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辺野古工事再開強行。日米会談でも「辺野古が唯一」と合意 ? だが事実は逆。海兵隊の移転と縮小に言及。なぜメデイアは伝えない。

日米が防衛相会談、米マティス長官「アジアの優先順位高い」

「辺野古が唯一」どころか、海兵隊の移転・縮小に言及したマティス国防長官。なぜメディアは伝えない。

マティス国防長官は一言も「辺野古」とは言わず。あたかも「辺野古で合意した」かのように言うのは日本側の脚色・誇張・うそ。

昨年3月の国と沖縄県の「和解」によって中断されていた「辺野古新基地」の本体工事が2月6日再開された。この工事再開を後押しするかのように、マティス国防長官と稲田防衛大臣の会談で、「米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古が唯一の解決策である」という点で合意したと報じられた。しかし、マティス国防長官は「辺野古」という単語は使っていない。稲田防衛大臣、または別の政府筋が、世論をミスリードさせるために嘘をついたのか、少なくとも誇張したことは確かだろう。

「普天間代替施設の建設」という表現は、それがどこのことなのかは日本政府が決めること、アメリカは関知しないという立場の現れです。ところが、稲田防衛大臣は「一にも辺野古、二にも辺野古」と発表しました。

「この計画には,日本及び地域の安全を確保する能力を保持しつつ,海兵隊員らをグアムに移転すること,並びに沖縄での展開規模を縮小することが含まれる。今回の協議で,両国は,現行の海兵隊普天間飛行基地を米国が日本に返還する唯一の解決策であることから,両国による普天間代替施設の建設作業が引き続き行われることを確認した。」
http://www.twitlonger.com/show/n_1spjf9u
海兵隊は移転縮小するとマティス長官

http://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/39a1357e02f348ea415493dfbfa5872a
http://mokuou.blogspot.jp/2017/02/blog-post_31.html
http://cocorofeel.blog119.fc2.com/blog-entry-16953.html
http://ameblo.jp/miraihamassugumiteruyo/entry-12245063815.html
防衛省の公式サイト(通訳者が訳した日本語)はこちら

余談だが、国防長官は「南シナ海での軍事的行動の必要性ない」とも述べている。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2975860.htm
マスメディアが正確に報道しないと、事柄は正反対の印象を与えてしまう。尖閣問題でも、マスメディアは、「尖閣は安保5条の適用範囲」などと報道し、馬鹿なコメンテーターが「日本人みんなが安堵した」などと奴隷根性丸出しのコメントをしている。これ以上書くと、本筋からズレるので、尖閣問題はまた後日書くことにして本題に戻そう(注1)。

沖縄駐留アメリカ海兵隊の移転・縮小は10年以上も前からの日米合意。移転・縮小なら辺野古新基地は不要。

注意してほしいのは、「この計画には,(中略)海兵隊員らをグアムに移転すること,並びに沖縄での展開規模を縮小することが含まれる」と述べていることだ。マスメディアはこの点には触れていないが、これは10年以上も前からの日米両政府の合意事項だ。

2006年、日米両政府は、在沖米海兵隊の主力部隊、大部分をグアムに移転することで合意している。2012年にはその計画を見直し、「普天間基地の移転を待つことなく」先行実施することとなった。この計画は、日本の防衛省の公式サイトにも書かれているし、予算もついている。

オバマ前大統領も安倍総理との会談で「沖縄の住民の負担も考慮して、沖縄からグアムへ海兵隊を移転させる」と述べている。これもなぜかマスメディアは報じなかったが。
http://jp.sputniknews.com/politics/20150429/262946.html
http://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/eae3bf2c3488931b8d176b50623b9aad
http://blog.goo.ne.jp/koube-69/e/515413728544c06659c2ab4086b1d5ce

オバマが、海兵隊の縮小移転に言及

Mad Dogと呼ばれているマティス国防長官は意外にもMadではなかった。代替施設として特定の地名をあげないこと、在沖米海兵隊は移転縮小すること、その二つをリンクさせないこと、尖閣は安保の適用範囲であること、などなど従来のアメリカの政策を踏襲した。余談だが、対中国強行策を取らないこと、トランプ大統領が復活させようとした「水責め」拷問にも否定的なことなど、きわめて常識的判断をする人物のようだ。むしろMadだったのは、自分に都合のいいように解釈した、ほとんど「ウソ」と言っていいレベルの発表をした稲田防衛大臣とそれを無批判に報道した(そして大事なところを報道しなかった)マスメディアの方だ。

何のことはない。在沖米海兵隊の主力部隊(の大部分)がいなくなるのだから、「辺野古新基地」など不要なのだ。このブログで何度か書いて来たが、アメリカ側が辺野古新基地を強硬に要求しているというわけではない。1995年のSACO合意では「撤去可能な」鉄の箱を海上に浮かべるという程度の話だった。移転縮小合意前でさえこの程度の話だ。2006年には在沖米海兵隊の移転縮小が日米で合意された。2012年には、普天間基地の移設とは切り離して移転縮小を進めるということでも合意した。もはや「新基地」を建設する理由などないのだ。移転縮小が実行されれば「やっぱり新基地いらなかった」と世論が反応するのを恐れてか、この計画の実行はズルズル引き延ばされている。
アメリカ側は全額日本側負担で作るなら、それを拒む理由もないという程度の話なのであろう。

「辺野古新基地」を必要としているのは、外務・防衛官僚と一部政治家、ゼネコンと、ゼネコンからの還流政治献金が欲しい自民党なのだ。

一番上の画像はニューズウィーク日本版よりお借りしました。(2017年 ロイター/Franck Robichon)

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・注1 「尖閣は安保の適用範囲」ということで合意したが、適用範囲であるかどうかと、武力で守るかどうかは全く別問題。アメリカは無人の岩(尖閣)を守るためにアメリカ人の血を流す気などありません。在日米軍基地が攻撃されれば別ですが。安保条約第5条には「自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動する」と書かれています。つまりアメリカは議会の承認がなければ軍事行動を起こすこととができません。「無人の岩」を血を流して守ることをアメリカ議会が承認するでしょうか。しかも、領土問題に関して、アメリカは関知しないという立場です。「尖閣が日本の施政権下にある」ということと「日本の領土であるかどうか」ということもまた別問題。
それにしても、アメリカに「尖閣は安保の適用範囲」と言われて喜ぶ政府、マスメディア、評論家て、どんだけ奴隷根性が染み付いているのか。アメリカは「世界の裁判官」か。アメリカは日本を守るためではなく、アメリカの利益を守るために海外にいる。
トランプに対して安倍は安倍はあけすけと本音を言った。在日米軍は「米国の前方展開戦略の要」(だから撤退しないでくれ)と。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/83938

★以下、グアム移転を巡る経過と報道・評論★
【1995年当時】
元駐日米大使の口述記録
「(米兵による少女暴行事件から)数日のうちに米軍は沖縄から撤退すべきか、最低でもプレゼンス(存在)を大幅に減らすか、米兵事件に対する起訴に関して日本側に多くの権限を与えるようすべきかという議論に発展した」
日本側は、「われわれが沖縄を追い出されることを望んでいなかった」
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-231579.html
http://www.kamiura.com/whatsnew/continues_3175.html
http://ryukyushimpo.jp/editorial/prentry-231608.html
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=83080
http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-169549.html
・(注)1995年9月に米海兵隊員による少女暴行事件が起きた。米軍による事件・事故は後を絶たなかったので、県民の怒りが爆発し、沖縄県議会、沖縄市議会、宜野湾市議会などで抗議決議が採択され、10月には85,000人を集めた集会が開かれた。これらの動きは、沖縄に集中する米軍基地の整理・縮小や、日米地位協定の見直しを求める訴えが高まるきっかけとなり、沖縄県知事も政府に対して強くその実行を迫った。
これに対し日米政府は、11月「沖縄における施設および区域に関する特別行動委員会(SACO)」第1回会合を開催。96年12月に最終報告を出し、普天間基地などの返還を決めた。

【2006年日米合意】
2006年5月の在日米軍再編を巡る日米合意で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市移設を条件に、14年までに沖縄に駐留する海兵隊員のうち8千人とその家族9千人のグアム移転が盛り込まれた。移転に伴う施設、インフラ整備費は102・7億ドルで、日本側が60・9億ドルを負担。このうち移転する部隊の司令部庁舎や隊舎、学校などの生活関連施設は、家賃や使用料による資金回収が見込めないことから、日本が28億ドルを上限に直接の財政支出をする。

視点・論点 「シリーズ・いま沖縄を考える 米軍基地集中の理由」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/221394.html
日米両政府は2005、06年に合意した米軍再編で、沖縄の海兵隊を半減させ、グアムへ移すことを決めました。2012年に米軍再編が見直され、移転する部隊の中に地上戦闘部隊、第4海兵連隊が含まれることになりました。これは沖縄海兵隊の主力部隊です。

「沖縄の海兵隊をめぐる米国の政治過程」
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/chian/research/documents/h26joint-a.pdf
2005 年に登場した沖縄県内における普天間飛行場代替施設(Futenma Replacement Facility: FRF)の建設と海兵隊グアム移転のパッケージ案は、普天間 飛行場の移設手続きを加速させ、こうした政策課題の解決に寄与するものとみられ た。しかし、この計画は実現をみないまま、2012 年に再び 2 つの案は切り離され、 グアム移転が部分的に先行実施されることとなった。

米Bloomberg Businesswek誌が2012年2月3日 米国防総省の決定を報じた――沖縄に駐留する海兵隊を、普天間基地の移転を待つことなく、グアムへ先行移設する。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120207/226952/?rt=nocnt
在沖海兵隊のうち4500人をグアムに移転する。4000人をオーストラリア、フィリピン、ハワイへとローテートする。
2006年の日米合意(再編実施のためのロードマップ)は、1)普天間基地を辺野古へ移転した後、2)米海兵隊8000人をグアムに移す。その後、3)嘉手納以南の米軍基地6施設を返還する、という3つの措置をパッケージで実行することを決めた。すなわち、普天間基地を辺野古へ移転しなければ、米海兵隊のグアム移転はできないこととなっていた。それが今回の決定で、辺野古飛行場が完成しなくても、普天間基地に駐留する海兵隊をグアムへ移転させることになった。

アメリカ海兵隊の行方――普天間は固定化されるのか 2012年2月の記事
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2012021700011.html
日米両政府は2月8日、米海兵隊普天間飛行場の移設と在沖海兵隊のグアム移転を切り離し、海兵隊のグアム移転を先行させることで合意した。

在日米軍再編見直しは日米の窮余の一策 2012年2月の記事
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2012021700013.html
2006年に日米合意した約8000人の海兵隊員とその家族約9000人のグアム移転をめぐる再検討だ。日米両政府は同8日、これまでリンクさせてきたグアムへの海兵隊移転と普天間移設とを切り離すと正式に発表。その際、出された基本計画によると、海兵隊員の一部移転や米軍嘉手納基地以南の米軍5施設の返還を先行させて進め、今年6月にも予定されていた普天間飛行場の県内移設にからむ埋め立て申請を先送りすることも決まった。

沖縄の海兵隊グアム移転、予算執行へ 米議会が合意
米上院、在沖縄海兵隊のグアム移転容認 法案可決 2014年12月
http://www.asahi.com/articles/ASGD3265CGD3UHBI006.html?iref=reca
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H16_T11C14A2NNE000/
http://www.sankei.com/world/news/141205/wor1412050049-n1.html
沖縄県に駐留する米海兵隊の一部をグアムに移転させる計画について、米議会は予算関連法案に盛り込んでいた予算執行の凍結を解除すると決めた。
日米両政府は、グアム移転計画の費用を86億ドル(約1兆200億円)と見積もり、うち28億ドル(約3300億円)を日本政府が負担することで合意している。
在沖縄海兵隊のグアム移転費の執行凍結を解除し、移転作業を容認する内容。
日米両政府は、在沖縄海兵隊約1万9千人のうち4千人をグアムに移転すると計画。

米国のオバマ大統領は、米政府が沖縄から海兵隊基地を撤去する用意のある事を確認した。2015年4月
http://jp.sputniknews.com/politics/20150429/262946.html
オバマ大統領は又「会談で合意された日米防衛協力の新しい指針は、地元住民の負担軽減のため、沖縄も含めた地域の米軍基地の移転に関する努力をさらに強めるものだ」と指摘し、さらに「私は、海兵隊員を沖縄からグァムに移転させる問題を前進させるという我々の義務をあらためて確認した」と述べた。

田中 宇氏の2009年12月の記事
官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転
https://tanakanews.com/091210okinawa.htm

宜野湾市長(肩書きは2010年記事掲載当時)・伊波洋一さん
アメリカはすでに、グアムへ沖縄の海兵隊部隊を移すことを決定しています。
米側の計画をよく調べてみれば、普天間の部隊はグアム移転が決まっている。そうなれば、普天間の「代替基地」というのは必要なくなる。当然、辺野古に新しい基地を造る必要はありません。
http://www.magazine9.jp/okinawa/100414/index.php

米国防総省、グアム移転費185億円 (産経ニュース)
日本政府は沖縄県の基地負担軽減のため、海兵隊のグアム移転を後押ししている。日米両政府の合意では、同県の海兵隊のうち9千人が日本国外に移転する計画。また両政府は海兵隊のグアム移転と米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を切り離すことでも合意している。
http://www.sankei.com/world/news/160212/wor1602120013-n1.html

防衛省の公式サイト 在沖米海兵隊のグアム移転の経緯・概要
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/iten_guam/index.html
2012年(平成24年)4月「2+2」共同発表における再編計画の調整
○ 海兵空地任務部隊(MAGTF)(司令部+航空・陸上・支援部隊)を沖縄、グアム、ハワイに分散配置、豪州へローテーション展開
○ 要員約9,000名(司令部+実動部隊)とその家族が沖縄から日本国外に移転。


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辺野古裁判で国側べったりのトンデモ判決。普天間問題の解決は辺野古が唯一の選択肢か。

NHKキャプチャー

9月16日、辺野古への移設・新基地建設計画に関して、埋め立ての前知事が行った承認を取り消した沖縄県の翁長雄志現知事を国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部は、国の主張を認め県側敗訴の判決を言い渡した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての承認を取り消した沖縄県の翁長(おなが)雄志(たけし)知事を国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は16日、国の主張を認め、翁長知事が承認取り消しの撤回に応じないのは違法だとする判決を言い渡した。「普天間の危険を除去するには埋め立てを行うしかなく、これにより基地負担が軽減される」との判断を示した。
 ■判決の骨子

 ◆普天間飛行場の被害を除去するには(辺野古の)埋め立てを行うしかない。それにより県全体として基地負担が軽減される

 ◆埋め立て事業の必要性は極めて高く、それにともなう環境悪化などの不利益を考慮しても、前知事が埋め立てを承認したことは不合理とは言えない

 ◆埋め立て承認に裁量権の逸脱・乱用はなく、違法とは言えないので、現知事の取り消し処分は違法だ

 ◆知事は、国の是正指示が出て相当期間が経過しているのに従っておらず、これは不作為で違法に当たる

辺野古訴訟、国が勝訴 知事の承認取り消し、高裁認めず

 前知事の名護市辺野古海域の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事の処分を違法とする判決が、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で下された。辺野古新基地に反対する県民世論を踏みにじり、新基地建設で損なわれる県益を守る地方自治の知事権限を否定する判決であり、承服できない。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る初の司法判断である。しかし国の主張をそのままなぞったような内容で、三権分立の原則を逸脱した判決と言わざるを得ない。翁長知事は上告審での反論とともに、知事権限を駆使して新基地建設への反対を貫いてもらいたい。

環境保全策を軽視

 判決には大きな疑問点が二つある。まず公有水面埋め立ての環境保全措置を極めて緩やかに判断している点だ。
 判決は「現在の環境技術水準に照らし不合理な点があるか」という観点で、「審査基準に適合するとした前知事の判断に不合理はない」と軽々しく片づけている。
 果たしてそうだろうか。専門家は公有水面埋立法について「環境保全が十分配慮されない事業には免許を与えてはならない」と指摘している。埋め立てを承認した前知事ですら、環境影響評価書について県内部の検討を踏まえ、「生活環境、自然環境の保全は不可能」と明言していた。
 大量の土砂投入は海域の自然を決定的に破壊する。保全不能な保全策は、保全の名に値しない。
 辺野古周辺海域はジュゴンやアオサンゴなど絶滅が危惧される多様な生物種が生息する。県の環境保全指針で「自然環境の厳正なる保護を図る区域」に指定され、世界自然遺産に値する海域として国際自然保護連合(IUCN)が、日本政府に対し4度にわたり環境保全を勧告している。
 判決は公有水面埋立法の理念に反し、海域の保全を求める国際世論にも背を向けるものと断じざるを得ない。
 判決はまた、「普天間飛行場の被害をなくすには同飛行場を閉鎖する必要がある」、だが「海兵隊を海外に移転することは困難とする国の判断を尊重する必要がある」「県内ほかの移転先が見当たらない以上、本件新施設を建設するしかない」という論法で辺野古新基地建設を合理的とする判断を示した。
 普天間飛行場の移設先を「沖縄の地理的優位性」を根拠に「辺野古が唯一」とする国の主張通りの判断であり、米国、米軍関係者の中にも「地理的優位性」を否定する見解があるとする翁長知事の主張は一顧だにされなかった。

県益より国益優先

 判決は国の主張をほぼ全面的に採用する内容だ。裁判で翁長知事は辺野古新基地により「将来にわたって米軍基地が固定化される」と指摘した。その上で「県知事としての公益性判断を尊重してほしい」と訴えたが、判決は県民の公益性よりも辺野古新基地建設による国益を優先する判断に偏った。
 「国と地方の関係は対等」と位置付けた1999年の地方自治法改正の流れにも逆行する判決と言わざるを得ない。
 上告審での訴訟継続とともに、翁長知事にはなお、「埋め立て承認撤回」や「埋め立て工事の変更申請の判断」「岩礁破砕許可の更新判断」などの法的権限が留保されている。
 IUCNの環境保全の勧告、米退役軍人が年次総会で辺野古新基地建設の中止を求める決議を行うなど、支援は海外にも広がっている。さらに国際世論を喚起することも今後の重要な方策だろう。
 翁長知事は今回の違法確認訴訟の陳述で「辺野古の問題は沖縄県だけでなく地方自治の根幹、民主主義の根幹にかかわる問題。全てが国の意思で決まるようになれば、地方自治は死に、日本の未来に禍根を残す」と訴えていた。
 上告審の最高裁が県益を代表する知事の主張に正当な判断を下すか、司法の責任が問われる。
琉球新報<社説>辺野古訴訟県敗訴 地方分権に逆行 知事は阻止策を尽くせ

辺野古違法確認訴訟 判決(要旨)

主な争点・「辺野古ありき」判決 違法確認訴訟 基地問題の本質無視

この国に三権分立はあるのか、司法の独立は ?

判決内容は、「はじめに結論ありき」。国側の主張をただコピペしただけの内容だ。判決内容を知った翁長知事は「あぜんとする内容だ」ともらしたというが、知事だけでなく、万人が「あぜんとする内容」だった。わずか2回の弁論しか行われず、議論の対象にすらならなかった沖縄の地理的優位性や海兵隊の運用についても踏み込んだ(というか、国の主張の全面受け売り)。

 (翁長雄志知事は)判決を一読した印象として「大変あぜんとしている。三権分立の意味でも相当禍根を残すと思っている上、こういった一方的な内容の場合には県民のより大きい反発と結束がこれから出てくるのではないか」と語った。
「政府追認機関だ」 翁長知事、三権分立に禍根と批判

 判決はお粗末な内容だった。沖縄の弁護団や記者たちが「これでは国の訴状のコピペだ」と苦笑するしかない文章が並ぶ。特に沖縄の地理的優位性や海兵隊の運用といった軍事的なファクトで専門家の意見もわかれる内容について、今回の法廷では証人も採らず踏み込んだ議論もなかったはずが、なぜここまで断言できるのか首を傾げるしかない。
 「アメリカ海兵隊を沖縄以外に移せないとする国の判断は、戦後70年の経過や現在の情勢から見て合理性がある」「ほかに県内の移転先は見当たらない」
 国側の主張を100パーセントなぞった内容でしかなく、裁判官らの判断はどこから来たのか、根拠はどこにあるのか全く不明だ。国がほかの移転先を真剣に検証したのかどうか。代替施設が必ず必要なのかどうか。様々な意見や資料に当たることなく導き出した判決は、裁判官個人の持論でしかなく客観性に欠ける。プロの書く判決ではない。
 以下の部分も、なぜここまで踏み込んで、あえて国にお墨付きを与えたのか解せない。
 「普天間飛行場の辺野古移設は、県全体としては負担軽減になる」
 「辺野古の基地建設に反対する民意には沿わないとしても、その他の基地負担軽減を求める民意に反するとはいえない」
自衛隊と機動隊とヒラメ裁判長~沖縄県、高裁で国に敗訴~

 違法確認訴訟の県側代理人をつとめている加藤弁護士は、県側敗訴を言い渡した福岡高裁那覇支部の判決は地方自治の制度を軽視しているほか、辺野古移設が出来なければ普天間基地が固定化すると断定するなど、国の主張を一方的に取り入れた政治的なものだと強く批判しました。
 「辺野古に移設すべきかどうか、必要性があるかないかということについて、最終的には民意が決めることです。裁判官がこんな判決をしたこと自体は権限を逸脱していると言わざるを得ない」
辺野古判決に県側弁護士“裁判所の権限逸脱”

RBC THE NEWS「辺野古判決に県側弁護士“裁判所の権限逸脱”」

なぜこのような国側べったりのトンデモ判決が出たのか。国側の言いなりになる人物を裁判長に据えるという露骨な人事政策がその背景にある。辺野古トンデモ判決の裏に裁判所の露骨人事! リベラルな裁判官を異動させ行政べったりの裁判官を抜擢

普天間問題の原点はどこにあるのか (沖縄問題のおさらい) 辺野古移設が唯一の解決策か

9月4日にNHKが『ニッポン人のギモン「在日米軍基地」』を放送した。部分的には、比較的良心的な内容で普天間問題などを解説した(ただし全体としては安保条約肯定で「日本を守るために米軍がいる」という主張なども混じっている。米軍は日本を守るためではなくアメリカの世界戦略のために日本にいるのだが)。
(リンク先サイトはやや画質・音声が悪いのが残念だ)

この番組の一部書き起こし(要旨)はこちらのサイト↓にもある。かなりブログ主の主観が混じっているが(^_^;)。

在日米軍基地のギモンを解消!基礎講座・コレは知っておいてね!

NHKの「ニッポン人のギモン ”在日米軍基地”」に疑問!

NHK「ニッポン人のギモン 米軍基地がなぜ日本に」

・沖縄は、先の大戦で県民4人に1人が亡くなるという大きな被害を出した。
・戦後は、日本から切り離され米軍の占領下に置かれた。米軍占領下の沖縄に、本土を追い出された米軍が移駐してきた。
・本土復帰の際に「本土並み」を望んだが、むしろ在沖米軍基地は増えた。

にもかかわらず、いまだに沖縄に大きな基地負担を押し付けている事が問題の背景。

・もともと、普天間基地は、住民が収容所に入っている間に、家や道路や墓があったところに米軍が勝手に作った。
 だから普天間基地内には墓があり、自分の墓に行くにも米軍の許可が必要。

・1995年の少女暴行事件や2004年の米軍ヘリの沖縄国際大学(普天間基地の隣にある)への墜落事件を受けて、普天間基地撤去の運動が高まった。
 
・解説委員 『そんな危険な基地はもう出ていってくれ』ということで、日米両政府が協議をして合意をした。
 ”閉鎖撤去” が先ずあったはずだった。アメリカ軍のせいでこうなったんだから出ていってね、というはずだったのに、いつの間にか “移設が前提” になったから、沖縄の人は納得できない」
 「もともと、お願いして来てもらった基地じゃないのに、同じようなものを別のところにたらい回しにつくられるってことは耐え難いことですよね」

・ゲスト(千秋) 沖縄からしたら、自分のところの政府もやってくれない、しかも大きなアメリカもいる、味方がいないみたいな

・ゲスト(オリラジ) 日本政府が沖縄と一緒になってアメリカに抗議(交渉)しようという事にはなっていない。そこがなんか気持ち悪くはあるね。

米軍が勝手に作った普天間基地、その基地が危険きわまりないのであるから、無条件で撤退閉鎖が筋である。少なくとも県外・国外移設が県民の民意である。百歩譲ったとしても、SACO合意時点ですら代替条件付きではあったが、代替施設として検討されたのは「嘉手納統合案」や「東海岸の海上に(撤去可能な)ヘリポートを浮かべる」という案であった。SACOで合意されたのは、耐用年数200年、大型艦船の接岸可能な港湾施設や「弾薬搭載エリア」があり、核弾頭持ち込み可能な辺野古弾薬庫との一体運用が可能な、現在のような「新基地建設」基地機能強化案ではない。普天間基地には弾薬搭載エリアは無く(弾薬を搭載するためには一度嘉手納基地に移動する)、もちろん海に接していないので港湾施設も無い。辺野古は、老朽化した普天間基地を大幅に機能強化して最新化する新基地である。

(a)平成8年12月2日に開催された日米安全保障協議委員会(SCC)において、池田外務大臣、久間防衛庁長官、ペリー国防長官及びモンデール大使は、平成8年4月15日の沖縄に関する特別行動委員会(SACO)中間報告及び同年9月19日のSACO現状報告に対するコミットメントを再確認した。両政府は、SACO中間報告を踏まえ、普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、同飛行場の返還及び同飛行場に所在する部隊・装備等の沖縄県における他の米軍施設及び区域への移転について適切な方策を決定するための作業を行ってきた。SACO現状報告は、普天間に関する特別作業班に対し、3つの具体的代替案、すなわち(1)ヘリポートの嘉手納飛行場への集約、(2)キャンプ・シュワブにおけるヘリポートの建設、並びに(3)海上施設の開発及び建設について検討するよう求めた。
(b)平成8年12月2日、SCCは、海上施設案を追求するとのSACOの勧告を承認した。海上施設は、他の2案に比べて、米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質にも配意するとの観点から、最善の選択であると判断される。さらに、海上施設は、軍事施設として使用する間は固定施設として機能し得る一方、その必要性が失われたときには撤去可能なものである。
SACO最終報告(仮訳)

このブログでも何度も書いてきたが、そもそも日米両政府は、在沖米海兵隊の削減で合意しているし、現時点でさえ、在沖米海兵隊は実戦部隊がほとんどいない幽霊師団となっている(沖縄に駐留する米海兵隊の語られない真実 抑止力ない”幽霊師団”)。新基地が必要という合理的理由、必要性がない。

これまでも、アメリカは何度も兵力削減や沖縄からの部分撤退を検討してきた。その都度それを押しとどめてきたのは、日本政府の側である。鳩山内閣時代には、防衛・外務官僚は時の首相をニセ文書で騙してまで、辺野古に固執してきた。辺野古に固執しているのは、アメリカ側ではなく、米軍側の意向を忖度(そんたく)して、事を強引に押し進めている日本側の安保村の政治家、官僚であり、工事を請け負う大手ゼネコンである。普天間と辺野古はセットという発想こそが迷走の原因だ(その点で、 NHKの番組内で「日本はアメリカの顔色をうかがわざるを得ない」という解説があったのは不適切、残念である)。にもかかわらず、判決では、辺野古移設が唯一の解決策であり、これを中止すれば国際関係にひびが入るという議論を展開している。さらに「普天間飛行場の被害を除去するには本件新施設などを建設する以外にない。建設をやめるには普天間飛行場による被害を継続するしかない」とまで言っている。完全に事実関係に背を向け、政府見解を擁護するための判決でしかない。

地方自治体は国の下請け機関ではない。和解勧告の精神に反する今回の判決。

もうひとつ、判決ではきわめて乱暴な議論が展開されている。全知事が基地建設に反対したら「国の判断が覆されてしまう」から「尊重すべきだ」という議論だ。まるで、地方自治体は国策に従え、と言わんばかりだ。

だがこれはダブルスタンダードだ。海兵隊の岩国移転やオスプレイの佐賀空港移転は、地元の反対で断念したではないか。よりによって、これまでも戦前戦後を通じ国策の犠牲となってきた沖縄に、さらに国策を押し付けるのか。まさに沖縄に対する差別というしか無い。

もし、これがダブルスタンダードでないとしたら、日本は戦前のようなファシズム・中央集権国家となってしまうであろう。軍事基地にしろ、原発にしろ、核廃棄物処理施設にしろ、国策に地方自治体は文句を言うな。国は、地方自治体や地主の意向を無視して軍事基地建設を好き勝手できる事になるし、万が一、日本に徴兵制が敷かれた場合には「良心的兵役拒否」など認められないであろう。

こうした理屈は、先の和解勧告の精神にも反する。1999年の地方自治法改正で、国と地方公共団体は「対等・協力」の関係になった。だから、和解勧告は「オールジャパンで最善の解決策を合意して、米国にも協力を求めるべきである」という、本来の解決策を示した(とても同じ裁判官が書いたとは思えない)。

NHKの番組で、ゲストが「沖縄からしたら、自分のところの政府もやってくれない、しかも大きなアメリカもいる、味方がいないみたいな(現状はおかしい)」「日本政府が沖縄と一緒になってアメリカに抗議(交渉)しようという事にはなっていない。そこがなんか気持ち悪くはあるね。」と発言したのは当然であろう。何度でも書くが、アメリカ側が辺野古に固執しているわけではない。

翁長知事が判決を不服として最高裁に上告したのは当然であろう。


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沖縄での米兵によるレイプ事件。二重三重の差別構造。

米兵女性暴行に抗議 辺野古集会に2500人参加

沖縄での米兵によるレイプ事件。
普天間返還のきっかけとなった少女暴行事件から20年。
ホントにいつまでこんな事が続くのか。

これに抗議する辺野古での集会を地元「琉球新報」「沖縄タイムス」は「速報」で報じましたが、本土マスコミはほとんど報道していません。この事が沖縄の基地問題を象徴しているように思います。

・米兵によるレイプ —- 構造的な暴力装置(外部に対してはもちろん内部でも強制力を持って部下を命令に従わせる)である軍隊には、弱いもの(女性)への人権蹂躙はつきものです。

・また日米安保と地位協定によって、日本は米国の属国となっている。今回の事件は宗主国が属国の人権など配慮していない事の象徴です。アメリカでは野生動物の生態系に与える影響云々で米軍機の飛行ルートを制限するのに、日本では、普天間でも厚木でも、堂々と住宅地の上を飛ぶ。公務中の米兵の事件事故の際、裁判権は日本にはない。日本側に裁判権がある場合でも起訴するまで被疑者を拘束する権利は日本側にはない (今回のケースでは日本側の警察に逮捕・拘束されましたが)。被災者仮設住宅の5倍以上の広さの米兵住宅を一万戸(1979〜2015年)思いやり予算で建設。思いやる相手が違う。

・今回同様の事件が首都東京で起こればマスメディアはもっと騒ぐでしょう。国内植民地とでも言うべき沖縄で起きた事だから騒がないの ??

「軍隊による女性の人権蹂躙」「アメリカによる日本人の権利侵害」、そしてそのふたつは沖縄に限った話ではないにも関わらず「本土による沖縄への”無視”という差別」、三重の差別構造を見るようで情けなく、腹立たしく、許しがたく思う。

今回のこのエントリーはただ、これらの記事を読んでいただきたい。以下の記事は、沖縄2紙のうちの片方「琉球新報」の記事で、これでも女性暴行事件に関する全記事ではない。女性暴行の他にも米軍関連事件は山のようにある。まさしく「半植民地状態」というほかない。最近の女性暴行事件に限ってみても事件の多さ(事件にならない泣き寝入りも多いと推測できる)、報道量、繰り返される実効性のない「綱紀粛正」、そして2012年の事件で犯人が動機について「事件の日にグアムに行くため、暴行しても捕まらないと安易な気持ちで犯行に至った」などと述べていること、など感じる事は多くあると思う。

琉球新報 米兵女性暴行に抗議 辺野古集会に2500人参加 2016年3月21日 14:15
 米兵による女性暴行事件に抗議する「緊急県民抗議集会」が21日午後2時、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で始まった。主催者発表で2500人が集まった。集会は沖縄平和運動センターや平和市民連絡会、県統一連、ヘリ基地反対協議会など、平和・市民団体などでつくる「基地の県内移設に反対する県民会議」が主催した。参加者は被害者の女性への謝罪と補償や実効性のある抜本的な対策、日米地位協定の全面改定などを求めた。【琉球新報電子版】

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琉球新報 知事「強い憤り」 米兵女性暴行事件 2016年3月15日 05:04
 翁長雄志知事は14日午前、米兵による女性暴行事件が発生したことについて「女性の人権を蹂躙(じゅうりん)する重大な犯罪であり、決して許すことはできない。強い憤りを覚えている」と述べ、米軍に抗議する意向を示した。県庁で記者団の質問に答えた。
 翁長知事は「米軍などに対して強く抗議し、捜査の進展を踏まえつつ、厳しく対処する。被害者の心情や意向にも十分配慮して適切に対応していきたい」と話した。被害者が観光客であることについて「基幹産業である観光産業にも大変重要な影響を及ぼしかねない。極めて遺憾だ」と述べた。
 同日午後に県庁で開かれた記者会見では、県や市町村が米軍人の綱紀粛正や教育の徹底に関して沖縄防衛局などの関係機関への抗議要請で膨大な時間が割かれているとして「これからのもの(抗議要請)に対する基本的な姿勢を考えてもらいたい」と述べ、要請を待たずして政府機関の方から県や市町村に説明することの重要性を指摘した。
 同日午後、在沖米軍トップの四軍調整官に電話で事件に抗議した。

琉球新報 <社説>米兵女性暴行 兵員削減しかない 許し難い蛮行繰り返すな 2016年3月15日 06:01
 沖縄の米軍基地の存在は人権侵害と直結していることがあらためて照らし出された。この地に住み、あるいは観光に訪れる女性の尊厳を踏みにじる許し難い蛮行である。
 後を絶たない在沖米兵による女性暴行に強い憤りを表明する。
 日米安保の名の下に二万数千人の兵士が沖縄に駐留し続ける限り、自身を制御できずに弱い立場の女性を襲う兵士が紛れ込むのだ。
 在沖米兵による性被害はもはや統計学的に防げない。
 大規模な在沖基地縮小、米兵の大幅な削減以外には女性の人権を守る術(すべ)はないのではないか。

「綱紀粛正」は空証文
 那覇署は、女性が寝ている間に性的暴行を加えたとして、準強姦(ごうかん)の容疑でキャンプ・シュワブ基地所属の米海軍1等兵を逮捕した。
 全く面識のない被害者がホテルの廊下で寝込んでいたところ、酒に酔った容疑者が自室に連れ込んで卑劣な犯行に及んだとみられる。安全が約束されたはずの宿泊施設でも安心して休めない。観光で訪れた沖縄の地で見ず知らずの米兵に襲われた被害者の心中は察するに余りある。
 観光客が被害に遭った今回の事件は好調が続く沖縄観光に影を落としかねない。県内経済界のリーダーは一斉に事件を強く非難した上で、沖縄が危険な観光地と見なされることを危惧している。
 私たちはこれまでも、米軍基地の存在は沖縄の経済振興の最大の阻害要因と主張してきた。観光への風評被害さえ懸念される今回の事件は、それを間接的に証明していよう。
 凶行の再発を防げなかった日米両政府の責任は大きい。事件のたびに繰り返されてきた「綱紀粛正」と「再発防止」はもはや空証文に等しいのではないか。在沖米兵は沖縄社会にとって異物であり、「招かれざる客」であることを自ら証明したと言えるだろう。
 2014年12月、在日米軍は沖縄の4軍の軍人・軍属の飲酒に関する制限を大幅に緩和した。午前0時から5時までを除き飲酒場所や量の制限がなくなった。その後、米兵が容疑者となる飲酒運転事件などが頻発し、われわれは綱紀の緩みを再三指摘してきた。
 今回の事件を起こした容疑者と同僚の兵士数人は本来であれば、飲酒が禁じられた時間帯に酒に酔ってホテルに宿泊していた。禁止時間帯に基地外で酒を飲み、組織の監視の目を逃れていたのだ。在沖米軍のたがの緩みは明らかだ。

「人権侵害」を証明
 昨年9月、国連人権理事会で演説した翁長雄志知事は米軍基地の過重負担をめぐり、こう訴えた。「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」
 これに対し、菅義偉官房長官は「人権や基本的自由の保護などを主な任務とする人権理事会で、沖縄の米軍基地問題が扱われたことに強い違和感がある」と述べ、知事演説を場違いと批判した。
 あれから半年もたたない中、最たる人権侵害である女性暴行事件を沖縄の米兵が起こした。国際社会に基地の島・OKINAWAの現実を発信した知事の国連演説の内容は、沖縄戦後史が証明する紛れもない真実である。
 それを菅氏はどう考えるのか。米側に遺憾の意を示すだけでなく、人権侵害を絶つ抜本的対応策を示すことが基地負担軽減相を兼務する菅氏の第一の役割だろう。
 それは米軍普天間飛行場の移設を伴う名護市辺野古への新基地建設をやめることと同義だ。
 今回の事件で沸き起こった県民の怒りは、安倍政権が沖縄の民意を組み敷き、知事の権限を剥奪する法的手段を取ってまで強行する辺野古新基地問題への憤りと重なる。県民は強権的な新基地建設で負ったかさぶたを鋭利な刃物で剥がされるような痛みを感じている。
 日米両政府の対応には新基地建設の障害となる米兵事件への反発を早く収拾したいという底意が透けて見える。それでは沖縄の不条理を改めることはできまい。

琉球新報 米兵女性暴行、広がる怒り 女たちの会「軍隊の構造的暴力」 2016年3月16日 05:05
 那覇市内で13日に発生した米兵による女性暴行事件を受け15日、県内の女性団体や基地所在市町村長らから抗議の声が大きく広がった。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)は同日、県庁で会見し、被害者への謝罪や全米兵の基地外行動の禁止などを求める抗議声明を発表した。さらに基地所在市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は同日、在沖米軍などに抗議した。那覇市議会は被害者への完全補償や再発防止などを求める意見書案、抗議決議案を17日の最終本会議で可決する見通しだ。
 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が発表した声明「被害者への十分な対処を求め、米軍の撤退を求める要求書」は、那覇市内で米兵による性暴力事件が相次いでいることを挙げ、事件を「兵士個々の犯罪にとどまらず駐留する軍隊による構造的暴力だ」と指摘した。
 2010年、12年にも那覇市内で女性暴行未遂事件などが発生したことを挙げて(1)被害女性のプライバシーを守り、心身の十分なケアを図る(2)被害者への謝罪と加害米兵の厳正な処罰(3)全米兵の基地外行動の禁止(4)日米地位協定の抜本的改正(5)沖縄の全基地、軍隊の撤退-を求めている。
 女たちの会は、容疑者がキャンプ・シュワブ所属であることに関し、新基地建設に反対する行動がシュワブ前で続いていることを挙げて「米軍に人権意識が欠如し、抗議行動への認識が皆無であることを表している」と指摘した。安倍晋三首相やオバマ米大統領ら、日米各機関に送付する。
 高里共同代表は「米兵が(事件事故防止のための)リバティー制度を逆手に取って那覇市内に宿泊する事例が増え、懸念していた。日米両政府には(規制を逃れて)朝帰りする米兵をどうなくすのか、具体的な対策を求めたい」と述べた。
 糸数共同代表は「日米両政府は綱紀粛正と再発防止に力を入れると言うが、いつまで同じことを繰り返すのか。米軍が駐留する限り事件は起きる」と憤った。
   ◇    ◇
 【北中城】県と基地所在市町村で構成する県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は15日、米兵による女性暴行事件の発生を受けて在沖米国総領事館と在日米軍沖縄調整事務所に対し、抗議した。在沖米軍基地の負担軽減や普天間基地の5年以内(2019年2月まで)の運用停止なども要請した。
 軍転協副会長の桑江朝千夫沖縄市長は要請後、記者団に対し「基地を抱える沖縄県で絶対あってはならないことだ。(住民は)不安は隠し切れない」と強い憤りを示した。米軍による事件・事故が繰り返されていることについて「絶対に許されるものではない。こういったことが再び起こると県民の心のマグマに触れることになる」と述べ、沖縄側の怒りのうっ積に目を向けるよう促した。
 この日は基地負担軽減の要請行動が当初から予定されていたが、事件を受けて抗議を急きょ盛り込み、「綱紀粛正の取り組みなどこれまでの努力や過去の教訓が十分に生かされておらず、激しい怒りを禁じ得ず強く抗議する」との文書を提出。事件が発生した那覇市の城間幹子市長のほか、構成自治体の首長らも同行した。城間市長は「那覇市は観光客も多く、みんなショックを受けている」と伝えたという。
 桑江市長によると、ジョエル・エレンライク総領事は「大変遺憾に思っている」などと返答。ブレイディー・クロシェー在日米軍沖縄調整事務所長(大佐)は「捜査には全面的に協力する。今後教育プログラムを徹底する」と話したという。

琉球新報 米兵女性暴行 那覇市議会が抗議決議 地位協定見直し、基地整理縮小要求 2016年3月17日 10:37
 那覇市議会(金城徹議長)は17日午前の2月定例会最終本会議で、13日に市内で発生した米軍キャンプ・シュワブ所属の米海軍1等水兵による準強姦(ごうかん)事件に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決した。
 抗議決議・意見書は「女性の人権を蹂躙(じゅうりん)し、平穏な観光旅行を脅かすもの」と糾弾。(1)被害者への完全補償(2)実効性ある再発防止策(3)日米地位協定の抜本的見直し(4)在沖米軍基地の整理・縮小と米兵削減の促進―を求めている。
 意見書の宛先は安倍晋三首相や衆参両院議長など。抗議決議は米国大統領や在日米軍司令官など。今後、日程を調整して在沖米総領事など関係機関に抗議決議文を直接手渡す方針。
【琉球新報電子版】

琉球新報 米兵女性暴行に2500人抗議 辺野古集会 基地外泊禁止を要求 2016年3月22日 05:05
 13日に那覇市で起きた米軍キャンプ・シュワブ所属の水兵による女性暴行事件を受け、平和・市民団体などでつくる「基地の県内移設に反対する県民会議」は21日午後、緊急抗議集会を名護市辺野古のシュワブのゲート前で開いた。主催者が目標に掲げた千人を上回る2500人(主催者発表)が集まり、事件に抗議した。参加者は「何度も繰り返される米兵事件に県民の怒りは頂点に達している」と怒りの声を上げた。
 集会決議では被害者の人権保護と謝罪、米兵の深夜外出や飲酒を規制する「リバティー制度」の強化と全県での宿泊禁止のほか、日米地位協定の改定や沖縄からの米軍撤退を求めた。
 県民会議は沖縄平和運動センターや平和市民連絡会、県統一連、ヘリ基地反対協議会などで構成する。集会では稲嶺進名護市長や女性団体代表で「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表らが登壇した。米軍普天間飛行場の移設に伴う辺野古の新基地建設計画の断念を求める声も相次いだ。
 事件は13日、那覇市のホテルで発生した。那覇署によると、シュワブ所属の米海軍1等水兵(24)が、熟睡して抵抗できない観光客の女性に性的な暴行を加えた疑い。準強姦(ごうかん)容疑で逮捕、送検された。県議会は22日に抗議決議、意見書両案を全会一致で可決する見通し。

琉球新報 <社説>米兵事件抗議集会 これ以上人権蹂躙許さない 2016年3月22日 06:02
 名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前で開かれた米兵による女性暴行事件に抗議する「緊急県民抗議集会」には、主催者発表で2500人が集まった。目標の千人を大きく上回る人々が駆け付けた。事件に対する県民の怒りが大きいことを示すものだ。日米両政府は深刻に受け止めるべきだ。
 沖縄の施政権が日本に返還された1972年以降、米軍関係者による刑法犯摘発は2015年末時点で5896件、5815人に上る。このうち女性暴行事件はことし最初に摘発された今回の事件を含めると130件、148人となる。これらの数字は沖縄に過重な基地が集中していることによって、住民の人権が蹂躙(じゅうりん)されてきた傷痕といえる。
 集会場所のシュワブ前の歩道は次々と駆け付ける人々でぎっしりと埋め尽くされた。そして女性の姿が多く見受けられた。乳児を胸に抱えた若い母親は真剣な表情で登壇者の話に耳を傾け、子どもたちを連れて来た母親のグループは「だれの子どももころさせない」と書かれた横断幕を基地に向けて掲げていた。参加者一人一人が事件をひとごとではなく、わが事として受け止めているのだ。
 性的暴行という犯罪は相手の気持ちを踏みにじり一方的な力でねじ伏せて陵辱する非道行為だ。事件だけではない。相手の気持ちを踏みにじり、一方的な力でねじ伏せる行為が県内でほかにも起きている。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画だ。
 名護市長、県知事、沖縄4選挙区で当選した衆院議員の全員が移設反対を掲げ、県内世論調査でも県内移設反対が7~8割を占める中、政府は沖縄の民意を踏みにじって建設を強行してきた。
 2011年、当時の沖縄防衛局長は辺野古移設の環境影響評価書の提出時期を明言しない理由について「犯す前にこれから犯しますよと言いますか」と発言した。政府の本音だろう。新基地建設こそ県民に対する陵辱ではないか。
 集会では「すべての米軍は沖縄から撤退すること」を求める決議が採択された。新基地だけでなく全基地撤去も求めた。最後に参加者全員で「沖縄を返せ」を合唱した。その歌声は「基地のない平和な沖縄を返せ」との願いだ。これ以上、軍事基地による人権蹂躙を繰り返すことは決して許されない。

琉球新報 米兵女性暴行 県議会が抗議決議、意見書 綱紀粛正に「実効性」要求 2016年3月22日 11:55
 県議会(喜納昌春議長)の臨時本会議が22日午前開かれ、今月13日未明に那覇市内で発生した米兵による女性暴行事件に対する抗議決議と意見書の両案をいずれも全会一致で可決した。25日に米軍基地関係特別委員会の県議らが県内の日米の政府機関や米軍に直接抗議・要請する予定。
 決議では「米軍における再発防止への取り組みや軍人への教育の在り方が機能していないと言わざるを得ず、激しい怒りを禁じ得ない」として、綱紀粛正のほか、日米両政府に対し県の提言を受けて実効性のある教育や規制の在り方を協議、実施する仕組みづくりなどを求めている。
 宛先は抗議決議が駐日米国大使や在日米軍司令官、第3海兵遠征軍司令官など14者、意見書が首相や外相、防衛相、沖縄担当相の4者。【琉球新報電子版】

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2012年の事件

琉球新報 米兵女性暴行に抗議 沖縄市民大会に1300人
 2012年11月1日 09:45
 【沖縄】本島中部で発生した米海軍兵による集団女性暴行致傷事件に抗議し、オスプレイの配備撤回を求める沖縄市民大会(同実行委員会主催)が31日夜、沖縄市民会館で開かれた。
 県婦人連合会が共催。1300人(主催者発表)が集まり、米軍が普天間飛行場に配備した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの撤去を求めるとともに、米海軍兵による集団女性暴行致傷事件に怒りをあらわにした。
 市実行委には、これまで基地問題に絡む集会への組織参加には慎重姿勢だった経済団体も名を連ねた。
 基地周辺自治体では、県民意思を無視する形での基地運用や米軍人犯罪に対し、日米安保への立場を問わず不安や反発が広がっている。
 大会ではオスプレイ配備の早急な撤回や普天間飛行場の閉鎖・撤去、女性暴行事件被害者への謝罪と完全な補償、米軍の再教育プログラム公表、米軍人犯罪の取り扱いなどを定めた日米地位協定の抜本改定を求める決議を採択した。一方、登壇者や参加者からは、さらに踏み込んだ形で基地撤去を求める声も相次いだ。
 登壇した実行委員長の東門美津子市長は「市民、県民の意向を一顧だにせず、オスプレイが配備され、県内全域で訓練が始まった。戦後67年がたっても繰り返される事件、事故は差別であり、人間の尊厳への挑戦だ。私たちの切なる願いは繰り返される事件、事故に終止符を打つことだ。全ての人の人権が守られ、安心して生活できる沖縄を取り戻すことだ」と訴えた。
 県婦人連合会の平良菊会長は「危険なオスプレイは住宅密集地や学校など関係ないとばかりに上空を飛び、路上では安心して女性が歩けない。まるで無法地帯だ」と強調した。その上で「日米両政府に言いたい。もし身内に被害があったら『これも日本の安全のため、防衛のためだから我慢しなさい』と言えるのか」と問い掛けた。

琉球新報 2米兵女性暴行 起訴事実認める 2013年2月27日 09:55
 本島中部で2012年10月に県内の女性を暴行し、けがを負わせたとして、集団女性暴行致傷の罪などに問われた米テキサス州フォートワース海軍航空基地所属の米海軍上等水兵(24)と同3等兵曹(23)の裁判員裁判の初公判が26日、那覇地裁(鈴木秀行裁判長)であった。
 上等水兵は起訴事実を「認めるが(暴行前の)共謀はない」と述べ、3等兵曹は「認めます」とそれぞれ大筋で認めた。量刑が争点となる。
 弁護側の弁論で3等兵曹は犯行の動機について「事件の日にグアムに行くため、暴行しても捕まらないと安易な気持ちで犯行に至った」などと述べていることが明らかになった。
 冒頭陳述で検察は「2人は飲酒後、歩行中の女性を発見し、3等兵曹が声を掛けたが無視されたことで上等水兵に犯行を持ち掛けて暴行に至った」と主張。「女性は殺されるかもしれないという恐怖から抵抗できない状況だった」と指摘した。
 また被害女性の供述調書を読み上げ「私を暴行し、私のお金や持ち物を奪った犯人を許さない」と処罰感情が強いことを訴えた。
 弁護側は「反省の意を示している。米軍人の犯罪は目に余るので厳しく処罰しなければならないということではなく、公正・公平な判決を求める」と訴えた。
 被告人質問のやりとりでは、暴行を持ち掛けた経緯や誰が主犯かなどについて両被告の主張が食い違う場面も見られた。27日に検察側が論告求刑し、3月1日に判決が言い渡される。上等水兵は女性から現金を奪ったとして強盗の罪にも問われている。

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琉球新報 <金口木舌> あなたは悪くない 2013年4月22日 08:05
 「深夜に歩いている女性に落ち度があるのでは」。12年前、県内で起きた米兵女性暴行事件で、被害者を批判する電話がかかってきた
 ▼事件への怒りの電話が多数ではあったが、被害者の「落ち度」をただす声はほかにもあった。過熱する報道の二次被害も深刻だった。同僚と「性暴力の被害者の落ち度を問う偏見、報道が告発する声を封じ込める」と署名記事を書くと名指しで批判された。女性に伝えたかった。「あなたは悪くない」と
 ▼性暴力被害者を心理的、医療的、司法的に支える拠点がワンストップ支援センターだ。全国に6カ所設置されている。「被害直後の急性期支援で大事なことは『死なせない』こと」。性暴力被害者の言葉が早期支援の重要性を的確に表している(2日付社会面連載「生きる力に」)
 ▼沖縄にワンストップ支援センターを設置しようと市民が動きだした。20日、那覇市であったシンポジウムでは「24時間、365日対応できるセンターを」「公的補助があれば医療機関やスタッフの協力も得やすい」との声が上がった
 ▼未成年が危険にさらされている深刻な現状も報告された。内閣府の調査によると、性暴力を受けた女性の7割が誰にも相談できず「泣き寝入り」している
 ▼いつでも駆け込めるセンターが必要だ。つらく苦しんでいる人たちを受け止める社会こそ成熟した社会ではないか。

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2003年の事件

琉球新報 事件続発で平和団体が抗議集会/米兵女性暴行致傷 2003年6月18日 10:38
【金武】女性暴行致傷事件で逮捕状が出た米軍キャンプ・ハンセン所属の海兵隊上等兵ホゼ・トーレズ容疑者(21)の身柄の即時引き渡しを求め、沖縄平和運動センターと北部地区労などは17日、金武町の同基地第一ゲート前で緊急抗議集会を開いた。約80人の組合員らが集まり、「地位協定の抜本的改正を」「基地あるがゆえの事件。海兵隊は撤退すべきだ」など、度重なる米兵の事件に怒りの声を上げた。
参加者は「米兵の身柄を即時に引き渡せ」「『運用改善』ではだまされないぞ」とゲートに向かいシュプレヒコールし、拳を突き上げた。
同センターの喜納昌春副議長は「8年前の少女乱暴事件以来、県民は人権、暮らしを守る闘いをしてきた。しかし事件は後を絶たず、県民は極限状態だ」と糾弾。又吉秀夫北部地区労議長は「米軍、政府は事件のたびに『遺憾に思う』と言いながら、またこのような事件が起きた。ばかにされて黙っているわけにはいかない」と憤り、日本政府の姿勢も厳しく批判した。
前参院議員の照屋寛徳弁護士は「沖縄の広大な基地を認める人は、全員この事件の共犯者だ。小泉純一郎首相も川口順子外相もベーカー駐日大使もここに来て、事件が民間地域で起きていることを知るべきだ。逮捕状を取っても執行できない、こんな主権国家がありますか」と怒りをあらわにした。
ゲートは閉められ、基地内では米兵ら約10人が集会の様子をうかがっていた。
◇同僚米兵が取り押さえ
女性暴行致傷事件で、県警が逮捕状を取った米軍キャンプ・ハンセン所属の海兵隊上等兵、ホゼ・トーレズ容疑者(21)は、被害者の女性=当時(19)=の訴えを聞いた同容疑者の同僚の海兵隊員に取り押さえられ、米軍憲兵隊に身柄を引き渡されていたことが17日、分かった。また、関係者らによると、女性は事件当日訪れた金武町内の飲食店で、友人の紹介で初めて同容疑者と知り合ったという。
捜査関係者らによると、被害者の女性は友人らと一緒に金武町内の飲食店を訪れ、トーレズ容疑者を紹介された。同容疑者は女性と店を出た後、近くの建物の敷地内で犯行に及んだ。女性は飲食店に戻り、友人らに被害を訴えた。犯行を知った同僚の海兵隊員が、店の近くにいた同容疑者を捜し出し、取り押さえたという。
トーレズ容疑者は米軍捜査機関の取り調べで犯行を認めたため、同機関はキャンプ・ハンセン内の拘置所に同容疑者を拘禁している。今月上旬、県警が行った任意の事情聴取に対し、同容疑者は女性を殴ったことは認めたものの、女性暴行の容疑は否認した。

琉球新報 [ニュース透視鏡]身柄引き渡し、米の好意頼みに埋まらぬ不信感 2003年6月19日 09:54
金武町で発生した米兵女性暴行致傷事件で米国は18日夕、日米合同委員会で米兵の身柄引き渡しに同意した。逮捕状発付から2日後に引き渡しが実現されたことに外務省は米側を評価するが、県側は逮捕状発付後の即時引き渡しが実現できなかったことに不満を漏らす。日米地位協定の起訴前身柄引き渡しが「米側の好意的考慮」に委ねられている運用改善の実効性に関し、沖縄側と日米両政府との認識の違いは依然残されたままだ。
(東京報道部・玉城真理子、政経部・松永勝利)
◇すがる思い
「知事のように1秒でも早い引き渡しを願っている」。日本側要請から丸1日たった17日夕、外務省幹部が何かにすがるかのように、つぶやいた。引き渡しが長引くほど県内の反発が高まることを承知の上での発言だ。
外務省は16日夕の日米合同委員会で米側に身柄引き渡しを正式に求めた。今度は米側からの回答を待つ番だ。しかし日本側が投げた球”は米側に吸い込まれ、いつ、どのような形で投げ返されるのか、見通しは立たなかった。
「地元の米軍や米大使館は(引き渡しに)前向きのようだが、米国防総省がすぐに応じないかもしれない。米少佐事件で警察に不信感を持っている」。米側の対応にやきもきする別の政府関係者の頭には、引き渡し拒否の懸念もよぎった。
◇立場の違い
17日正午、那覇市の外務省沖縄事務所の会議室。要請で訪れた金武町議会の代表と沼田貞昭沖縄大使が向き合っていた。「日米の司法制度の基本的な違いもあり、実際に交渉すると非常に難しい問題がある」。沼田大使は地位協定の改定の困難さを率直に話した。
町議の一人がまくし立てた。「アメリカさんの好意的考慮で、私たちは頭下げて身柄引き渡しをお願いしなければいけないのか。もう少しき然とやってほしい」。事件が相次ぐ基地の街に住む住民代表と外交の局面に立つ政府側との危機意識や温度差がまざまざと表れた瞬間だった。
「米国が好意的考慮を払う」とある運用改善について、外務省は「無条件の引き渡しを意味しない」との見解だ。考慮を払う主体はあくまで米政府で、運用改善は起訴前の引き渡しを確約していないとの解釈だ。
◇揺るがぬ改定要求
結果的に引き渡しは北谷町の事件の半分の日数で実現した。外務省幹部は「一定の評価ができる」と述べ、米側の対応を前向きにとらえている。
逆に、県側は冷ややかだ。「それでも2日かかった。今回の事件は発生から逮捕状請求までかなりの日数があり、米側はいくらでも検討する時間はあった。やはり好意的考慮では米側の意向を待つ受け身でしかなく、運用改善の限界だ。逮捕状発付と同時に即座に身柄が引き渡されるよう改定されるべきだ」(県関係者)と改定の必要性をあらためて痛感した様子。
政府が日ごろ示している「運用改善による機敏な対応」という方針について、今回の事件が「機敏な対応」だったかの評価は政府と沖縄側では食い違う。米側に委ねられている「好意的考慮」に甘んじている限り、両者に横たわる深い溝、不信感は埋まらない。

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沖縄タイムス 「沖縄の人権にとって最大の脅威は…」 米兵暴行事件で抗議集会 2016年3月22日 21:00
沖縄タイムス 姉は米兵に暴行された そして60年後の沖縄で、弟が問う 2016年3月21日 19:38
沖縄の女性グループ「基地軍隊を許さない行動する女たち」がまとめた【米兵による戦後沖縄の女性に対する犯罪】

・画像は琉球新報速報記事より。
http://ryukyushimpo.jp/archives/002/201603/sokuhou0321.pdf

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