だった 琉球新報 2012年11月22日
“09年の衆院選前の沖縄遊説で、鳩山氏は米軍普天間飛行場の返還・移設問題をめぐり、「最低でも県外移設」と強調した。
 県民は、県内移設の呪縛にとらわれた日米両政府の基地政策に風穴が開くという期待感を高めた。
 1996年の日米の返還合意以来、1ミリも動かない普天間飛行場の危険性と過重な基地負担にあえぐ県民の声に耳を傾け、鳩山氏が従属的な対米関係の見直しなどを模索したことは正当だった。
 だが、米国と気脈を通じて「県外移設」つぶしに暗躍した外務、防衛官僚らに包囲網を敷かれ、鳩山氏は2010年に辺野古移設に回帰した。指導力の弱さを突かれ、沖縄社会を大いに失望させた。
 鳩山氏は歴代首相で初めて、日本の安全保障政策の官僚支配の病弊と、沖縄への基地偏在に潜む差別的構造を可視化した。基地負担をこれ以上引き受けないという沖縄の民意がかつてなく強まるきっかけをつくった点で、歴史に刻まれることは間違いない。
 鳩山氏が対米関係を揺るがしたとみなす在京大手メディアは、普天間問題を鳩山氏個人の責任に矮小化することで、結果的に「県外移設」は困難と印象操作に走っている。木を見て森を見ない、アンフェアな見方と言わざるを得ない。
 今年5月の本土復帰40周年記念式典に出席した際、鳩山氏は本紙のインタビューで県外移設が実現できなかった最大の要因について「防衛、外務官僚は米側を通して辺野古でないと駄目だという理屈を導いた」と証言した。

2013年2月

普天間「北沢氏が非協力」 鳩山元首相、抑止力を再否定 琉球新報 2013年2月21日
“ヘリコプターを搭載する船を数隻建造し、普天間のヘリを移す案などを米側に打診するよう北沢俊美防衛相(当時)に依頼したが、北沢氏が米側に伝えていなかったと明かした。
県外移設先として九州移設や、それに伴うローテーション案、グアム、テニアン移設案が上がったと述べた。
 県外移設の実現を阻む官僚の動きがあり、閣僚やほとんどの民主党議員が非協力的だったことを指摘。外務、防衛両省の責任者との秘密会合が、翌朝の新聞に掲載されたとし「一度(前政権で)決めたことを蒸し返すのは迷惑だから、何とかつぶせ、と動いていた人たちがいた」と述べた。

鳩山元首相、外務、防衛が「妨害」 産経ニュース 2013年2月21日
 「米国の意向を忖度(そんたく)する外務、防衛両省がすべてを動かしている中で日本が真の独立を勝ち取ることはできない」
 鳩山由紀夫元首相は20日夜、米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市内で講演し、飛行場の県外移設が実現しなかったのは両省の妨害によるものだと断じた。
 さらに「県民の心を裏切り大変申し訳ない」と重ねて陳謝したものの、「『最低でも県外』が実現できなかった自分の非力さをおわびする。『最低でも県外』と言ったのは間違っていなかった」とも強調した。

2013年11月のこの琉球新報の記事が、「65カイリ基準存在せず」と報じた初めてのマスメディアの記事ではないだろうか。

鳩山政権、県外断念の根拠 65カイリ基準存在せず 琉球新報 2013年11月27日
 2010年に当時の鳩山政権が米軍普天間飛行場の鹿児島県・徳之島移設を検討した際、ヘリコプター部隊と演習場の距離を65カイリ(約120キロ)以内とする米軍の「基準」に基づき困難とされた件で、在沖米海兵隊が26日までに琉球新報の取材に答え「海兵隊の公式な基準、規則にはない」との見解を示した。

2014年1月に、この間の経緯をまとめた記事がweb上に出た。ただし、この記事では「官僚の圧力」については漠然と触れているが「文書の偽造」までは触れていない。

普天間基地「腹案だった? 幻の移設案」とは THE HUFFIGTON POST 2014年01月27日
「政権交代をしたのだから、すべてがそのままである必要はない。柔軟であっていいと。オバマさんの頭の中にも決して辺野古じゃないといけないよという気持ちはなかったと思います」
永田町を去ってから、沖縄について取材を受けるのは初めてという鳩山由紀夫元総理は、当時のことをそう振り返りました。
鳩山元総理が「最低でも県外」と言って政権交代をし、オバマ大統領に「トラスト・ミー」と告げた2009年。なかなか結論を出せないでいた民主党政権に対して、当時メディアは「アメリカが怒っている」と、苛立ったアメリカ政府が、さも辺野古移設への決断を迫っているかような報道をしていました。
「あの記事はおかしいよね。あれは官僚がマスコミにしたリークだと思う」と鳩山氏は言い、アメリカはあくまで辺野古にはこだわっていなかったと強調しました。
鳩山氏の言葉を裏付ける資料があります。2010年2月ワシントンDCでの日米交渉の記録です。

ジム・ウエブ上院議員 「日本における政治的現実を理解している」
リチャード・アーミテージ氏 「普天間の辺野古移設案は見直しある」
ケント・カルダー教授(ルース前日本大使のアドバイザー) 「危険除去が当初の目的で、湾岸にはみ出す必要はなかった。現行の辺野古案は実行可能ではない」

この日米交渉こそ、鳩山元総理のいう「腹案」の一つであった、「普天間飛行場のキャンプ・ハンセン移設案」について話し合われたものです。軍事アナリストの小川和久氏が提案し、もっとも早期に普天間飛行場の危険を除去する案として、鳩山氏が検討したものです。

しかし、2010年5月、再びペンタゴンで「ハンセン陸上案」について交渉していた小川氏と藤田氏のもとに届いたのが、時を同じくして沖縄を訪問した鳩山氏の「学べば、学ぶにつけ沖縄には抑止力が必要…」と辺野古移設に傾いた発言でした。
ワシントンDCでの交渉中、ネットでこのニュースを見た小川氏は「バカヤロー」と思わず叫んでしまったそうです。
「アメリカ側は小川案で一本化するならそれでいいと、のめるという温度だったのに、一本化するどころか、並行して官僚が議論していた辺野古案に総理がぶれた」
一体、なぜぶれたのかという問いに鳩山氏はこう答えました。
「『最低でも県外』のメッセージに合わないところがあった。さらに、辺野古以外の選択肢を防衛省、外務省から提示されたことがなかった。なんとか辺野古に戻したいという気持ちが官僚にはありましたよね。普天間の早期危険除去という意味で、小川案は大変、有力、有望な案だと思いながら、周囲の動きを押し返せず、十分まとめきれなかったのは残念」

2014年12月のインタビューでは、インタビュアーが『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』の著者・矢部宏治氏ということもあって、官僚の圧力についてより突っ込んだ話をしている。

鳩山由紀夫氏:首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体/『それはつまり「日米合同委員会」の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということ』 2014年12月15日
“矢部 鳩山さんは以前、インタビューで「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言われていましたが、その正体がなんであるか、当時はわからなかったのでしょうか?
鳩山 物事が自分の思いどおりに進まないのは、自分自身の力不足という程度にしか思っていませんでした。本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。その裏側、深淵の部分まで自分の考えは届いていなかったのです。
お恥ずかしい話ですが、(「日米合同委員会」の存在は)わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。
私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。
それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。
そういうものが舞台裏で、しかも、憲法以上の力を持った存在として成り立っていたとしても、決してメディアで報道されることもないし、このメンバー以外にはほとんど知られないような仕組みになっているわけですよね。
自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。

・リンク先のサイトは2015/03/14付けだが、オリジナルの記事・週プレNEWSは、2014年12月15日(月)配信。
 このインタビューは日本の官僚の支配構造の一端を知る上で重要と思います。全文をお読みになることをお勧めします。

2014年12月22日

鳩山氏自身のツイート 2015年2月26日
誠に恥ずかしい限りではあるが、総理時代に米国と官僚の厚い壁に歯が立たなかった所以がここにある。日本がアメリカに従属している構図は極めて強固であり、霞が関には従属の完成系が存在している。こんな情けない日本を自立させ、対米従属からの脱却の旅に出る政治家は現れてないのであろうか。

2015年2月

【特報】鳩山由紀夫・元首相が沖縄県辺野古を訪問、過去の公約違反を住民に謝罪、米軍による抑止力肯定論を「撤回をいたします」 ライブドアニュース 2015年2月26日
“「わたしに対してみなさまが、さまざまなご感情を持っておられることはよく存じております。総理時代に最低でも県外へ、できれば国外へと申し上げたことが、実現できなかったことが本当に悔しいですが、申し訳なく思っています。ただ、この思いは、総理を辞めた後も、実は変わっておりません。それだけに沖縄のみな様方の総意の気持ちに従いながら、反省の中で行動を起こしてまいりたい、そう思っております。」
と、述べた。また、米軍の抑止力を肯定したことについては、次のように謝罪した。
「自分の信念を曲げて、抑止力という言葉を使ってしまいました。申し訳なく思っております。従って撤回をいたします」

2015年7月
「米が呼び出し」虚偽か 09年、普天間移設で外務省 琉球新報 2015年7月6日

2015年9月

鳩山元首相「官僚が情報操作」 辺野古回帰でシンポ 琉球新報 2015年9月7日
 鳩山氏は首相時代、防衛官僚から「米側の移設先の条件は沖縄から65マイル以内」と示されたことが事実無根だったことなどを挙げ「防衛、外務官僚は一度決めた辺野古移設を蒸し返されては困るから、米側の意向も忖度(そんたく)して辺野古しかないとリードした」と述べた。「大臣も役所に取り込まれ、大手メディアも既得権にどっぷり漬かり、壁を破れなかったのは私の力量不足だった」とした。

2016年2月4日の「鳩山元総理が明かす『辺野古新基地』の真相」という講演会以降のことは本文の通り。2/16のIWJインタビューはこちらにも転載されている。

こちらも参考に。

『普天間移設 日米の深層』 鳩山元首相の孤軍奮闘描く 琉球新報 2014年11月16日
2009年7月19日、民主党代表の鳩山由紀夫氏が「最低でも県外」と沖縄市民会館で打ち上げた。それは政権をとった民主党の重要政策となった。
 新政権が沖縄県民の気持ちを反映し、米国と「最低でも県外」で交渉するのは当然のシナリオである。ここからすさまじい巻き返しが始まった。
 政治家(しかも与党の)、官僚らが足を引っ張る。本来、こんな非民主的行動は徹底して糾弾すべきであるが、マスコミは沈黙してきていた。
 琉球新報は「日米廻り舞台」の連載を行い、それがこの本の基礎となっている。

普天間基地問題の核心を報じない大手メディア マガジン9 2011-02-09
鳩山発言を矮小化する中央メディアと政治家 マガジン9 2011-02-23
本土メディアが伝えなかった沖縄復帰40周年記念式典でのこと マガジン9 2012-05-23
・・・・・・・・・・・・・・
ウィキリークスが暴露した米公電の中に、米国が鳩山ー小沢民主党政権を切り捨てて菅民主党政権を傀儡化
・こちらは真偽のほどは確認しようがないが、、、、。


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