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政府の判断に委ねる放送法「電波停止」は検閲を禁じた憲法21条違反、安倍自民・高市総務相がマスメディアへの恫喝発言

高市議員のオフィシャルサイト画像

高市総務相が「電波停止」言及 テレビ局への政治圧力加速か

 テレビ業界に激震が走っている。高市早苗総務相が、8日の衆院予算委で、放送法に基づく「電波停止」をテレビ局に発する可能性に言及したのだ。

 民主党の奥野総一郎議員が、安倍政権に批判的とされる民放キャスターの降板が相次いでいる状況を指摘し、「電波停止が起こり得るのではないか」と質問。すると、答弁に立った高市大臣は「将来にわたり可能性が全くないとは言えない」とし、さらに「(放送法は)単なる倫理規定ではなく法規範性を持つ」と踏み込んだのである。

 安倍政権では、一昨年12月の総選挙の際に民放記者を呼びつけて「公平中立」の報道を要請したり、自民党勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番」といった発言が飛び出したりと、テレビ局に対する数々の「政治圧力」が問題になった。

 とうとう、テレビ局を所管する総務省の大臣が国会で「電波停止」を口にし始めた形だ。

 すでに民放各局は、安倍政権を強く批判することはなくなっている。TBSもテレ朝も政権に批判的なコメンテーターを一掃してしまった。「電波停止」を持ち出されたことで、さらに自粛を強めるのは確実だ。この先、自由な報道はますます、やれなくなる可能性は高い。

・ここまで日刊ゲンダイDIGITAL「高市総務相が「電波停止」言及 テレビ局への政治圧力加速か」からの引用(抜粋)

メディア規制を強める安倍政権・高市大臣がテレビへ「電波停止」の恫喝的発言!

相次ぐニュースキャスター降板に、NHK会長への「厳重注意」…露骨さを増す安倍政権の「メディア潰し」!

 安倍政権のもとで、メディア規制が強まっている。

 2015年3月には、テレビ朝日の「報道ステーション」番組内で、安倍政権への批判を行った元経産官僚の古賀茂明氏が降板になった。その後、ニュースキャスターの降板が続々と決定し、2016年3月末までにテレビ朝日「報道ステーション」のメインキャスター古舘伊知郎氏、TBS「NEWS23」のアンカー岸井成格氏、NHK「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子氏の降板が決定した。

 NHKの「クローズアップ現代」と言えば、昨年2015年、やらせ疑惑の問題をうけた総務省の高市早苗大臣が、NHKの籾井勝人会長に「厳重注意」を出した。厳重注意の内容は、「(放送法の)規定に抵触するものと認められる。よって、今後、このようなことがないよう厳重に注意する」というものであった。

政府の放送介入を防ぐために作られた「放送法」を悪用する高市大臣と、当事者意識の乏しいマスコミ

 高市大臣は、「放送法」第4条2項に定められた「政治的に公平であること」を根拠に、NHKへの「厳重注意」を行った。今回の衆院予算委員会でも、この放送法に定められた「政治的公平性」が、「電波停止」の根拠となっているようだ。

 問題は、この「政治的公平性」を根拠に、政府はメディアへ介入することができるのかどうかだ。

 放送に対する権力介入を監視する第三者機関「放送倫理・番組向上機構」(BPO)は、NHKに対する政府の「厳重注意」を受け、2015年11月6日に意見書を出した。意見書は、政府が放送法を盾にメディア規制をすることは許されないとする批判を含んだ。

 根拠となったのは、放送法1条2項の定める「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」である。BPOによれば、この規定は、放送事業者側の義務を定めたものではなく、時の政府が政治的な立場から放送に介入するのを防ぐために保障されたものである。

 放送法4条2項の定める「政治的公平性」についても、BPOは「倫理規定である」との立場を取る。これは、放送法を放送事業者が番組編集にあたる際の基準とするものであるとする立場であり、政府が行政処分の根拠とする「法規範」に対置される。

 放送法をNHKへの厳重注意の根拠とした高市大臣は、放送法を「法規範」であるとする立場を示し、2015年11月10日に行われた記者会見の場でも、「放送法に抵触する事案があった場合には、放送法を所管する立場から、行政指導等の必要な対応を行うものでございます」として、BPOの意見書を退けた。

骨抜きにされた1949年放送法閣議決定――BPO委員長代行・是枝裕和監督が暴く!

 「電波停止はメディアの萎縮を招くのではないか?」という質問に対し、「放送法に基づき業務停止命令ができる」という高市大臣の答弁は答えになっていない。9日の記者会見に臨んだ際にも、高市大臣は放送事業者の放送法違反が「極端な場合には、業務停止命令の可能性も否定できない」ことを繰り返した。

 放送法4条2項の「政治的公平性」、高市大臣が触れた電波法の76条は、はたして本当に政府によるメディア介入を正当化するために規定されているのだろうか? そうだとすれば、放送法1条2項の定める「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること」と矛盾するのではないか。

 2015年11月17日、BPO委員長代行で映画監督の是枝裕和氏は、自身のサイトにて、放送法に隠されたカラクリと、それを利用した政府の「詭弁」を暴いた。

 是枝氏は、そもそも放送法を倫理規範ではなく法規範であることが自明の理であるかのように述べる高市大臣の議論に対し、次のように反論する。

 「少なくとも2000年代初頭までは総務省はじめ、政権内でも表向きはおおむね共有されていたであろう(倫理規範としての)この4条を巡る『解釈』が菅官房長官が総務相時代の2007年あたりから、『あるある大辞典』の問題をきっかけに急に『倫理規定』から『罰則』へ大きくその解釈の舵を切り、監督権の強化を声高に主張し出したわけで、歴史の長さから言っても、主張の太さから言ってもあちらを正論ととらえこちらの『倫理規定』という主張を『誤解』と切って捨てるのはあまりに乱暴ではないか」

 つまり、2000年頃まで政府も放送法は「倫理規範」であるとする立場をとっていたということだ。現在の高市大臣の発言だけを見れば、このことはまったく分からない。

・ここまでIWJ「2016/02/09 メディア規制を強める安倍政権・高市大臣がテレビへ「電波停止」の恫喝的発言!BPO委員長代行の是枝裕和氏が「放送法」のカラクリを暴く!」からの引用(抜粋)

政府の判断に委ねる放送法「電波停止」は検閲を禁じた憲法21条違反

国会では「1回の番組」でも停止になるのか、「1つの番組」なのか「局全体として」なのかも議論になっているようだが、そんな枝葉のことはある意味どうでもいい。

時の政府が判断するなら事実上の「検閲」。しかし本来の放送法の目的は全く逆。

第三者機関ではなく(第三者機関であったとしても問題だが)、時の政府(総務相)が電波の停止や放送免許の取り消しなどができるなら、言論、出版その他一切の表現の自由を保証し検閲を禁止した憲法に違反する行為に他ならない。
「公平」かどうかを時の政府が判断するなら、政府に批判的な内容が「公平ではない」と判断される可能性は極めて高い。
だが、放送法は本来、政府などの公権力が放送に圧力をかけないように定めた法律なのだ。

日本国憲法
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

そして、放送法第1条の、「この法律の目的」は、こうだ。

第1条 この法律は、次に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
一 放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
三 放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

ところが自民党の解釈は全く逆だ。時の政府を批判すること、たとえば安保法制なり憲法改正なりで、政府を批判すること自体が「公平でない」と見なす暴論だ。
「政治的な公平性を欠く」の事例について、「国論を二分する政治課題で一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す番組を放送した場合」などと列挙した。政府が全くでたらめなごまかしだらけの説明をしたら、政府のいい分もそれに対する批判と同程度の「両論併記」をしなければ「公平ではない」と判断される。

高市早苗が憲法改正に反対したテレビ局に「電波停止ありうる」と…民主主義を破壊する発言になぜテレビは沈黙するのか
きょう、民主党の玉木雄一郎議員は「憲法9条改正に反対する内容を相当の時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるか」と質問し、高市総務相はこの問いかけに「1回の番組で電波停止はありえない」が「私が総務相のときに電波を停止することはないが、将来にわたって罰則規定を一切適用しないことまでは担保できない」と答えたのだ。
 つまり、高市総務相は、“憲法9条の改正に反対することは政治的に公平ではなく放送法に抵触する問題。電波停止もありえる”という認識を露わにしたのである。
 改憲に反対し「憲法を守れ」とメディアが訴えることは、法治国家の報道機関として当然の姿勢であり、それを封じる行為はあきらかな言論弾圧ではないか。

現に、今、政府によるマスメディアへの圧力がますます強まっている。
今回の高市総務相の発言はこれに輪をかけるものだ。
もし仮に、今後この発言が撤回されたとしても、マスメデイアへの恫喝としては、十分効果を発揮しただろう。
今後政府の統一見解がどうなろうと、こうしたことを口にするだけで既に「恫喝」としての効果は絶大だ。

これだけ失政と不祥事が続き、個別政策では反対する人も多い中で、安倍内閣の支持率が高いのは、受け皿となる野党が存在しないなど様々な原因があるだろう。
しかし、マスメディアが、例えば甘利大臣の辞任を「潔い」かのような、180度逆のイメージ作りに加担していることにもあるのではないか。

前回記事でも書いた通り、今や大部分のマスメディアは、政府公報、大本営発表の伝達機関になりつつある。(放送法の対象はテレビ局だけだが、とりあえずその点はおいておくとする)
今ここで、マスメディアがこの点についてのキャンペーンを張らないとしたらジャーナリズムの自殺行為だ。
政権をチェックし批判することこそがジャーナリズムの仕事。それ以外は政府公報にすぎない。

「ジャーナリズムとは、報じられたくない事を報じることだ。それ以外は広報にすぎない。」ジョージ・オーウェル


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・参考
毎日新聞 社説 総務相発言 何のための威嚇なのか
http://mainichi.jp/articles/20160210/ddm/005/070/056000c

日刊ゲンダイDIGITAL 高市総務相が「電波停止」言及 テレビ局への政治圧力加速か
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/174994/1

IWJ 2016/02/09 メディア規制を強める安倍政権・高市大臣がテレビへ「電波停止」の恫喝的発言!BPO委員長代行の是枝裕和氏が「放送法」のカラクリを暴く!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/286707

KOREEDA.COM 誰が何を誤解しているのか?~放送と公権力の関係についての私見②~
http://www.kore-eda.com/message/20151117.html

高市早苗総務大臣の「テレビ局に対する電波停止発言」を全く報道しないNHKの異様。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/500406b5f512e52a97be6cc392026b2e

東京新聞 高市総務相「電波停止」に再び言及 報道萎縮の恐れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016021002000126.html

高市早苗が憲法改正に反対したテレビ局に「電波停止ありうる」と…民主主義を破壊する発言になぜテレビは沈黙するのか
http://lite-ra.com/2016/02/post-1962.html

安倍首相「安倍政権こそ、与党こそ言論の自由を大事にしている!」。国民「自分たちの自由はな!」。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/4e837c369c740c8ea984b6a96f7465c4

[ 2/11追記 ]
総務相「停波」発言 報道への介入をやめよ
 安倍政権、自民党の体質がまた表れた。高市早苗総務相は8、9日の衆院予算委員会で、政治的公平性を理由に放送局の電波を停止する可能性に言及した。政権、与党が報道に圧力をかけるような行動は、これまでにも何度か繰り返され、そのたびに批判があった。

 安倍政権下では、衆院選を控えた2014年11月、自民が各放送局に「公平中立」を求める文書を送付した。15年4月は放送内容に関し、党情報通信戦略調査会がNHK、テレビ朝日幹部を事情聴取し、高市氏がNHKに文書で厳重注意した。同6月には党の若手勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせ」という暴言があった。
 今回の高市氏の発言も、こうした政権、党の姿勢の延長線上にあるとみられる。
 権力を持つ側が報道を統制・検閲すれば、国民に必要な情報が伝わらず、道を誤る。戦前の経験への反省があるなら、報道への介入など出てくるはずのない発想だ。憲法が保障する「表現の自由」を脅かすことがあってはならず、報道への介入などもってのほかだ。
 高市氏は歴代の総務相らも同様の発言をしていると指摘するが、発言の趣旨は全く違う。
 「表現の自由を制約したりする側面もあることから、極めて大きな社会的影響をもたらす」(2007年、増田〓也総務相=当時)「至って謙抑的でなければならない」(10年、片山善博総務相=同)。
 増田、片山の両氏は権限があることを認めつつも、行使には慎重な姿勢を示している。大臣の権限を前面に打ち出した高市氏の発言とは全く異なっている。
 高市氏は電波停止の前提として、放送内容の公平性に言及し、根拠として「政治的に公平であること」などと定める放送法4条を挙げ「単なる倫理規定ではなく法規範性を持つ」と語った。
 NHKへの文書注意でも高市氏は同様の主張をした。安倍首相らも同様の見解だ。しかし放送法4条の解釈については、専門家の間で「倫理規範」であることが通説とされる。自らに都合の良い解釈を振りかざし、報道への介入を正当化するかのような言動も見過ごせない。
 一大臣の発言撤回で済む問題ではない。表現の自由を脅かしかねない政権に対し、首相をはじめ政権幹部は、国民が厳しい視線を注いでいることを自覚すべきだ。

増田〓也総務相の〓は(寛の目の右下に「、」)
・ここまで琉球新報<社説>総務相「停波」発言 報道への介入をやめよからの引用

【民放労連声】高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求める
高市早苗総務相は2月8日の衆院予算委員会で、政治的公平が疑われる放送が行われたと判断した場合、その放送局に対して「放送法の規定を順守しない場合は行政指導を行う場合もある」としたうえで「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と述べ、放送法4条違反を理由に電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性に言及した。

昨年来、安倍首相をはじめ閣僚や自民党首脳などから、「政治的に公平であること」などをうたう放送法4条の「番組編集準則」を根拠に、放送局に対して行政指導を行うことを正当化する発言が相次いでいる。しかし、大多数の研究者・専門家は「番組内容に関する規律は放送事業者の自律に基づくべきで、番組編集準則違反に対して電波法の無線局の運用停止や放送法の業務停止などの行政処分を行うことは表現の自由を保障する憲法上許されない」との意見であり、こうした見解はBPOの意見書や国会の参考人招致などで繰り返し表明されている。現に、番組内容を理由に政府・総務省が放送局に対して不利益となる処分を行ったことはこれまで一件もない。

それを、電波法の停波規定まで持ち出して放送番組の内容に介入しようとするのは、放送局に対する威嚇・恫喝以外の何ものでもない。憲法が保障する表現の自由、放送法が保障する番組編集の自由に照らして、今回の高市総務相の発言は明らかな法解釈の誤りであり、速やかな撤回を求める。民主主義のもっとも重要な基盤と言うべき表現の自由に係って、まともな法解釈ができない政治家であるなら大臣を務める資格はなく、私たちは高市大臣が自ら進退を明らかにされることを求める。

今回のような言動が政権担当者から繰り返されるのは、マスメディア、とくに当事者である放送局から正当な反論・批判が行われていないことにも一因がある。放送局は毅然とした態度でこうした発言の誤りを正すべきだ。また、このような放送局への威嚇が機能してしまうのは、先進諸国では例外的な直接免許制による放送行政が続いていることが背景となっている。この機会に、放送制度の抜本的な見直しも求めたい。
・ここまで【民放労連声】高市総務相の「停波発言」に抗議し、その撤回を求めるからの引用(抜粋)

[ 2/13追記 ]
【声明】高市総務大臣の「電波停止」発言に厳重に抗議し、大臣の辞任を要求する=放送を語る会、日本ジャーナリスト会議/2016年2月12日
http://jcj-daily.seesaa.net/article/433733323.html


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